戦闘不能とは (セントウフノウとは) [単語記事]

戦闘不能とは、文字通り戦闘が不能であることを指す熟語である。

ＲＰＧの戦闘不能

戦闘によるHP0の状態、所謂「死亡」状態を言い換えたものとして定義され、石化や麻痺などによって戦闘できない場合とは区別される。

旧来多くのロールプレイングゲームではキャラクターのＨＰが０になると「死亡」状態になることが多かった。
特に『ドラゴンクエスト』シリーズではキャラクターが死んでしまうと棺おけの中に入れて連れ歩く、メタルマックスシリーズでは裸の人間(通称テンプラ)になって連れ歩かれるという描写がされていた。

しかし、RPGにおけるイベントの多様化によって、仲間が台詞を喋る場合などそのキャラが生存していることが必要であったり、ストーリー上でのキャラの死（キャラロスト）に対してなぜ復活魔法が効かないのかといった問題が出てきたため、旧来「死亡」とされていたHP0の状態を再定義する必要が生じ、このような語が当てられたものである。
マザー２では「気絶」、ポケットモンスターでは「ひんし」など、いくつかのバリエ―ションが存在する。
死亡でないとはいうものの、元が死亡状態の言い換えであったため、HPを無視して一撃で戦闘不能にする効果を持つ攻撃を「即死攻撃」と言ったり、魂を抜くなど相手に明確に死を与えるようなイメージの技は現在でも特に変更されずに使われている場合が多い。

即死攻撃

本来この状態は攻撃などでHPを減らしていき0に到達させることで生じるもので状態異常とは若干異なるものであるが、毒やマヒなど他のステータス異常と同じように一定確率で強制的に戦闘不能にしてHPを0にしてしまう技が存在する。
多くの場合、元が死亡だったため特に言い換えはせず「即死攻撃」と呼ばれることが多い。

HPを0にするという性質から、補助技で失敗すると何も起こらない場合と、ダメージを与えつつ追加効果で即死させる場合で描写が異なり、前者は魂を抜いたり精神を破壊するといった呪術的な方法、異空間に吸い込むなど空間的な方法、アイテム化するなど物質変換的な方法が取られ、闇属性かそれに近い属性の得意技ということが多い。
後者は主に威力の大きい攻撃に付与されており、前者の方法に加えて真っ二つにする、場外にホームランする、燃やし尽くす、埋め立てる、窒息させる、凍らせて砕く、などなど属性に係わらず攻撃の勢いでそのまま即死させるような技が多い。

戦闘不能からの回復

戦闘不能は所謂死亡状態であるため、これを回復する行為を「蘇生」という俗語が広く使用されている。

戦闘不能時は必然的にHPは0になっているため、これにおちいると単純な回復アイテムや魔法ではＨＰが増加せずに復活できない場合が大半であり、宿屋に泊まるなどの手段を取っても戦闘不能が維持されることもある。ただし、戦闘さえ終了すればHP1で復活するタイプのゲームもある。

戦闘不能の回復は宿屋に泊るまるか専用の施設でと言う場合が多い、冒険中に回復する場合はそれ専用の回復アイテムや魔法を使うしかなく、多くはHP 回復やステータス異常の回復よりもの高価であったり習得が遅かったりと厳しい制限がある場合が多い。特に、「全体回復」や「全体状態異常治療」は多くの作品に存在するが、ノーリスクでの「全体蘇生」が可能な作品はかなり少ない。

古いゲームでは魔法、施設共に理不尽なまでに高コストだったりするが、近代のゲームでは宿屋に泊まれば復活でき、復活魔法のコストもかなり安い場合も多かった。だが、この場合一回で全滅しなければ容易に立て直せてしまう、回復をかけて殴り続けるのが有効で攻撃魔法や補助魔法の立場が無い等の問題があった。
そのため、最近では「戦闘中の復活魔法のコスト」に限っては増加傾向にあり戦闘不能のもつ死の重みが再び増しており、みだりに倒れないような立ち回りが求められるようになった。