意味なんてねーー!!スカッとするからしてるだけなんだよこのボケー!!とは、趣味を咎められた時の開き直りである。
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part2戦闘潮流に登場する、ニューヨークの悪徳ポリ公(モブキャラ)の台詞。
イギリスからアメリカ・ニューヨークへ引っ越してきたばかりのジョセフ・ジョースターは、路上販売の初めて見るコーラに興味を示し、財布を出した途端、スリの少年であるスモーキー・ブラウンに盗まれてしまう。後を追ってみれば、スモーキーは二人組の警官に捕まっており、黒人である事を理由にリンチを受け、さらに刑務所行きを見逃してやる代わりに毎週20ドルと盗んだ物の半分を寄越せと恐喝していた。
あまりにも酷い警官の差別と恐喝に、ジョセフはスモーキーを助ける為、警官にこう言った。
その台詞は、かつてジョースター卿が命の恩人だったが盗人でもあったダリオ・ブランドーに対して盗まれた結婚指輪をあげたものだと警察に庇い建てた時と同じ物であった。ジョセフが誇り高きジョースター家の精神を受け継いだ人間である事を読者に知らしめた場面と言えよう。
しかし、この生意気な態度に警官たちは引き下がらず今度はジョセフを脅しにかかる。俺達に逆らうなと言わんばかりに太った方の警官は自分の鼻からほじったハナクソをジョセフの右ほほに擦り付け、指の汚れをジョセフの服で拭う。
自分たちの権力に逆らえまいとニタニタ笑う警官にジョセフはハナクソを擦り付けた行為に「なんだってこんなことをする?この行為にどんな意味があるっていうんだ?」を質問するが、警官は逆上。
そう言ってもうひとつのハナクソをほじろうと鼻の穴に指を突っ込んだ警官の顔に、図にのるんじゃあないとジョセフは思いっきりパンチ。警官の前歯はへし折れ、鼻に突っ込んだ指は鼻翼を突き破って見るにも痛々しい姿に。
突然の反抗に相棒の警官は拳銃を取り出し、撃鉄を起こして撃とうとするがジョセフの手に持っていたコーラの瓶に波紋を流し、勢いよく飛んだ栓は引き金にかかっていた警官の指を完全にへし折り肉を弾き飛ばしてしまう。こうして悪徳ポリ公どもは懲らしめられたのだ。コーラだけに。花京院オメーこーゆーダジャレいうやつってよーっムショーにハラが立ってこねーか!
自分の財布を盗み取られても、黒人である事を理由に理不尽な暴力を与えられたスモーキー少年に対して、偏見もなく庇い建てるジョースター家の精神をジョセフ・ジョースターが受け継いでいるとともに、ジョセフとスモーキーの友情を表した第2部の始まりを飾るエピソードであるが、悪徳警官の行為は許せないとはいえ、何の得にもならない様な趣味を他人から揶揄われたり咎められたりされる事も多いだろう現代の趣味に「意味なんてねーー!!スカッとするからしてるだけなんだよこのボケー!!」と言い切って開き直れるメンタルは見習いたくなるものだろう。
他人に迷惑や不幸にしてない限りはその趣味は本人の自由。「スカッとするからしてるだけなんだよこのボケー!!」の精神で自分の時間を楽しもう。
ちなみに、聖書にもあるという「右の頬にハナクソつけられたら左の頬にも」というのは、聖書の原文は「悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」というもので、「目には目を、歯には歯をと報復に捉われず理性を保ちなさい」というような教えで、決して聖書にハナクソ云々が書かれているわけではない。作者の荒木飛呂彦はキリスト教系の学校出身であり、聖書についても習っているので詳しいと言えるが、聖書の言葉にハナクソを付け加えるとはこの警官共々バチ当たりなのでは?
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最終更新:2024/04/24(水) 03:00
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