早川殿とは (ハヤカワドノとは) [単語記事]

早川殿とは、戦国時代の女性。生年不明、1613年没。
父は相模の戦国大名・北条氏康。駿河の戦国大名・今川義元の息子である今川氏真に嫁いだ。嫁ぎ先も実家も滅亡してしまったが、夫と離れることなく添い遂げた。

概要

早川殿の母親は特定されていないものの、長女とされることが多い。嫡男・北条氏政の姉で、夫の今川氏真は氏政と同年なので姉さん女房ということになるが、もう少し年下であるとの意見もある。長男やその弟達を結婚16年目（氏真が33歳の頃）以降に高齢出産しているからである。（ただし、その姉はもっと早く生まれていると考えられている）。

1554年に氏康の正室・瑞渓院の実家である今川家に甲相駿三国同盟の一環として嫁ぐ。
彼女が早川殿の生母であるなら氏真とは従姉弟同士となる。当時は今川家の隆盛期であったが6年後にあの「桶狭間の戦い」にて舅の今川義元が戦死。これによって今川家は遠州錯乱などの内輪揉めによって弱体化していき、1568年には同盟国だった武田家やかつては配下であった徳川家に駿河を侵攻されてしまい、追い込まれた氏真・早川殿の夫婦は逃避行をすることとなる。
輿入れの時は見事な行列を連れていた早川殿だが、この時は輿も用意出来ず裸足で逃げ出すことになったという。

その後は実家を頼って小田原の早川に移動して短い安堵を得るものの数年で父・氏康が病死。氏政が後を継ぎ、武田信玄との同盟が復活してしまい、氏真の命も狙われてしまう。それに腹を立てた早川殿は氏真とともに譜代の者達を集めて小田原を離れ、徳川家康を頼った。

それからは詳しいことはわからないが、長男には先立たれている。次男は徳川秀忠に仕えた。

1613年に死亡。結婚から59年が経過しており、翌年には氏真も逝去している。

他の甲相駿三国同盟で成立した武田義信夫妻や北条氏政夫妻は

義信は永禄10年に病死している。氏真は嶺松院を駿河へ帰国させる様に要請した。信玄は帰らせる事に難色を示したとされる。氏真が色々手続きを済ませ、最終的に駿河に戻った嶺松院は、出家して貞春尼と称した。江戸時代に、貞春尼は嫡男の教育を取り仕切る役職を貰い（御介錯上臈）徳川秀忠の教育をして徳川家に仕えていた史料が見つかっている。

黄梅院は、そのまま北条家で氏政と共に暮らしていたが永禄12年に小田原城で27歳という若さで亡くなった（病死と言われている）。北条氏政と信玄の双方が彼女の墓を立てて弔っている。

※近年の論文、史料の再検証と供養記録の検証、氏政・氏直の研究により黄梅院は離縁も送り返されても無い事が明らかになっており、北条家で亡くなった事と判明している。（1970年代に史料誤読があった事が原因と指摘されている）

ゲーム

戦国無双シリーズ

戦国無双4で初登場。主に関東の章でプレイアブルキャラとして登場する。

清楚清純なキャラクターで、あどけなさが残る顔立ち。芯は強い性格で、家族や領民を大切に思い、早川殿も周囲から慕われている。母を強く思っており、父・氏康が「うちのかみさん」を引き合いに出すのと同じく、早川殿も「お母様」を思う台詞が多い。瑞渓院の娘説と年長説が採用され、老け顔・髭面の弟達に姉上と呼ばれている。甲斐姫とも親しく妹のような存在。今川に嫁入りしたことは省略されており、氏真とはまったく関わらない（しかし、関東の章のシナリオでは2回も今川軍を救援するステージがあるので、史実を知っていると無反応が気になるかもしれない）。北条軍が関わらない合戦では第2次上田城の戦い東軍側や、延命で大坂の陣の徳川側にも登場して甲斐姫と戦うこととなる。chronicle3では今川義元との絡みが増えており、桶狭間の戦いで今川軍の救援に駆けつけている。