未完少女ラヴクラフトとは、著:黒史郎、イラスト:コバシコのファンタジー小説もしくは美少女カラノベの皮を被った名状しがたい何かである。
おわかりいただけただろうか。
表紙だけで、とりあえず未完少女ラヴクラフトがどういう作品でどういうカテゴリに属する小説かは理解していただけたかと思う。
要するに所謂、"美少女化"と"クトゥルフ"という二大厨2センスが混ざった作品である。
が、根はしっかりした作品で、意外なほど至極まともなファンタジー小説である。
というのも、著者の黒史郎はクトゥルフ関係の作品を日本で書く小説家であり、定評がある。
また、クトゥルフに精通した著者なので、その方面の描写もなかなかのものである。
おなじみのものから、著者のクトゥルフ作品に登場する神話生物も多数登場する。
ご親切に、ページごとに脚注がびっしりと入っており、クトゥルフ豆知識がたんまり味わえる。
本作の主人公。男から告白されるレベルの美少女のような顔をした19歳の少年。
マサチューセッツ州のアーカムに住み、母の営むパブ「金羊毛(トワゾン・ロール)」で働く看板娘。
筋肉隆々なたくましい男にあこがれており、愛読書は「英雄ボルナンゾフ・シリーズ」。しかし当の本人は気弱でSAN値貧弱。
<時を穿つもの>と間違われて、異世界"スウシャイ"に飛ばされたところをラブクラフトに助けられる。
異世界スウシャイでカンナが出会った黒髪の少女。カンナから見れば、あのラヴクラフトと同じ名を持つ少女、ということになる。
教授「ラバン・シュリュズベリィ」に育てられた。
趣味嗜好までラヴクラフトそっくり。
ある目的からカンナの住む世界「オアン」に行く必要があるため、異世界からやってきたカンナと共にオアンへ行く方法を探す旅に出る。
その正体は「イヴ・カドモン」にラヴクラフトの脳を移植した存在。つまり正真正銘のラヴクラフトである。
(ラヴクラフト自身の記憶は抹消済み)
世界中の書物を記憶しオリジナルを破棄することで危険図書を含むすべての書の知を格納する、万有図書館のために作られた人造人間。
アーカムに住み、ラブクラフト記念図書館で司書を務める21歳の女性。カンナと違い物怖じしない、はきはきとした性格。
カンナの意中の相手であるが、そのことには一切気づいていない。
重度のクトゥルフファンであり、彼女自身も作家を目指している。
スウシャイ出身のバイオリニストの女性。ある理由から旅をしている。
言葉を奪われているためしゃべることができないが、愛用のバイオリン「ヴィネガー・トム」によって話すことも、戦うこともできる。
マサチューセッツ州にある地方都市。
本作に出てくるアーカムは、主人公カンナの住む街であり、ラヴクラフト作品に登場する同名都市とは異なる。
こちらのアーカムは、世界的に有名になったラヴクラフトにあやかり、作中と似た景観を持つ地方都市が改称した、としている。
ラヴクラフト作品に惹かれたファンや無名作家が多く移住している。なにそれうらやましい。
また都市自体が最重要文化財指定を受けるような遺跡等に恵まれたことから、都市の住人の8割が作家や考古学者(痩せて色白なところから蝋燭"キャンドル"と呼ばれる)など、という特異な街である。
そういった特徴から、主人公カンナの住む"金羊色"などのパブに通う客には、一見飲んだくれだがすぐれた知を持つ考古学者、ということが多い。彼らは酒を酌み交わしながら知識を交換しあっているという。
広場にはラブクラフト記念図書館とラブクラフト像が立っている。
ラブクラフトの暮らす世界。
オアンで語られる魔物や神性が現実に出現し、猛威を振るう。また、ラブクラフト作品に限らず、オアンにある物語に登場する人物が実際に存在している。
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