日本女子プロ野球機構とは、2010年に開幕した女子によるプロ野球リーグの運営団体である。
通称JWBL(Japan Women's Baseball League )。リーグの通称も同じくJWBLである。
2014年より、機構は株式会社から一般社団法人化している。
2021年12月をもって活動休止。
以下では、日本女子プロ野球リーグを中心に記載する。
日本女子プロ野球リーグは、2009年8月に発足することが株式会社日本女子プロ野球機構より発表された。当初はGPBL(Girls Professional Baseball League)として設立された。
10月と11月にそれぞれ関西と関東で合同トライアウトを行い、12月に京都アストドリームスと兵庫スイングスマイリーズの2球団が誕生。ドラフト会議でトライアウト合格者の中から女子プロ野球選手を指名・選出した。
2011年12月に、新球団大阪ブレイビーハニーズの発足が発表され、2012年4月に3チームでリーグ開幕。11月には関東に新球団が設立されることを発表。
2013年1月にリーグ名称をGPBLからJWBLへ改称。4球団の構想が明確になり、新球団としてイーストアストライアが誕生。ハニーズはノースレイアとなり、大阪から北日本へ所管エリアが変更。ドリームスはウエストフローラ、スマイリーズはサウスディオーネへそれぞれ改称された。
2014年1月に運営者名が一般社団法人日本女子プロ野球機構へ変更。
2015年から、地域密着をテーマとして4球団が本拠地を設定することになり、球団名も変更。次項「リーグ構成」を参照。
2017年12月2日、兵庫ディオーネと兵庫県淡路市の結んだホームタウン協定が終了することに伴い、2018年シーズンから同球団の拠点を愛知県に移し「愛知ディオーネ」と改称することがリーグから発表された。
2019年11月1日、リーグ所属選手71人中36人が退団と選手が大量離脱。2020年は選手不足のため育成チームのレイアは他の3チームに所属する選手が兼任することとなった。
2020年シーズン終了後も選手の離脱が相次いだ。2021年2月5日には43人中26人が離脱したと報じられ、選手不足のために試合すら開催できない状態となった。その後も選手の離脱は続き、2021年7月11日現在、明確に退団や引退を発表していないのはわずか3選手のみとなっている。
2021年7月21日にこれまで態度を明らかにしていなかった残り3選手も退団を発表、所属選手が0となった。
これにより事実上の消滅状態となっていたが、12月30日に正式に無期限活動休止を発表した。
京都フローラ、愛知ディオーネ、埼玉アストライア、レイアの4チームで構成される。下表のとおり、チーム名の変遷やチーム継承に伴う活動拠点の変更を経て、現在に至っている。また、トーナメント戦主体のシーズンがあったりリーグ戦中心のシーズンになったりと、運営方法が毎年のように変わっていることも特徴的である。
チーム名 | 拠点 | チーム名変遷 | 監督 |
---|---|---|---|
京都フローラ | 京都府京都市 | 川口知哉 | |
愛知ディオーネ | 京都府京都市 | 厚ケ瀬美姫 | |
埼玉アストライア | 京都府京都市 | 新原千恵 | |
レイア | 京都府京都市 | -- |
2013年度は4チームによるトーナメント戦であるティアラカップを19大会76試合、リーグ戦であるヴィクトリアシリーズをALL EAST、ALL WESTに分けて7試合実施している(9試合の予定だったが2試合は雨天中止)。
2014年度はティアラカップの規模を縮小し、京都大会、姫路大会、仙台大会、埼玉浦和大会の4大会を実施。トーナメント戦を縮小する一方、リーグ戦であるヴィクトリアシリーズを拡充した。フローラとディオーネが所属する西地区、アストライアとレイアが所属する東地区で前後期制による各地区でリーグ戦を行い、各地区優勝チームが激突する「女王決定戦」により日本一を決定した。
2015年度については、東北レイアを若手選手中心とした育成球団に位置づけてリーグ戦には参加せず、京都フローラ、兵庫ディオーネ、埼玉アストライアの3チームでリーグ戦を行うという体制変更が発表されている。前期と後期で優勝チームを決め、その2チームで女王決定戦を行う。前期と後期で優勝チームが同じ場合は勝率2位のチームが女王決定戦に出場する。
