星野スミレとは (ホシノスミレとは) [単語記事]

「マスクとマントがないとパーマンじゃないの？『パーマン 1号の心』は誰にも取られてないわ！」

星野スミレ（ほしの-）とは、漫画・アニメ『パーマン』及び『ドラえもん』の登場キャラクターの一人である。

テレビアニメでのCV

『パーマン』: 栗葉子（一作目: 1967年～1968年）、増山江威子（二作目・劇場版: 1983年～）
『ドラえもん』: 栗葉子（1980年）、よこざわけい子（1980年）、かないみか（1993年、2002年）、松井菜桜子（2005年～）

概要

『パーマン』及び『ドラえもん』の2作品に跨って登場する。時系列は「『パーマン』（小学生期）→『ドラえもん』（成人期）」の順になる。『パーマン』ではメインキャラクターの一人、パーマン3号（通称: パー子）の正体である。

単語記事「パーマン」では、パーマン3号の正体が伏せられている。これは彼女が「他の誰にも自分の正体を明かしてはならない」という規則を、仲間のパーマンのみならず読者に対しても適用していた「旧作」の名残であると考えられる。また、「旧作」には「星野スミレ」という芸名とは別に「鈴木伸子」という本名設定があったが、作中で活かされることはなく、「新作」以降は「星野スミレ」が本名であるかの様な描写がある。これ以降は、「新作」以降の設定に準拠して記述する。

絶大な人気を誇る美少女アイドルであり、パーマン 1号こと須羽ミツ夫も彼女の大ファンである。だがしかし、マスクを被ると一転しておてんばキャラ（今だと理不尽暴力ヒロインに分類されかねない。）のパーマン3号に変身する。もしくは、マスクを被ると「星野スミレ」というマスクを脱いだ素の自分が顕現するとも云える。当初は「3号」という番号呼びや「パー子」呼びを嫌い「パーレディ」を自称していたが、「パー子」呼びが定着してしまった。

バードマンはパーマン達に対し「他の誰にも自分の正体を明かしてはならない」という規則を課している。が、例外として、仲間のパーマンに正体を明かすことを容認している。正体を明かすことで特別扱いされることを恐れている彼女は、仲間のパーマンにも正体を明かそうとしない。

パーマン 1号こと須羽ミツ夫に対し淡い恋心を抱いている。彼女は『パーマン』という作品のラブコメ色を強くした張本人であり、特にTVアニメ版（二作目）ではこの傾向が顕著になっている。原作最終話では、「旧作」から加筆される形で、バード星への留学の為に地球を旅立つ彼に対し、餞別として特別に自身の正体を明かした。これは「星野スミレ」というマスクが勝利者で、素のパーマン3号は敗北者という意味じゃありゃせんのか……？

『ドラえもん』では、美少女アイドルの座を後進の伊藤つばさに譲り、自身はスター女優として成長した姿で登場した。登場当初はスターシステムのきらいがあったが、「遠い国にいる、好きな人」発言や、ミツ夫の写真が収められたロケットペンダントの登場等により、『パーマン』の星野スミレと同一人物であり、一途にミツ夫の帰りを待ち続けている姿が描写された。が、作者の藤子・F・不二雄氏が鬼籍に入ってしまった為、この物語は未完となってしまった。

『Pa-Pa-Pa ザ☆ムービーパーマンタコDEポン!アシHAポン!』

平成16年（2004年）3月6日に公開された俗に「平成パーマン2作目」と称する劇場版アニメ作品。前作「1作目」の続篇であると共に、昨今のTVアニメ版を継ぎ接ぎしただけのダイジェスト版とは違い、ゼロから再構成したリブート作品である。『ウルトラマン80』最終話のサブタイトル「あっ!キリンも象も氷になった!!」に比肩するアホなタイトルだが、前述の彼女の内面にスポットを当てつつ、前作に引き続き『パーマン』という作品の根幹に関わる描写が盛り込まれている。本記事冒頭の彼女の台詞こそがその代表例と云える。

パーマンの能力の源であるマスクとマントが敵の手中に落ち、もう自分はパーマンじゃないと言って銷沈し鬱ぎ込んでしまった主人公・須羽ミツ夫は、「マスクとマントがないとパーマンじゃないの？『パーマン 1号の心』は誰にも取られてないわ！」というヒロインムーブ全開な彼女の問い掛けによって「パーマン 1号の心」を取り戻す。本作に於ける「パーマン」とは「正義のヒーロー」の代名詞でもある。