方言 単語

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方言とは、ある言の内、標準の言葉に対して、地域や社会区分により使われる彙や文法に違いが見られる言葉のことである。

転じてプログラムにおける独自の言仕様に対してもこのが使用される。

自然言語における方言

まず、あるや地域で共通して用いられる(標準的な)言について考えよう。これは、ある言のうち、話者数が多かったり、あるいは権威ある言葉遣いと思われるなどして、他の地域や社会階級の言葉に対し、何らかの面で優越、優勢となっている言葉である(日本において、江戸時代以前は京都方言、江戸時代以降は江戸方言や首都圏方言)。

これに対し、方言は標準的(と考えられるよう)な言葉ではないものをさす。

はその文化土に合わせて変化することが多い。標準とされる言地域に対し、環境の違う地方では、独自の表現が用いられることが考えられる。あるいは、逆に標準とされる言地域では、社会の発展によって新しい文物が取り入れられ、それによって新たな彙や表現が獲得されていくに従い古い言葉がれていく一方、地方において、古い彙や表現が残ることもある。また、発音や文法も異なっていく。

この中央と地方の差が長年にわたって蓄積していくと、意思疎通が成されても同じ言葉とは思えない程に変わるのである。これが方言の形成となる。このまま、隔たりが開いていき、意思疎通も出来ず、共通の文法も見いだせなくなると、両者は異なる言と見なされるようになる。

複数ので使われている言における○○なまりというのも方言の一種と言えるかもしれない。フランス訛りの英語など。

方言か言語か

ある地域にのみ通用している言が近縁の言の一方言なのかひとつの独立した言(ないし地域言語)なのかについては明確な基準がなく、政治的意図に大きく左右される部分である。
ある人く、言とは軍事を持った方言だ、とか。

たとえば日本においては、統的体系が大きく異なるアイヌ語日本語の方言とすることはないが、沖縄でもちいられていた言葉(≠沖縄弁)を日本語琉球方言とするか日本語族のひとつである琉球語とするかは、明確な基準が存在しない (ちなみにうちなーやまとぐちと呼ばれる沖縄弁独立した言として扱う者はめったにいない) 。

日本以外では、英語アメリカ英語)は同じ言と認識はされているもののアメリカ独立以来、その差は広がり続けており、文語の表記の違いや、互いに通じない口語の表現も多くなっているのは確かで有る。更に英語が混じりつつ独自の発音や表現も使われるオーストラリア英語)もある。

ドイツ語の中でも低地~中央~高地でそれぞれ連続をしているものの低地ドイツ語と高地ドイツ語では発音の体系が違うことから別の言だとする意見がある。

中国なんかでは、もはや北と南で方言と呼べないほどの差がある。それ故、中国語というのは場合によっては中国における言の総称と考えたほうが良い。

逆に、スペイン語ポルトガル語、あるいはさらにフランス語イタリア語まで含めたロマンスは方言の内だという場合もある。実は、フランス南部の方言(オック)は言語学的に、カタルーニャ語などのイベリア系との共通点も多く、南東部のプロヴァンス語は北イタリアの方言と共通点を有するなど一概にフランス語の方言とは言えないのである。また、北欧なんかだと隣合うの言葉がなんとなく通じるんだとか。

さらに極端なものだと、ユーゴスラビアが存在した時代にはセルボクロアチア(あるいはクロアセルビア語)とされた言葉が、ユーゴスラビア解体以後はセルビア語クロアチアボスニアなどのように別々なものであるとされている例がある。ユーゴスラビア崩壊から20年程度しか経過しておらず、また界地域では普通に会話ができているのに。

日本における方言

琉球語を方言とするなら、まず日本語琉球方言とそれ以外の本土方言で大きく別れる。これらがわかれたのは日本語文字資料に表れる前であり、両者の違いはまさしく言か方言かを争う際である。琉球方言はその多様性から琉球語とも称される。更に、琉球方言の中ですらそれぞれの方言が、方言なのか言なのかが怪しい。

本土の方言は、西日本方言と東日本方言に分かれる。この分割線は親不知子不知から越中と飛騨のを抜け、関ヶ原から木曽川に至るまでである。更に九州方言を西日本方言から分ける意見もある。

日本方言は、さらに八丈方言とそれ以外に別れる。それ以外に当たる方言は順に、北海道、北東北、南東北、西関東北関東)、東関東南関東)、越後、中部(長野山梨静岡)、濃尾(愛知美濃・飛騨)に分かれる。東日本と西日本の方言差は万葉集にもあるくらい古くからあり、九世紀にはすでにその存在が意識されていた。

西日本方言は、北陸近畿中国伯、四国に分かれる。伯方言は旧出雲、隠岐と伯耆で話されている。余談だが、木曽川のお陰で三重は一応、近畿方言である。

九州方言は、肥、豊日、隅方言に分かれる。それぞれの範囲はおよそ旧のままである。

琉球方言は、まず本以北の北琉球方言宮古以南の南琉球方言に分かれる。北琉球方言は、奄美頭、沖縄に別れる。南琉球方言は、宮古八重山、与那に別れる。

そして、それぞれの方言は更にごと、地域ごとに分かれていく。

但し、分かれるといっても明確にどこかで別れるというわけではなく、連続的に変わっていくものである。(明確に別れる場合もあるが)

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プログラミング言語における方言

プログラミング言語において、言別による区分の他に、1つの言ごとに様々なコードの書き方の違いが存在することがある。特にLISPは自己拡が容易なため、ユーザー毎に書き方が違うと言ってもよく、またこれをして上述の言的方言にあやかって「方言」と言いならされており、今もプログラミング言語界にを及ぼしている。

同じソースコードを記述しても、処理が変わってしまう、構文解析に失敗すると言ったことがある。
これは、処理系における差分が原因である。

従って、方言が含まれるような構文ソースコードを示す場合、その処理系を併せて示すのが一般的である。

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