2016年度は東北レイアが「レイア」へ球団名変更し、引き続き育成球団となることが2015年12月28日放送のニコ生で発表された。また、新たな試みとなるが、リーグ公認リポーターとして成田沙耶加が就任した(同日のニコ生内で発表&新年度体制発表に同席)。ニコ生では有料チャンネルだけでなく、スポーツ公式チャンネルでフルイニング中継された(映像ソースは同一)ほか、スポナビでのみ放送された試合が3試合あった。
2017年度はレイアの本拠地が宮城県から京都府城陽市に移ることが、2016年12月3日のリーグコンベンションで発表された。また、シーズン途中から埼玉アストライアの監督に就任した片平晋作が当年限りで退任し、新監督に中島梨紗が就任(中島はコーチからの転換)。このほか、現役引退を表明した川口亜祐美、大澤靖子がそれぞれ所属していた兵庫ディオーネと京都フローラに、大山唯と橋本ひかりが埼玉アストライアとレイアのコーチに就任することが同コンベンションにて発表された。なお、レイアのコーチを務めた辻内崇伸が2015年以来の埼玉アストライアコーチに就任した。また、京都フローラとレイアはそれぞれチームカラーを変更した。
2018年度はディオーネが本拠地を兵庫県淡路市から愛知県へ移転。また、2017年春より休刊中だったプロ野球aiと輝け甲子園の星が株式会社ミライカナイから復刊される(当面年4回発刊予定)ことになり、両誌に女子野球コーナーが設けられることがリーグから発表された。
2020年度は全チームが京都府を拠点とすることとなった(チーム名は変更せず)。
試合ルールは7回制で、延長は9回まで。DH制を採用している。また、硬式球、金属バットを使用している。
規定打席はチーム試合数×2打席、勝利投手の権利獲得は4イニングス以上と規定されている。
球場はわかさスタジアム京都、明治神宮野球場、県営大宮球場などを使用する。
2014年からアストライアのコーチに辻内崇伸が就任、2015年からフローラのコーチに朝井秀樹が就任するなどNPBの元プロ野球選手がコーチに就任するケースが増えている。
YouTubeの公式チャンネルで試合の生中継を行っており、全試合無料で見ることができる。いたが、2015年よりダイジェスト版配信のみとなった。生中継については、ニコニコ動画の女子プロ野球の公式チャンネルにてチャンネル会員(有料)向けに配信されている(3回終了時までは、会員ではなくても無料視聴可能)。
2015年4月25日、ニコ生の中継がSHOWROOMで配信されていることを示すコメントが投稿され、視聴者からは違法ミラーではないかとの疑いが掛けられた。しかし翌日の中継時、今後のサービス拡大に向けて公式で配信テストを行ったが未公開設定になっていなかったと運営が釈明した(2016年にはSHOWROOMの会員限定配信や一部の試合でスポナビのみでの配信が行なわれている)。2017年にはライブ配信がニコ生からスポナビへ移管。
また、オールスター投票ではアストライアの選手を中心にネット投票での得票数が伸び、今シーズンのリーグ前期優勝を果たしたフローラからの選出者がごくわずかという結果に(昨年MVP、人気選手の一人である三浦伊織が外野手4位となる事態)。
厳正なる審査を理由として選出者の発表が遅れたが、6月9日に公式サイトに先立ちニコ生で選出者が示された。その際、当初は発表されていなかった監督推薦枠があることが判明し、この枠での出場者2名(植村美奈子投手と中村茜捕手。いずれもフローラ)も発表された。
2016年8月20日、21日にティアラカップ宮城石巻大会が予定されていたが、連戦による選手の状態等を理由に中止となった。レイアが参加できる数少ない公式戦であり、急な発表、理由もすっきりしないものであった。
年間総合優勝チーム | MVP | 監督 | |
---|---|---|---|
2010年 | 兵庫スイングスマイリーズ | 川保麻弥 | 川越透 |
2011年 | 兵庫スイングスマイリーズ | 小西美加 | 川越透 |
2012年 | 大阪ブレイビーハニーズ | 小西美加 | 福間納 |
2013年 | イーストアストライア | 川端友紀 | 片平晋作 |
2014年 | ウエストフローラ | 三浦伊織 | 松村豊司 |
首位打者 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 打率 | チーム |
