コセキ
戸籍とは、一個人が出生してからの身分関係を詳しく記した公的資料である。
一人ひとりの項目に届出が必要となる事項の発生日、また生まれた市区町村や親の名前などが記載されているため、遺産相続や家系調査、パスポート申請、年金の請求など様々な場面で使われる。
世帯全員を記入した『戸籍謄本(とうほん)』『戸籍全部事項証明書』、またその中から特定人物のみを抜き取って記載した『戸籍抄本(しょうほん)』『戸籍個人事項証明書』が存在する。現在は世帯主と配偶者・その子のみの世帯単位での記載であるが、戦前は世帯主とその子・孫・そしてその配偶者といった家単位で記載されていた。なお戸籍から何らかの理由で抜けると「除籍」となる(詳しくは後述)。
市区町村への住民登録とは別に戸籍を管理する市区町村を決めるにあたり本籍地の設定がある。都道府県~番地・枝番を記載してその住所を管轄する役所に特定の届けを提出することで、提出した当日から戸籍を一括移動させることができる。本籍はかつて運転免許証にも記載されていたが、IC機能が搭載されてからはチップ内に本籍情報が記録されているため、2010年7月17日以降交付の免許証からは記載欄が削除されている。
日本では住所区画の定められた国内の土地であれば本籍地の自由な選択が認められているため、中には東京ディズニーランドや皇居、北方領土などに本籍を置く人もいる。ただし遠隔地に本籍を置いた場合、戸籍が必要になった際に郵送請求することになるなど手間が掛かるので注意。
※北方領土内に本籍を置く場合、届け先は根室市役所となる。
戸籍には「どういう理由でこの戸籍が作られたのか」「この戸籍が閉鎖されたのはいつか」という内容を表す戸籍事項枠が存在する。
住民基本台帳法第3章に基づいて作成される公簿。住民票の前住所のみの記載に対し、戸籍が編製されてから現在に至るまでの住所履歴がすべて記載されたもの。それぞれ「住民票に記載された住所」「その住所を定めた年月日」が記載されるため、転勤でどこに住所を置いていたかなどが一目で確認できる。ただし戸籍側で全員が除籍になると5年で廃棄される。
「壬申戸籍」から「昭和32年式戸籍」まで時代ごとに5種類の異なる様式の戸籍が存在する(壬申戸籍について詳しくは個別の単語記事にて)。和紙を使った原本に手書きか和文タイプライターで縦書き文章が記入され、バインダーで一括保管されるなど取り扱いがすべて手作業で行われていた。そのため手書きの戸籍は筆書き風の字で記入されていたり、かなり達筆な字だったりと時代や筆者によって様々。数字については漢数字(壱、弐、参、拾など)が使用され、各種事項が記入されると一件ごとに首長印(印鑑)が押される。
請求を受けて戸籍をバインダーから探し出すだけでも膨大な時間を要しており、上質紙への複写も含め発行までに1~2週間ほどかかっていた。
1994年に改正戸籍法が施行されたことで電算化戸籍が誕生し、全市町村で戸籍のコンピューター化が行われ、原本が和紙から戸籍システム内の電子データ(磁気ディスク)へと変化した。
これに伴い文字も「縦書きの文章」から「項目別の横書き」に変更されると共に年月日の記載には算用数字を起用、手書き特有だった崩し字やクセ字が正字表記に統一されるなどスッキリと見やすくなる。
また用紙もA4判改ざん防止用紙に変更され、偽造防止対策も強化された。
転籍、死亡、戸籍法改正といった都合により該当者が戸籍から外れると『除籍』として扱われるが、全員がいなくなるとその戸籍は閉鎖され『除籍簿』あるいは『除籍全部事項証明書』へと切り替わる。現在の戸籍は四角枠に「除籍」と記載されるが、昭和32年式戸籍の時代までは除籍者の名前にバツ印がつけられており、そこから離婚回数を表して「バツ1」「バツ2」という俗語が生まれた。※厳密には明石家さんまが1992年の離婚会見で額に戸籍に由来するバツ印を書いたことから広まった。
また除籍簿には保存期間があり、旧保存期間は除籍年度の翌年から起算して80年であったが、2010年6月1日より一律150年へ延長された。つまり一度でも離婚すれば一世紀半にわたりその記録も残り続けることとなる。本来なら保存期間が終了しているはずの除籍を任意で保管している役所も存在するが、多くは保存期間が終了するごとに廃棄されているため、役所に残っていない場合はコピー用紙に戸籍内容と廃棄理由を記載した『廃棄証明書』が発行される(災害などで戸籍が消失した場合も同様)。
「本籍地でないと戸籍が請求できない」という難点を解消すべく、2024年頃をメドに戸籍をネットワーク化することで、本籍地以外(住所地、勤務地)の役所でも戸籍が請求できるようになる予定。
同時に氏名に関する規定を一部変更し、戸籍にも氏名の読み仮名がつくようになる。
掲示板
5ななしのよっしん
2022/05/15(日) 19:55:16 ID: thYKyiKUcA
戸籍の選択的別氏対応は十分可能だし、戸籍廃止にも反対だけど、
自称保守連中が言うほど戸籍って出自が正確に分かるようなもんじゃないよね
生年月日一つ取っても実際の生年月日と戸籍上の生年月日が一致しない人なんてザラだし、
(例:泉重千代、肥後克広、竹山隆範(カンニング竹山))
戸籍上親子とされていても実際に血の繋がりが無いことも普通にある
6ななしのよっしん
2022/05/22(日) 11:06:38 ID: HNqlaoh/nT
7ななしのよっしん
2022/06/21(火) 10:55:53 ID: 4m9K/aq+HM
>>3
伝統でもなんでもないってことだよわかった?
急上昇ワード改
最終更新:2022/06/28(火) 06:00
最終更新:2022/06/28(火) 06:00
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