映像の世紀とは、1995年~1996年に「NHKスペシャル」(NHK)で放送された伝説のドキュメンタリーである。全11回。
2015年10月より、新たな映像を追加して再構築・編集した新シリーズ「新・映像の世紀」が放送された。
さらに2016年5月より、原典と「新」を組み合わせ、さらに新たな映像を追加した「映像の世紀プレミアム」、2022年4月より「映像の世紀 バタフライエフェクト」が放送されている。
NHK放送開始70周年記念番組。アメリカのABCとの共同取材で製作された。
人類の歴史上初めて「映像(動画)」による記録が始まった世紀である20世紀を、テーマごとに貴重な歴史映像や関係者の手記などを基に構成したドキュメンタリーシリーズ。
一言で「NHKの本気」と言ってよい非常に高い完成度から、NHKスペシャルで放送されたドキュメンタリーの中でも有数の傑作として非常に人気が高く、現在に至るまで何度も再放送されている。
MADでも、このドキュメンタリーを意識した作品が数多く見受けられる。
番組を構成する歴史映像は、各国の国立博物館をはじめとするあらゆる場所から、実に5年に渡ってかき集められたもので、20世紀に生きた歴史的人物の映像や肉声など、どれも非常に貴重なものばかり。これらが、1回50分全11回の中に、これでもかというぐらいの密度で詰め込まれている。
20世紀という時代が2回の世界大戦と東西冷戦、地域間紛争と戦争が絶えなかった時代であるが故に、全体的に暗めの内容で、遺体の画像や、人が射殺される場面など、悲惨な風景も数多く映しだされる。
加古隆による音楽も評価が高く、特にテーマ曲「パリは燃えているか」のインパクトは強烈である。
また、声の演出も豪華で、山根基世アナ(当時)の淡々としたナレーションの合間に、当時の人々の証言や、歴史的な人物の言葉が、青二プロダクション所属の大物声優諸氏によって再現される。
現在はNHKオンデマンドで配信中で、単品購入なら1話200円(税別)、定額コースなら月額約1000円で全話見放題である。見たい方にはこちらがおすすめ。
DVDも発売されているが、定価約80,000円、今新品で手に入れようとすれば倍以上かかるという高価さなので、難しいかもしれない。ただし、現在配信されているものは後述するデジタルリマスター版であるため、オリジナル版を見るにはこちらを利用するしかない。
一時はWii(Wiiの間内のシアターの間にて)にて1回200円で有料レンタルされていたが、現在は終了している。
最新のデジタル技術により、用いられた数々の歴史映像が細かく復元され、映像や音声がさらに鮮明になっており、高精細のテレビモニターでの鑑賞にも耐えうる美麗な内容を実現している。
ナレーションなどにも一部変更が加えられているほか、「パリは燃えているか」も新たに録音されたものに差し替えられている。
が、一部の歴史映像も差し替えになってしまっており、この点には一部から不評の声も上がっている。
2016年1月にはDVD・ブルーレイボックスが発売。こちらは定価35,640円(税込)と、オリジナル版のDVDに比べればかなり良心的な価格。
フランスのある工場の出口を延々と映す世界初の実写映画「工場の出口」が公開されたのが1895年。その後カメラは世界に広まり世界の様々な出来事を記録し始めた。そんな発明と変化に沸き立つ19世紀末から第1次世界大戦までにフォーカスを当てる。
パリ万博/ライト兄弟初飛行/ヴィクトリア女王葬儀/ロシア革命/オーストリア皇太子暗殺
世界が初めて体験する全世界規模の戦争。科学技術の発達がそれまでの様式を一変させ桁違いの戦死者を生みだした戦争。カメラはその第1次世界大戦を史上初めて動く画像として記録し世界に伝えた。
戦車の登場/初の空爆/毒ガス兵器/若き日のマッカーサ、チャーチル、ルーズベルト、チャップリン
戦火から遠く離れたアメリカ、そこは戦争景気に沸き立っていた。1920年代はアメリカがその国力と文化と資本主義社会の基本スタイルと形成した時代だった。そんな若く活力あふれるアメリカの成熟途中の光と影をニューヨーク・マンハッタンを舞台に描き出す。
娯楽性の高い大衆文化/モータリゼーション/マスメディアの発達と功罪/モラルの変化/スキャンダリズム/移民社会と排他主義/多様な犯罪/拝金主義と世界恐慌
1930年代、世界が大恐慌の重く停滞した空気に呑まれる中、戦後賠償に苦しむドイツでヒトラーが民衆の活力と自信を失くした心に働きかける事により熱狂的な支持を得て権力者の地位についた。そこにはプロパガンダとして映画が巧妙に使われた。