2010年 | 川端友紀 | .393 | ドリームス |
2011年 | 川端友紀 | .406 | ドリームス |
2012年 | 三浦伊織 | .390 | ドリームス |
2013年 | 川端友紀 | .431 | アストライア |
2014年 | 三浦伊織 | .500 | フローラ |
最多安打 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 安打数 | チーム |
タイトルの設定なし | |||
2012年 | 中村茜 | 48 | スマイリーズ |
三浦伊織 | 48 | ドリームス | |
2013年 | 三浦伊織 | 57 | フローラ |
2014年 | 三浦伊織 | 52 | フローラ |
最多打点 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 打点数 | チーム |
2010年 | 川保麻弥 | 36 | スマイリーズ |
2011年 | 川保麻弥 | 30 | スマイリーズ |
2012年 | 大倉美佳 | 31 | ハニーズ |
2013年 | 川端友紀 | 34 | アストライア |
2014年 | 中村茜 | 23 | フローラ |
最多盗塁 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 盗塁数 | チーム |
2010年 | 小西美加 | 28 | スマイリーズ |
2011年 | 厚ヶ瀬美姫 | 17 | スマイリーズ |
2012年 | 三浦伊織 | 17 | ドリームス |
2013年 | 三浦伊織 | 27 | フローラ |
2014年 | 三浦伊織 | 18 | フローラ |
最優秀防御率 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 防御率 | チーム |
2010年 | 小西美加 | 1.79 | スマイリーズ |
2011年 | 荒井蛍 | 1.79 | ドリームス |
2012年 | 小西美加 | 2.14 | ハニーズ |
2013年 | 半田渚 | 1.59 | アストライア |
2014年 | 矢野みなみ | 1.10 | フローラ |
最多勝利 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 勝利数 | チーム |
2010年 | 小西美加 | 9 | スマイリーズ |
2011年 | 小西美加 | 16 | スマイリーズ |
2012年 | 小西美加 | 11 | ハニーズ |
2013年 | 大田秀奈美 | 13 | アストライア |
2014年 | 矢野みなみ | 14 | フローラ |
最多奪三振 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | 奪三振数 | チーム |
2010年 | 小西美加 | 66 | スマイリーズ |
2011年 | 小西美加 | 55 | スマイリーズ |
2012年 | 大田秀奈美 | 52 | スマイリーズ |
2013年 | 里綾実 | 62 | レイア |
2014年 | 里綾実 | 66 | レイア |
最多セーブ | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | セーブ数 | チーム |
2010年 | 岩谷美里 | 5 | スマイリーズ |
2011年 | 塩谷千晶 | 7 | ドリームス |
2012年 | 河本悠 | 9 | ドリームス |
2013年 | 中島梨紗 | 9 | アストライア |
2014年 | 小西美加 | 6 | フローラ |
新人賞 | |||
---|---|---|---|
年度 | 氏名 | チーム | 備考 |
2010年 | 表彰未設定 | ||
2011年 | 塩谷千晶 | ドリームス | 最多登板、最多セーブ |
2012年 | 大田秀奈美 | スマイリーズ | 最多奪三振 |
2013年 | 矢野みなみ | フローラ | 防御率、投球回、奪三振各3位 |
2014年 | 大山唯 | レイア | 全試合出場、打率.359 |
