掃除機とは、ほこりやゴミ、塵等を容器内に回収する電化製品のことである。
初代の掃除機は1858年、ゴミも小さな塵もまとめて掃除したいという考えから欧米で考案された絨毯用掃除機だった。
1899年、空気ポンプを利用したアップライト型真空掃除機が開発され、現代における製品と変わらない画期的な製品であったが、輸入された当時の日本ではごく一部の家庭でしか使用されなかった。
1931年に日本で最初の電気式真空掃除機が開発された。1949年に米国製品を参考に開発・販売を開始したが、当時の日本家屋のほとんどは畳と板間であり、「はたき」や「箒」でゴミを家の外に掃き出す方が簡単で早かったため、真空掃除機は殆ど普及しなかった。
しかし、1960年代の団地ブームにより家の外にゴミを掃き出すことが近所迷惑のため難しくなり、箒の簡便さが半減したため、まず掃除機が団地に受け入れられた。また、団地や新しい家には洋室が取り入れられ、絨毯をほうきでは掃除しづらく、絨毯の毛の中に溜まったホコリによってノミが大量発生することも多かった。このため真空掃除機の優位性が高まり一般家庭に普及し始めた。
現在の社会の掃除に欠かせなくなった掃除機は様々な種類が開発されており、パワフルな吸引力が持続する定番の「床移動型」、片手で使用できるコンパクトな「ほうき型」、掃除する負担を減らすことが可能な「ロボット掃除機」、細かいところに向いている「ハンドクリーナー」、雑巾がけが手軽にできる「スチームクリーナー」などがある。また、掃除機そのものを住宅に組み込む「セントラルクリーナー」も存在する。
とりあえず大手メーカーのものを選んでおけば失敗しない。平成中盤以降、国内外の格安モデルが蔓延っているが、これらは品質が低く、ひどい場合は1週間もしないうちに壊れることもある。掃除機の寿命は住宅環境や使い方によって変動するため一概には言えないが、大手メーカー製が10年使えると仮定すると、格安モデルはせいぜい1~2年であることが多い。長期的に見れば少し高くても大手メーカーのものを買う方がお得である。安いものには必ず理由があるのである。逆に言えば大手メーカーはユーザーからの信頼があるからこそ大手になることができたのである。
また、海外メーカーの掃除機は基本的に欧米の床を想定して作られているため、日本の家屋で使うと床材(特に畳)を傷つける危険性がある。
家の構造・用途などで適切な機種を選ぼう。令和6年現在、キャニスター型やスティック型、ハンドタイプ等といった様々なタイプのモデルが販売されている。
100Vコンセントから電源を供給するおなじみのタイプ。コンセントの差し替えが必要だが、コンセントに電気が供給される限りいつでも使えるほか、電力供給が安定しているため、ハイパワーで吸引力の低下が少ないのが大きなメリットである。家全体を掃除するのに最も適した方式といえる。
充電式バッテリーで稼働するタイプ。ごく稀に乾電池で稼働するタイプも存在する。コードレスなのでコードの差し替えが必要ない。サッと使えるためちょっとした掃除に向いている。
コード付きと比べると吸引力は弱めで、電池残量が減ると吸引力が低下する。連続使用時間は機種によってことなるが、ハイパワーモデルでは6~8分、ローパワーモデルで16~20分程度であり、(使用を続けると徐々に短くなる。)家の広さにもよるが、1台で家全体を掃除するには無理がある。
バッテリーは少しずつ劣化するため新たに購入しなければならず、ランニングコストがかかる。補修部品の保有期間は生産終了からだいたい6~7年なので、これ以上過ぎると新品のバッテリーを購入できないこともある。本体そのものが高額なこともあり、コストパフォーマンスが良いとは言えない。
最もメジャーなタイプ。一般的に掃除機といえばこれを指すことが多い。本体をホースを引っ張って移動する。背が低いため押入れへの収納も容易であり、日本の家庭でもっとも人気がある。操作部が非常に軽く、ヘッドを持ち上げての移動も容易であり、段差の多い日本の家庭には一番向いている。
前後に細長いものはシリンダー型、縦の円筒形のものはポット型と呼ばれることが多い。
派生機種として掃除機本体を肩にかけるショルダータイプも存在する。(令和6年現在、日立のみが製造)もしかして:ゴーストバスターズ
北米で主流のタイプ。縦に長い形状で、吸い込み口・ダストタンク・モーターが下部にある。掃除機本体を立てて収納できるので部屋の隅に置いても場所を取らない。重心が下にあるので操作は軽い。
価格だけが取り柄の格安モデルに押されたのか大手メーカーでは殆ど絶滅状態である。
細かいところの掃除に使われる。吸引力は弱めで、家全体の掃除には向かないが、机の上の食べこぼし等、サッと掃除したい時に大活躍する。かつてはコード付きも多かったが、日立のこまめちゃんを最後に大手メーカーのコード付きは絶滅した。
ハンドクリーナーに延長管を付けたものは「スティック型」と呼ばれる。ほうき型と形状は似ているが、こいらは重心が上にあり、操作はほうき型と比べると重め。スタンドなしで自立するモデルは少ない。
国会議事堂でも使われている最強の方式。掃除機本体を屋外ないし床下に設置し、ホースを壁や床に差し込んで使用する。ゴミは家中に張り巡らされた配管を通して掃除機本体に送られる。室内に排気しないため部屋に悪臭が漂うことはおろか、排気が埃を巻き上げてしまう心配もない。また、本体が離れた位置にあるため音が静かで、集塵タンクも大きいのでゴミ捨ての頻度も少なくて済む。まさに最強である。
