日本酒は、清酒ともいい、米と麹を元にして製造される日本固有の酒である。
文字通り、日本で伝統的に作られている酒である。水・米・麹を材料とし、麹菌であるオリゼーがデンプンの糖化を、酵母のセレビシエがアルコール発酵の役割を担うが、これが同時にひとつの発酵槽内で行われるのは世界に酒あまたありといえども、日本酒くらいなものである。
これによるメリットは、普通の醸造酒よりも長い時間発酵を維持可能(普通にやると原料の糖分が尽きてしまう。麹菌が生み出す糖分を最初から入れておくと、脱水作用で酵母が死滅してしまう)な事であり、結果として蒸留過程を経ない酒としては最もアルコール度数が高くなる。
歴史的には、平安時代に編纂された『延喜式』によれば、この時すでに現在と余り変わらない酒が作られていたようである。
元をたどれば、いわゆる「口噛み酒」(お米くちゃくちゃよく噛んで容器に貯めてほっとく)につながるのだが、ここらへんの話はWikiの方が詳しいだろう。酒粕との分離を効率的にする方法を確立したのは「鴻池新六」(安土桃山~江戸時代の商人で、尼子家再興に奔走した「山中鹿之介」として知られる「山中幸盛」の息子)と言われる。ともかく、日本人とは切っても切れない関係のお酒なのである。
しかし、最近は「若者の日本酒離れ」などと叫ばれており、実際に日本酒の消費量は年間631kL(平成20年)と、平成元年と比べても半減している[1]。高度経済成長期以降、ウイスキーやビール、リキュール、ワインなど他の酒の消費量が上昇し、それに反比例するかのように消費量は漸減してきた。現在では、江戸時代より長らく日本酒より格下の酒のように扱われていた焼酎にも生産量が逆転されており、最盛期の1/3にまで低落している。逆に海外では”Japanese sake”として人気を博しており、sake(saki:→サキィと発音する)で日本酒を現す英語になっているほど。
尤も、現在の日本ではビール、ウイスキー、リキュール含めてアルコール類自体の消費量が若者中心に漸減傾向にある(若者の酒離れ)。
編集者主観であるが、その一因には日本酒の区分のややこしさも日本酒離れに関係していると思われる。やれ「大吟醸」だの「普通酒」だの「純米酒」だのよくわからないし、いったい酒造関係者以外で生貯蔵酒・生詰酒・生酒の違いを説明できる人間が日本にいくらいるのか?とかなんとかで、一体何を飲めばいいのか分からず、結局発泡酒あたりで落ち着く人が多い。
大吟醸を名乗る製品にもひどいモノはあるし、ただの普通酒であっても良く舌に馴染むものもある。甘い酒もあれば、辛い酒もある。キンキンに冷やしたのから、湯気が出るまでアッツイのまでいろいろ飲めるのが日本酒のいいところだ。あんまり難しいこと考えずに「ティンときた!」酒を手にとってみてもいいんじゃなかろうか?
店員に尋ねてみるのもお奨めである。もちろん色々こだわりたい人は、ラベル裏面とにらめっこしてみるのもいいだろう。日本酒度、精米歩合など、情報がかなり細かく書かれているのも日本酒の特徴の一つだ。でも、最後は自分の舌が決めるんだからね?
しかし、日本酒の消費量が減少した最大の理由は、大量生産していた三増酒などの安酒が時代のニーズに合わなくなったことが挙げられる。現に、今の日本酒は若手の杜氏が科学知識やITの技術を駆使して品質管理をするなど、従来の経験と勘に頼らない手法を採用したりもするなどハイレベル化しており、今もなお生き残っている酒蔵は居酒屋やバー、通販などを通して全国に知られるようになり、全国に販路、ファンを持つようになっているなど、単純に、地酒=地元支持の酒ではなくなってきているからである。
日本酒の味、香りを決めるものとして米や水もあるが、一番重要なのは酵母である。ほとんどがS・セレビシエで、コイツが「糖をアルコールに変える」「日本酒独特の良い香りを作り出す」といった仕事をしてくれる。昔は酒蔵に住み着いた「蔵付き酵母」の力を借りて造っていたが、毎年酒質が変わるので、品質が安定しなかった。明治時代から日本醸造協会によって優秀な酵母が分離、培養されて協会酵母として頒布されている。近年では協会酵母に頼らず、地方の自治体(の所管団体)が開発した酵母や、花から分離した酵母などが開発研究されている。
日本酒の分類は、「材料をどのように使ったか」「どのような工程を経て作られたか」で大別される。「材料をどのように使ったか」は、米粒のうち何%を酒造りに使ったかを示す「精米歩合」で決められる。日本酒の質は、米の中央部にある「心白」という部分が密接に関係しているので、これを多く取り入れるために米の周りを削りとるのだ。一方「どのような工程を経て作られたか」というのは、その工程一つひとつに対しいろいろな分類がある。よくラベルに書かれるのは、酵母をどのように増やしたかという「酒母造り」、雑味を取るための「濾過」、加熱して殺菌消毒する「火入れ」についてのものが多い。先に言及した生酒云々は火入れについての分類である。なお、日本酒用に品種改良された米を酒米といい、特に有名なのが兵庫県原産の「山田錦」と岡山県原産の「雄町」(おまち)である。ほかに食味に優れた米の中にも、日本酒づくりに向いている米もあったりする。
変わった銘柄「スキー正宗」(新潟県)、無風「むかで」(岐阜県)、「死神」(島根県)など。
※地酒の酒蔵が特に多い県は山形県や新潟県など米どころが多く、また名水が多い静岡県、兵庫県なども酒蔵が多い。
一方、鹿児島県には日本酒の酒蔵は1つしかない。これは焼酎が強いのもあるが、風土が日本酒の仕込みに向いていないからである。また、宮崎県、沖縄県も数えるほどしかない。
掲示板
209 ななしのよっしん
2023/01/22(日) 19:23:08 ID: 8tNe6qFsg9
原酒って美味しいからつい飲んじゃうけど度数高いから危険よな
210 ななしのよっしん
2023/02/03(金) 21:24:51 ID: X9wWdPySs5
日本酒組合の偉い人「日本酒離れっておまえら日本人が貧乏になっただけだろ」
海外における日本酒人気に加え、日本市場の縮小もあり、日本酒造組合中央会では蔵元の7割ほどが輸出に取り組んでいるといいます。
日本酒造組合中央会 宇都宮仁理事
「日本の方は日本酒に関してそれほど高いお金を払ってくれないんですけど、海外の方は価値を認めていただいて今払ってくれるような状態。日本が貧乏になったっていうこと」
https://
211 ななしのよっしん
2023/03/09(木) 21:13:56 ID: QDdCthd6sh
「酒瓶が足りない…」日本酒業界に異変!?値上がりに欠品で…メーカーが訴え「酒蔵・酒店に返却を」
https://
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最終更新:2023/05/30(火) 10:00
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