アストライア所属の川端友紀の兄は、東京ヤクルトスワローズに所属している川端慎吾である。
ディオーネに所属していた中村香澄の兄は、広島東洋カープに所属している中村憲である。兄妹とも2015年シーズン後引退。
また、ディオーネ所属の泉由有樹は、2015年からレイアに泉由希菜が入団したことにより、女子プロ野球初の姉妹選手となった。
初対戦は2015年8月27日のチャレンジマッチ4戦目(ディオーネとは2戦目)。初回の第1打席は由有樹が2球続けて由希菜のインコースを突き、最後は真ん中低目を振らせて3球三振。姉の貫禄勝ちとなった。
4回に迎えた第2打席では由希菜がツーベースを放ち、6回裏の3打席目もツーベース(打点付き)で試合中にリベンジを果たした。ちなみに、由希菜は最終回に投手が由有樹から村田へ代わった後、この試合2個目の三振でラストバッターになっている。
2017年に泉由希菜が育成チームであるレイアからの昇格を果たしたが、所属は京都フローラとなったため姉妹同一チームでのバッテリー誕生は先延ばしとなった。
2球団合同トライアウトを実施し、合格者がプロ入りすることになる。例外的に、IBAF女子野球ワールドカップで3連覇を果たした際の主力メンバーであった大山唯、六角彩子、新宮有依はトライアウト外で獲得発表されている(同じ2013年10月14日発表のトライアウト合格者13名とは別に発表された。なお、六角、新宮はプロ入りせず。)
トライアウト合格者については、リーグ初年度のみドラフトで当時の2球団から指名されたが、その後は各球団へ振り分けられるようになった(密室と揶揄されることも)。レイアが育成球団と位置づけられたことで、高卒~20歳の新入団選手は初年度にレイアへ配属され、2年程経験しトップリーグへ移籍する傾向がある。ただし、2015年入団の海老悠は例外的にプロ経験1年で2017年から埼玉アストライアへ所属することになった。過去の外国人選手はシェイ・リリーホワイトのみ(2013年途中加入)であったが、2017年の入団テストの合格者7人の内3人が、台湾からの受験者であった。(HSIEH YU YING:シェーユーイン投手、SHEN JIA WEN:シェン ジァー ウェン外野手、TSENG CHI:ソ ヂェン チー外野手)
退団については、引退や各球団からの自由契約、監督・コーチなどは任期満了で来季の契約を結ばないといった形で発表される。理由が不明確なまま退団となり、ファンのリーグ不信に繋がった例もある。
※ 例:大田秀奈美、堀越美紀。大田は後日、開幕間際に突然再契約の報道がなされたが、契約直後にディオーネへ移籍(移籍については公式発表なし)。堀越に至っては自由契約となったにも関わらず、公式発表もないまま2014年シーズンもレイアでプレーした。
リーグ発足時から目指していた女子選手のセカンドキャリアについては、小久保志乃など一部は女子野球の指導者となり、半田渚のようにアマ野球への転身、2017年に埼玉県警採用試験に合格した熊崎愛などの例がある。
掲示板
9 ななしのよっしん
2021/07/28(水) 13:56:33 ID: 6dGowr8UMB
ランジェリーフットボールのそれで集客しようとしてるのが間違いだっていつ気がつくんだろう
それの日本版のアイドル売りってか?
ゴルフのように、男子アマチュア(セミプロではなく草野球)との近い実力差を利用して、営業試合したり芸人チームとの番組を作ればいいと思うんだけど
10 ななしのよっしん
2021/12/10(金) 00:06:00 ID: vlDlQWOtpN
11 ななしのよっしん
2023/01/01(日) 17:47:08 ID: BDir9qxVeQ
江戸川での1試合しか見たことなかったけど、リーグそのものがダメになってしまったのは勿体なかったなあ。
嘘か本当かあるお偉いさんが社会人チームに”選手と金を出してくれ、でも口出しはしないでくれ”と言ったとか、懐事情が厳しい頃に噂話が流れてたね。
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最終更新:2024/04/18(木) 05:00
最終更新:2024/04/18(木) 05:00
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