大恐慌とアメリカ資本主義/社会の優位性を宣言するソビエト社会主義/帝国主義へと踏み出す日本・満州国/狂気の道へ進むナチス・ドイツ
再び人類が体験する世界戦争、第2次世界大戦。それは人道がいつしか忘れ去られ、非戦闘員である市民も否応なしに巻き込まれ、徹底した破壊と殺戮が繰り広げられる史上最悪の戦争だった。カメラは撮り続ける。「人生の反省」の遺産というべき記録を。
第2次世界大戦終戦後、それまで欧米や日本の帝国主義の元長く支配されていたアジアの人々は、悲願の祖国独立に立ちあがった。長い抑圧の時代を清算する為にそれに相応する苦難と苦悩を代償としながら。
第二次世界大戦中に開かれた米英ソ首脳によるヤルタ会談。ソ連の対日参戦と戦後処理について話し合われたこの会議の内容は、結果日本人捕虜のシベリア抑留、朝鮮半島の分裂、東欧の強引な共産化を生み二極化による東西対立構造、新しい「冷戦」という次の争いを生んだ。
ヤルタ会談(ルーズベルト、チャーチル、スターリン)/ソ連の満州・千島侵攻とシベリア抑留/朝鮮戦争/東欧の共産化/マッカーシーと赤狩り
世界を二分し、国家や民族を引き裂いた東西冷戦。そのパワーバランスを敵に崩されぬよう米ソは核兵器の破壊力とその射程を競い合った。やがてそのような状況でキューバ危機が勃発し、全人類が滅亡しかねない力の引き合いの中、緊張は頂点に達する。
フルシチョフの「回想録」/核実験とその犠牲/キューバ危機/マリリン・モンローの韓国駐留軍慰問
アメリカが1960年から1975年まで深入りすることとなるベトナム戦争は、テレビという映像メディアが初めて米国民がそれまでどこか遠くの事と思っていた「戦争」を茶の間に伝えた戦争だった。それは国家に対する疑いを生み、それまでのアメリカがもつ価値観に終わりを呼ぶ事となる。
ケネディ暗殺/繁栄の裏の貧困や権力者の欺瞞/ヒッピーなどのカウンターカルチャーの誕生/アメリカ支配の終焉
冷戦が終結しソ連が崩壊した20世紀末、それまでソ連の強力な影響下にあった衛星国の間で、その影響力が弱まった事により20世紀が始まって以来その火種をくすぶり続けていた民族間の紛争や内戦を再燃させる事になる。民族対立による悲劇は20世紀の最大の課題として今も人々を翻弄する。
日本がそれまでのアジアの一国家から国際社会の一員としてその存在を示し始めた20世紀。海外のカメラマンはその時代時代でどう日本を世界に伝えたのか。明治末期から昭和20年代末までの日本の映像と外国人が記した記録を軸に世界が見つめた「JAPAN」を描く。
2015年10月~2016年3月にかけて放送された、新たに見つかった映像などを加えて再構築された新シリーズ。全6回。
ナレーションは、俳優の山田孝之と、伊東敏恵アナウンサー。声の演出は、青二プロダクションから81プロデュースへ代わっている。
加古隆の音楽や、密度の高い内容はそのまま。
詳細はこちら→新・映像の世紀
2016年5月よりNHK BSプレミアムにて放送中。
初代「映像の世紀」と「新・映像の世紀」を組み合わせ、さらに新たな映像を追加して、一つのテーマごとに再構築する新シリーズ。
20世紀を、時系列順に追っていったこれまでのシリーズとは違い、「芸術」「兵器と科学」「女性」など特定のテーマを軸にして、1話ごとに20世紀全体を描く。
2022年4月よりNHK総合にて放送中。
NHKが保存している戦後の映像史の中から、「罪と勇気の連鎖」をキーワードに、様々な歴史を振り返っていく。
掲示板
309 ななしのよっしん
2023/12/16(土) 02:47:31 ID: IKXX989zMM
>>308
さすがに体力的に厳しいんじゃないだろうか
去年のバタフライエフェクトで何度か山根さんがナレーションしてたけど、声にかなり衰えを感じたし
年齢が年齢だから無理もないんだけど…
310 ななしのよっしん
2024/03/04(月) 22:32:20 ID: iVUaN8/83F
イ ス ラ エ ル
311 ななしのよっしん
2024/04/08(月) 22:47:31 ID: +mjO+m3mKh
左右問わず学生運動家は科学や近代を否定していたけど、それに近い。
はっきり言って昔とは違い主観が出すぎているのを曲でごまかしているだけ。
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最終更新:2024/04/23(火) 15:00
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