新聞奨学生とは新聞社が主催する奨学金制度である。近年、過酷な労働実態(後述)が明らかとなり、問題となっている。
経済的な理由で進学が困難な者に対して、一定金額の学費を貸与しその代わりとして一定期間新聞社が斡旋する新聞販売店で業務が課せられる。概ね、学業の期間と同一の期間労働に準じることとなる。
新聞奨学生は新聞販売店で業務に準じる事になる。主に配達業務・集金・付帯業務等。販売所の状況によって労働量・労働時間等は大幅に異なる。
午前1:00~3:00頃に起床し、朝刊配達。配達後は販売店で付帯業務と朝食後学校へと向かう。夕刊業務があるため、授業は概ね午前中程度しか受けられない。大学生の場合必修科目ギリギリまでしか授業を受けられない為、勉強を優先したい学生には不向きである。夕刊配達後は付帯業務や集金業務を行い、部屋に戻るのは19:00~22:00頃となり、翌日の業務の起床時間が前述であるため、基本的に休息時間・睡眠時間が不足しがちとなる。体力・精神的に相当の忍耐を必要とするため、学業を全うするのは簡単な事ではない。
東京調布市の新聞販売店で過酷な労働条件下で働いた学生が過労死する事件が発生した。販売店側・新聞社側に誠実な対応が見られず、遺族は裁判を起こした。最終的に新聞社側が責任を認める形で和解が成立したが、新聞奨学生の厳しい現状が浮き彫りになった事件でもあった。
その他、新聞奨学生としての弱い立場を悪用され、パワハラ・セクハラ貸与金の横領などが横行し、度々事件となる。
様々な問題点が指摘されている。
販売店は新聞社とは基本的に資本関係の無い別企業であり、学生の労働状況は販売店の方針に左右される。新聞奨学生と「学生」として扱い専業者よりは比較的軽い作業を与える場合もあれば、専業者並の過重業務を課せられる場合もあり運によるところが大きい。運悪く過重業務を課せられる販売店に配属になってしまった場合、学業との両立が極めて困難になり、結果学業を放棄せざるを得ない学生が後を絶たない。
新聞奨学生の学費は奨学会から一時金として貸与され、定められた期間労働に準じる事になるが、前述の過酷な労働状況により学業が思うように進まず途中退会を考える必要があるが、退会した場合貸与金を一括で返済しなければならない。だが、もともと経済的に困難な者が奨学会から貸与金を受け取り奨学生になっているので、返済金を準備できない辞めたくても辞められない状況が多く発生する。やむなく学業を放棄し、労働に課せられる状況に陥るもの多く、新聞奨学生を志すものは慎重な判断が求められる。
「現代の奴隷制度」(2ちゃんねる、国会質問)や「現代の蟹工船」(週刊ポスト)などと揶揄される事もあるのはこれら前近代的な問題を軽視し、現在も引っ張り続けている新聞社の姿勢によるところであろう。
学費を調達できるというメリットに対して上述のようなデメリットが大きすぎる現状であり、新聞奨学生という制度を利用する事には慎重な判断が求められる。インターネット上に存在する個人の体験談等を参考に、充分な情報・覚悟をもって望む事が賢明といえるだろう。進学するにしても、様々な方法があるので、よく考えて選択する必要がある。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/24(水) 20:00
最終更新:2024/04/24(水) 20:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。