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ここでは似たような病気であるロッキー山紅斑熱についても解説する。
日本紅斑熱リケッチア(リケッチア・ジャポニカ)という細菌が引き起こす病気。1980年代に病原体が初めて発見された新興感染症である。
日本紅斑熱リケッチアは他の生物(ヒトなど)の細胞内でしか生きられないという、ウイルスに似た性質を持っている。ちなみに他の「リケッチア」と呼ばれるグループの細菌も同じ性質を持つ。
日本紅斑熱リケッチアは主に血管内皮細胞に感染するため、全身の血管に炎症(血管炎)が起こる怖い病気である。
日本の感染症法では日本紅斑熱は四類感染症に、日本紅斑熱リケッチアは危険度の高い三種病原体等に指定されている。
日本紅斑熱リケッチアを持ったマダニに刺される(吸血される)ことで感染する。ヒトからヒトに伝染することは基本的には無い。
予防のためのワクチンは今のところ無いため、リスクの高い森林や山地に入る場合は「露出の多い服装を控える」「殺虫剤を持参する」などの対策が良いと思われる。
ちなみに日本紅斑熱と同じくマダニが媒介する感染症としては重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やクリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、ダニ媒介脳炎、ライム病、回帰熱、ロッキー山紅斑熱、ツツガムシ病などがある。このうちSFTSとCCHFはブニヤウイルス科のウイルスが、ダニ媒介脳炎はフラビウイルス科のウイルスが、ライム病と回帰熱はスピロヘータと呼ばれるグループの細菌が、ロッキー山紅斑熱とツツガムシ病は日本紅斑熱と同じくリケッチアが引き起こす感染症である。
高熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などインフルエンザに似たような症状があらわれる。嘔吐や下痢などの胃腸炎症状を伴うこともある。
この病気の最大の特徴としては、(風疹に似た)発疹があげられる。特にマダニに咬まれた場所には瘡蓋(かさぶた)ができるため、これでインフルエンザや風疹などの他の疾患と鑑別することができる。特に風疹は(日本紅斑熱と違って)ヒトからヒトに伝染するため、その意味でも鑑別が重要である。
日本紅斑熱の発疹は点状出血(あざ)を伴うのが特徴である。これは日本紅斑熱では血管炎(と血小板減少)が起こるため、皮膚の中で出血しやすくなっているからである。
血液検査をすると白血球や血小板が減少していたり、肝臓の数値であるAST(GOT)やALT(GPT)が上昇しているのが分かる。
危険な合併症としては肝機能障害や(血小板減少による)出血傾向、急性感染性電撃性紫斑病(AIPF)、敗血症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、消化管出血(吐血、下血)などがあげられる。
抗生物質で治療する。日本紅斑熱はリケッチア感染症なのでβ-ラクタム系抗生物質は効かないが、テトラサイクリン系抗生物質なら効くのでこちらを使用する。
早期に適切な治療が実施されれば1週間程度で治る予後良好な疾患だが、診断・治療が遅れると敗血症やDICなどを起こして死亡することもある怖い病気なので早期発見が重要である。
ちなみにマダニ感染症の中にはSFTSやCCHF、ダニ媒介脳炎のように有効な治療薬が存在しないものもある(これらは抗生物質が効かないウイルス感染症である)ため、注意が必要である。
主に北米大陸(アメリカ合衆国、カナダ)などで見られるリケッチア感染症。病名はロッキー山脈が由来である。
日本紅斑熱と同様にマダニが媒介する。
重症化すると播種性血管内凝固症候群(DIC)などを起こして死に至ることもある怖い病気である。
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最終更新:2026/01/17(土) 11:00
最終更新:2026/01/17(土) 10:00
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