『戦闘妖精・雪風』(せんとうようせい ゆきかぜ)とは、神林長平のSF小説及び、それを原作としたOVA作品シリーズである。
突如、南極大陸に超空間からの通路が出現し、そこから異星体「JAM(ジャム)」の侵攻が始まる。人類は地球上からジャムを撃退し、現在では逆に超空間通路の向こう側にあるフェアリィ星に基地拠点を築き、ジャムとの戦闘を続けていた。
ジャムと戦うために結成された人類側組織「フェアリィ空軍(FAF)」は、長く続いた戦いでその人員構成が変容。地球に居場所がないはみ出し者達が送り込まれるようになっていく。その中でも、特に共感性の欠如した人材ばかりを集めた特殊戦第五飛行戦隊、通称「ブーメラン戦隊」所属のパイロットである深井零と、彼が乗る戦闘機「雪風」の戦いを描く。
小説は1979~83年まで『SFマガジン』誌上で連載され、1984年、『戦闘妖精・雪風』として早川書房より文庫化。当時のカバーイラストは『Ma.K(マシーネンクリーガー)』で有名な横山宏が担当した。
アメリカ海軍の戦闘機操作マニュアルを引用としたといわれる操作シーンや、人類と異質な存在、<ジャム>、そして人類側と戦闘コンピューターとの関係性などが、作者である神林長平の独特な文体と衝撃的な物語展開ともあいまって、長い間SFファンの間では名作と呼ばれている。
シリーズ最新作は「戦闘妖精・雪風 第五部」で、SFマガジン2025年2月号に最終回が掲載され、単行本化された。
ハードカバー単行本のカバーイラスト、雪風等のデザインは長谷川正治が担当している。
この他、単行本に収録されていない短編として、1984年にSFマガジンに掲載された『敵は海賊』とのクロスオーバー作品「被書空間」と、2002年7月出版の『戦闘妖精・雪風解析マニュアル』で書き下ろされた「ぼくの、マシン」がある。「被書空間」は『敵は海賊・短篇版』、「ぼくの、マシン」は『いま集合的無意識を、』などの短編集に収録済。
OVA版は2002年よりスタート。以後5巻まで続いた。タイトルは「・」(中黒)の無い『戦闘妖精雪風』と表記される[1]。
『銀河鉄道999』のメーテル役で御馴染みの池田昌子の演技でより深みを与えられたリン・ジャクスンは必見である。
「雪風」という愛称は、あくまでブーメラン戦隊における個々の機体(あるいは電子頭脳)を区別するために付けられるパーソナルネームであり、俗に言うペットネーム(機体の公式愛称)は「スーパーシルフ」や「メイヴ」に該当する。
ペットネーム「メイヴ」の英表記はOVA公式サイトでも「Mave」か「Maeve」であやふやだったが、DVD-BOXの続編予告詐欺特典映像「EXPERIMENTAL MOVIE」冒頭でも「MAVE」となっているため、現在は「Mave」で安定している模様。
リン・ジャクスンが発言した「FFR-44MR」という謎の型式は、FAFから地球側に伝わった正確ではない情報だと考えられる。
特殊戦第5飛行隊、通称「ブーメラン戦隊」はFFR-31MRスーパーシルフ13機で編成されていたが、後に3番機(B-3)"雪風"が喪失。FFR-41MRメイヴ "雪風"が1番機として編入。あわせてFRX-99レイフがB-13として編入したのは上述の通り。このとき若干の入れ替えがあったと思われる。残りの所属機体パーソナル・ネームおよび搭乗パイロットは以下の通り。(ただしアニメ版は若干異なるので注意)
| 番号 | 名称 | 英語名 | 由来 | パイロット | フライトオフィサ |
| B-1 | 雪風 | yukikaze | 旧日本海軍陽炎型駆逐艦 | 深井 零 | 桂城 彰 |
| B-2 | カーミラ | carmilla | 吸血鬼 | ミハイル・ズボルフスキー | フリードリッヒ・ ポルガー |
| B-3 | 春燕 | chun yan | 中国の王妃 | 唐 応徳 | 王 輝華 |
| B-4 | ズーク | zouk | 音楽ジャンル名 | ルドルフ・オットー | ジョゼフ・コベット |
| B-5 | アプサラス | apsaras | インドの天女 | クリシュナスワーミ・ チャンダル |
レジナ・ベネット |
| B-6 | ミンクス | minx | 生意気娘・おてんば娘 | アナスタシヤ・ コヴァレフスカヤ |
イヴァン・ イヴァノヴィッチ・ コズロフ |
| B-7 | ランヴァボン | Llanvabon | マレー・ラインスターのSF小説 "Fast Contact"に登場の宇宙船 |
ヴィンセント・ブリューイ | タデウシュ・ ノヴァコフスキ |
| B-8 | ジルウェット | girouette | 風見鶏 | イザベル・ガラント | アルフォンス・デュラン |
| B-9 | エリゴス | eligos | ソロモン72魔神の一人 | セシル・グレイ | エドガー・ブラッドリィ |
| B-10 | ラマッス | lamassu | メソポタミアの守護神 | アーマド・アーザード | ハーマン・カーン |
| B-11 | ガッターレ | gattare | 猫のえさ係 | ヴィットリーニ・ プッツァー |
ジャン・リシュリュー |
| B-12 | オニキス | onyx | 黒瑪瑙(宝石) | ウォルター・サシュリン | パメラ・スノウ |
| B-13 | レイフ | rafe | 知恵の狼 | (無人機) | (無人機) |
OVA版メカデザイナー山下いくとがデザインした美少女キャラ、『メイヴちゃん』を使った「互換性のない」スピンオフ作品である『戦闘妖精少女 たすけて!メイヴちゃん』もOVAとして発売されている。
劇中に登場する『スーパーシルフちゃん』には神林長平直筆のパーソナルネーム『雪風』の揮毫が衣装の一部分に記されている。
掲示板
255 ななしのよっしん
2025/02/25(火) 10:56:35 ID: oTytj069/Z
>>254
そんな描写あったっけ?アレがアレだとするとアレがアッチのアレを守るためアッチとコッチを切り離しやがって素通りしたってことかと思ったが
256 ななしのよっしん
2025/02/25(火) 11:39:10 ID: oTytj069/Z
>>249
戦闘知性体の設定はAIの登場で外れた未来予測になるかと思いきや、
現代のAI言語モデルにしてもパターン認知AIにしても自然な会話をしたり精度の高い検出はするけども内部でなにを考えてるのか意味論的にはよく分からない、でもどうやら単語や言葉の意味を理解しているわけでも世界を認知しているわけでもないようだって感じで、やっぱり戦闘知性体はこの現代AIのちょうど一歩先を行ってるんだよね
AIがロボットの体を手に入れことで物質世界と直接触れ合う手段を得たことで自我らしきものが芽生え、そして外界とコミュニケーションすべく言葉を真に理解しようとしていると。
30年経って陳腐化せずしかし次世代AIの姿はこんなだと予感させるこの設定を生み出したのは絶妙
現実でもAI戦闘機が実用化してAIが肉体を獲得したら雪風みたいに自律進化的になっていくかもしれないね
257 ななしのよっしん
2025/03/24(月) 17:22:21 ID: 507+Ov3lvI
4巻読み終えた所だがこのシリーズ物理的に空飛んでる方が断然生き生きしてる気がする
OVAから逆輸入したような光学ジャマーぶちかまして離陸する所から地球の戦闘機との戦いは人知れず始まってる(決着が着いてる)のも面白かった
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/07(日) 22:00
最終更新:2025/12/07(日) 22:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。