デメリットは初期費用が高いことと配管内にゴミが詰まると取り除くのが難しいことである(前者はともかく、後者は大きいゴミを吸わせないよう気を付ければいいだけなのだが)。これが原因か最強であるにも関わらずほとんど普及しておらず、平成初期頃まで様々なメーカーから出ていたが、2024年(令和6年)現在、日立だけが細々と生産を続けている状態である。日立のセントラルクリーナーは業務用掃除機のモーターを搭載しているため、吸引力・耐久性ともに抜群である。
紙パックの中にごみを貯めて、満タンになったら捨てる最もメジャーな方式。1980年(昭和55年)に日立のCV-8500が発売されて以降、爆発的に広がった。
ごみ捨て時に埃が舞うことがなく、メンテナンスも簡単なため、一定の人気がある。
シンプルな構造のため吸引力が強く、廃熱効率も良い他、紙パックがフィルターの役目も果たすため、フィルターが劣化することもなく、寿命が長い傾向にある。
交換用パックはメーカー純正品のほか安価な汎用品が販売されている。性能重視なら純正品、価格重視なら汎用品を選ぶといいだろう。
かつては排気が汚いことと、ゴミが溜まると吸引力が低下することが欠点とされていたが、近年では紙パックが進化したことにより改善されており(例えばパナソニックのにがさんパックは99.9%のハウスダスト除去率を誇る)、吸引力も空気の流路を見直すことで持続するようになった。
掃除機のタンク内で空気を高速回転させてゴミを遠心分離させる方式。国内メーカーでは2000年(平成12年)に発売されたシャープのEC-AC1が最初である。
紙パックが不要なためランニングコストがかからず、吸引力が長持ちするが、サイクロンユニットが複雑な構造のためパワーロスが大きく、肝心の吸引力は弱い(例えば「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」で有名なダイソンは吸い込み仕事率が170~180W程度なのに対し、紙パック式は400~600Wと倍以上の差がある。)。
サイクロンユニットがダストタンクを圧迫するため頻繁なごみ捨てが必要で、ごみ捨て時にはどうしても塵が舞うため、アレルギーの人は避けた方が無難。フィルター掃除も定期的に行わなければならない。
モーター付近で空気を高速回転させる都合上、熱がこもりやすく、モーターが焼損しやすくなっている。
廃熱効率が悪く、寿命が短い上に本体価格も高いため、長期的に見れば紙パック式の方がお得なのだが、「サイクロン」という何となく強そうなネーミング、紙パックが要らないという(一見お得そうに見える)利点、吸い込んだゴミが見えるという満足感から割と人気は高く、テレビショッピング等でもゴリ押しされる傾向にある。
「吸引力が長持ちする」という点だが、平成後半には紙パック式でも空気の流路を工夫することで吸引力が持続する機種も出ており、サイクロン式の利点はほぼ完全に失われている。
紙パック式が普及する以前から存在する方式。家庭用では紙パック式の登場とともに瞬く間に市場から駆逐されていったが、サイクロン式ほど複雑な構造ではないため吸引力は強く、パワーと耐久性が求められる業務用では今でも採用する機種が多い。また、一部の業務用では紙パックと布フィルターが両方選べる機種も存在する。
家庭用との違いはモーターが高耐久・高出力であること、集塵タンクが大容量であること、耐久性重視のため家庭用で当たり前の装備(ターボブラシ・リモコンスイッチ・コードリール等)が省かれていることである。
機種によっては工具と接続できるほか、液体や濡れたゴミを吸引できる「乾湿両用」、液体専用の「吸水専用」、クリーンルームで使われる「クリーンルーム用」、トナー粉を吸引できる「トナー用」等、用途によって様々な機種が存在する。
家庭用を業務用の代わりに使うと寿命を縮めるほか、保証の対象外になるので注意が必要である。用途に合った機種を選ぼう。
5000円~9000円前後の格安モデルが出回ってるが、こちらは安い分品質もお察しなので注意が必要である。
掲示板
5 ななしのよっしん
2024/06/01(土) 19:53:33 ID: 1o+8FG5QO9
紙パックの場合キャニスターがあるから狭い部屋では掃除しづらいのよね
しょうがないからスティッククリーナー使ってる
6 ななしのよっしん
2024/06/01(土) 22:55:17 ID: Ju07SAXtuD
昔は紙パックのスティック型あったのにいつの間にか消えちゃったな...
https://
7 ななしのよっしん
2024/08/18(日) 01:53:23 ID: Ju07SAXtuD
日立のCV-96Hが一番使いやすい
ヘッドがいい感じに吸い付いてくれる
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最終更新:2024/09/08(日) 09:00
最終更新:2024/09/08(日) 08:00
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