悪魔のいけにえ 単語

122件

アクマノイケニエ

4.6千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

「悪魔のいけにえ」(原題:The Texas Chain Saw Massacre)とは、
1974年開されたアメリカ映画である。

監督トビーフーパー。

映画史上、最も怖い作品と称される。

概要

テキサスの片田舎で、殺人鬼レザーフェイスを擁するキチガイ一家に襲われる若者達の姿を描く。

レザーフェイスやその家族の持つ精異常の姿を非常にリアルに描き出し、に迫った恐怖を描いたことで大ヒット映画における殺人描写において、これほど機質でおぞましい殺人鬼を描いた作品はなく、また「何の罪も被害者達が殺される」という理不尽さについても、ここまで突き詰めた作品はなかった。
後世のホラー映画に絶大なを与えたである。

その恐怖描写は芸術の域にまで達したと絶賛され、PTA的組織や自治体からは「絶対に見てはいけない」しく忌み嫌われ、上映中止をめる抗議デモが相次いだ。
一方、芸術性の高さからマスターフィルムニューヨーク近代美術館永久保存するという、ホラー映画としては異例の処遇を受けている。本作以外でこの栄誉に預かったホラー映画は、ジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のみ。 

ぞ派手な血しぶきが……と思われるだろうが、実は直接的なスプラッタ描写はそれほど多くない
腐乱死体や人具など狂った小具を映す、あるいはレザーフェイスが犠牲者をの向こうへ連れ去るのをワンショットで映すなどの演出で、恐怖を演出している。 

予算は当時の額で8万ドル現在の価値で4000万円)という低予算で、今作で名を馳せたトビーフーパーも当時新人のペーペー、俳優もパッとしない若手ばかりと、粗製乱造される安物の1つに過ぎないものだった。
しかし上記のように「史上屈名作」と評価されたことで、全での行収入は3000ドルに上った。これはリバイバル上映なども含めた数字である。 

第一作が有名だが、実は続編が4作作られており、リメイク版とその続編も作られている。

なお、被害者の体の一部を使って具を作る、精異常を来たしているなどの共通点から、実在した殺人鬼エド・ゲインモデルにしているというのが通説となっているが、監督としてはそれはむしろ偶然の一致で、実際は1966年に起こった『テキサスタワー乱射事件』が強いという(監督はこの現場に居合わせた)。

あらすじ

この映画は 若者達の惨劇の物語

いけにえの5人の若さが哀れさを増す

長く生き延びても 同様の異常衝撃には出くわさなかったろう

悪夢と化したドライヴ

この事件こそ

米国犯罪史上 最も異様な

テキサスチェーンソー虐殺

――映画冒頭のナレーションより

テキサスの田舎ドライブする5人の若者が、中で一軒のを訪れる。中で一人のヒッチハイカーを拾うが、ナイフで自傷行為に及ぶなどの奇行に走った為に追い出される。
その後、若者達はガソリンを分けてもらうために通りかかったに立ち寄るが、現れたのは、食解体用のエプロンと人マスクを着けた、狂った殺人鬼だった。

レザーフェイス 

映画史上最悪の殺人鬼として名高く、13日の金曜日」のジェイソン・ボーヒーズ、「エルム街の悪夢」のフレディ・クルーガー、「ハロウィン」のマイケル・マイヤーズらと並び、ホラー映画界に今なおスターである。

本名はババ・ソーヤーリメイク版では、トーマスブラウンヒューイット。 

改造を施したチェーンソー武器に、人解体を働く狂人金槌で相手を殴りつけ、解体用のフックり下げて殺する。
特徴はチェーンソーと、被害者の皮膚から作った人マスク。レザーフェイス=『人皮の仮面』という名前も、ここから来ている。
ちなみに「チェーンソーと言えばジェイソン」という誤解が多いが、少なくとも上記3人の中には、チェーンソー武器として使用したことのある者はない(ジェイソンフレディは手製の鉤マイケル切り包丁)。すなわち、チェーンソーはれっきとしたレザーフェイス武器である。 

また、何かしかの人外を持つ上記3人と違い、若干ふくよかな人間である。そのため、被害者から手痛い反撃を受けたことも再々ある。
しかし常識では考えられない怪力の持ちで、しく暴れる被害者を強引にの中に引きずり込む。また、巨体でありながら(しかもチェーンソーを抱えた状態でも)異常に足が速い。 

梅毒持ちの精神病患者で、女装を持っている。つまり男の娘
通りかかる人間を襲っては解体し、家族と共にそのを味わい、や皮から具を作り上げる。しかし、このような狂った面を持つ一方で、キチガイいの家族に対しては従順。かわいい
また、1作では何をするかわからない精異常者としての面が強く描かれたが、続編では被害者女性をして家族から隠したり、その家族に叱られてんだりと、妙に人間臭いところを見せる。

1作ビデオDVDパッケージは彼のドアップで飾られており、それだけでもう怖い

初作で彼を演じたグンナー・ハンセンは、アイスランド出身の俳優小説家
怖ろし気な演技とは裏インテリだった。2015年にすい臓がんで死去。享年68。
後述の通り、ボス・ソーヤー役で最新作にも出演していた。

続編 

『悪魔のいけにえ2』(1986年)

初作の大人気を受けて作られた続編。トビーフーパーが再び監督を務める。
多額の予算が降りたのをいいことに、よせばいいのに大枚をはたいて大スター演に据えた。 

前作のから家族ぐるみで脱出し、園となった遊園地に潜んだ一家を、前作の被害者叔父(演:デニス・ホッパー)と、レザーフェイスに一ぼれされたヒロインが襲撃する。
……本当にこういう話である。

前作とべて残酷描写が格段にパワーアップしているが、恐怖描写ではもはや前作をえることは不可能監督自身認めたか、あるいは開き直ったか、コメディエンターテイメント要素に満ちた作品に仕上げられている。
かしこの思い切った選択は結果として成功しており、趣の違った作品として楽しめる出来となっている。

『悪魔のいけにえ3 レザーフェイスの逆襲』 (1990年)

続編なのかリメイクなのかいまいちよくわからない作品。
製作側も思い切って新シリーズを作ろうとしたようだが、煮え切らない出来と同様、煮え切らない人気収に終わった。

「テキサスのガソリンスタンドで、若者達がレザーフェイスに襲われる」という、1作ど変わらないプロットだが、家族設定や舞台などが微妙に変えられている。
はっきりいって余りくない。

『悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス』(1995年) 

またも世界設定をリセットして作った4作
やっぱり前半のプロットは変わらない。襲われるのが学生というだけである。

副題は『The Next Generation』=「次世代」と、やはり新たな流れを生み出したかったようだが、結果として、「レザーフェイス一家の背後に巨大な組織がいる」ということを妙な形で示唆したのみに終わった。
これもあまり面くない。 

『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイスの逆襲』(2013年)

『1』の直接の続編。ただし『2』とはパラレルワールドである。もう何でもありやな。
2014年時点での最新作だが、後述する『テキサス・チェーンソー』の続編ではなく、あくまで『1』の続編と言う、変わった位置づけの作品。 

逃げ延びたサリー通報により、テキサスの自警団がキチガイ一家を襲撃。『1』の大虐殺からわずか59分後、レザーフェイスキチガイ一家は、当時赤ん坊だったヘザーを残して全滅した。
20年後、自警団の夫婦に引き取られたヘザーは成人を迎えていた。そんな彼女の元に、祖母が死んだと言う知らせが入り、その財産相続する。もちろん自分が殺人鬼一家の末であったことなど知らないヘザーは、自分のルーツへの興味もあって、友人と共にその邸を訪れる。
しかしそこには、死んだはずのレザーフェイスの魔の手が延びていた、という物語

シリーズ初の3D映画ギャグのような邦題に対して、原題は『Texas Chainsaw 3D』とシンプル。 
過去作品のキャストカメオ出演しており、『1』でレザーフェイスを演じたグンナー・ハンセンは、彼のであるボス・ソーヤーを、『2』でレザーフェイスチョップトップを演じたビル・モーズリーは、長のドレイトン・ソーヤーを、『1』以降3度に渡って一家の祖を演じてきたジョン・デュガンは、今作でも祖を、それぞれ演じている(ちなみに、たまに混同されるが、チョップトップは次男でドレイトン長男である)。
また、生還したヒロインサリーを演じたマリリンバーンズが、ヘザーの祖母ヴァーナ・カーソンを演じている。彼女は数えるほどしか映画に出演しておらず、その近を確認できるだけでも重な作品である。
ファンにはたまらない、同窓会のようなキャスティングであると言えよう。

しかし、『13日の金曜日 part3』や『ジョーズ3』のような、80年代のちゃちな3D映画と同等のチープな内容であるとして、批評サイトなどでは微妙な評価になってしまった。
だが約2000ドル制作費に対して行収入は4724万ドルと、収面では成功を収めている。

リメイク

『テキサス・チェーンソー』(2003年)

マイケル・ベイ製作リメイク版。
後の『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』のリメイクさきがけとなった。

家族構成や苗字などを変更してはいるものの、基本的なプロットは初作と同様。
進化したCGや撮技法で、1作子を損なわないまま現代的にリメイクしており、評価は概ね好評。
で1億ドル以上の行収入を記録した。

ちなみに、今作でレザーフェイスを演じたのは、実写版ストリートファイターザンギエフを演じたアンドリューブリニアスキー
また、ハートマン軍曹ことロナルド・リー・アーメイも、キチガイ一家の一員を演じている。

『テキサス・チェーンソー・ビギニング』(2006年) 

リメイク版の続編、というよりはエピソード0モノ。
レザーフェイス生誕の秘密と、家族の経歴がられる。

被害者達の構成や殺方法、また(レザーフェイス達の過去を描いた場面と結末を除く)ストーリーは前作以上に1作に近い。

こちらも一応好評は得たものの、予算は倍額なのに行収入は半減してしまったため、リメイク製作は今作で落ち着いてしまった。

関連動画


関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/20(土) 08:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/20(土) 08:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP