札幌ラーメン 単語

28件

サッポロラーメン

9.6千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

札幌ラーメンとは、北海道札幌市発祥のご当地ラーメン。そのスタイル提供されるラーメンである。

概要

オーソドックスな札幌ラーメンは、豚骨体に、ガラ野菜などを煮出したスープを用い、麺は太めで多加の縮れた玉子麺を使用。

スープには味噌味、味、醤油味の通称「三味」がえられている。具材には、炒められたモヤシ、玉ネギなどの野菜が使われるスタイルである。

札幌では「昔ラーメン」というメニューがある店も多いが、この場合は炒め野菜を具に用いない、中華そばスタイル醤油ラーメン提供される。

味噌ラーメン味噌には味噌が用いられるのが一般的である。古典的な味噌ラーメンの具にはチャーシューは用いられず、は挽きのみであった。

こってりとした濃厚な味噌ラーメンには根生姜山椒ニンニクなどのスパイスが加えられていることも多いが、これは純すみ系ラーメン盛を受けて生した、較的新しいタイプのものである。

札幌市には1000店舗以上のラーメン店がひしめいており、人口あたりのラーメン店の率では全国一位戦区となっている。

札幌ラーメンは、宴の締めや軽食として発達した、他地域の中華そばと異なり、本州よりも経済的に貧しかった北海道で、美味しいご馳走に値する食事として独自の発展をみせたと述べる説もある。

ご当地ラーメンの中でも、いちく全区に知られたものであった。

歴史

戦前の札幌ラーメン

札幌ラーメンの起大正時代まで遡ることが出来る。

北海道大学正門近くにあった「食堂」で、中国から来た料理人の王文(おお ぶんさい)が、中国人学生向けに提供していた麺料理が始まりであった。やがて日本人向けの良が施され大好評となり、ラーメンデパート札幌市内の喫茶店でも提供されるほどの普及をみせた。

この頃に提供されていたラーメンガラスープで、味ないし醤油味のあっさりしたスープのものであった。しかし食堂戦争による物資不足で昭和18年閉店してしまう。

現在暖簾分けした「ラーメン」という店が神戸市にあり、食堂ラーメンを伝えている。

戦後の札幌ラーメン

大東亜戦争による物資統制で、札幌市内にあった全てのラーメン店は姿を消してしまったが、終戦直後、満州から引き揚げて来た松田勘七(まつだ かんしち)らにより、ラーメン屋台が始められ、札幌ラーメン復活する。

このラーメン豚骨を煮出した濃い味のスープ醤油ラーメンであったと伝えられる。

やがて1946年松田屋台は店舗となり「龍鳳現在閉店)」と名付けられた。同じ頃1947年西山仙治(にしやま せんじ)によって、現在札幌二条市場にある「だるま軒」が開店され、その製麺部門が本格的な製麺工場を立ち上げ、札幌の代表的製麺会社である西山製麺のルーツとなった。

1951年には「元祖札幌ラーメン横丁」の前身となる「ラーメン名店」がオープンし、「龍鳳」の他にも現在すすきので営業を続ける「芳」などがテナントとして入っていた。「ラーメン名店」は札幌オリンピックによる道路工事により取り壊されたが、「来々軒」などの店が現在の場所に移転し、1971年「元祖札幌ラーメン横丁」となった。

その後1976年すすきの交番近くの第3グリーンビル地下に「もぐら」が移転し、現在の「新ラーメン横丁」(当初は「もぐら横丁」とも呼ばれていた)の起となる。

札幌ラーメンは1954年頃には雑誌に取り上げられ、全的にも名を知られるようになっていたという。

味噌ラーメンの誕生

「味の三」の店大宮守人(おおみや もりと)は、雑誌リーダーズダイジェストに掲載されたスイスの大手スープメーカーマギー社の社長の文章を見て衝撃を受ける。内容は日本味噌の効用を高く評価し、日本人味噌をもっと料理に活かすべきであるというものであった。

大宮はこれを切っ掛けに味噌味のラーメン研究し、1955年味噌ラーメン開発に成功する。

この他にも大宮ラーメン栄養豊富な食事とするためにラードを多く使い、ラード野菜を炒めてその野菜に吸わせ具に用いる。皿でご飯提供し、ラーメン店でありながら「ライス」と呼称するなど、今に続くスタイルを創始した。

1964年には大宮友人大熊勝信の「さんラーメン」が東京大阪高島屋で開催された北海道物産展で、味噌ラーメンを実演販売して一躍大評判となる。

純連(すみれ)の登場

1964年、専業主婦だった村中明子が中のに「純連すみれ)を開店。従来の札幌ラーメンよりもさらにオイリーで濃厚なスープラーメン提供され、他店の味にもを与えた(記事:「純すみ系ラーメン」に詳しい)。中華鍋で炎をあげるほどの高熱で具材、タレを炒め焼いて作られる。

味噌にはスパイスが加えられ、生姜の香り漂う、アツアツのスープが特徴的である。

豚骨白湯の流行

1990年代半ば、旭川に起を持つ「平成軒」、続いて同じく旭川の「らーめん五丈原」がオープンし、同店の濁した豚骨白湯スープ提供される「とんしお」は、一躍大人気となり行列が絶えない店となった。他店もその流行に乗り、豚骨白湯スープラーメンメニューに置く動きが広まる。

同時期、旭川から「山頭火」も札幌に進出し、これらの店で提供される豚骨白湯スープの1種である、旭川ラーメンダブルスープという、豚骨白湯魚介昆布出汁を合わせた、濁した豚骨スープも本格的に認知されるようになった(それらのはるか以前に「天鳳」が旭川スタイルこっさりとしたダブルスープを用いていたような例外もある)。

現在では札幌ラーメンでも強火で煮込んだ白湯スープを用いる店は増えている。

この頃には九州のいわゆる豚骨ラーメンも広まる気配を見せており「次郎」(閉店)や、すすきのラーメン博物館現在閉館「すすきのラーメン館」とは別。)では本格的な九州豚骨ラーメン提供されていた。

しかしなんと言っても、札幌での豚骨白湯スープの普及に最大の貢献を果たしたのは「山岡家」だと思われる。そのラーメンショップ系の東京豚骨醤油というスタイルは、民には物しいものであった。

背脂の普及

1997年オープンした「らーめんてつや」は臭みのない濃厚な豚骨白湯スープに、1ヶ寝かせた醤油ダレを合わせ、背脂を加えるという背脂醤油ヒットさせ、全的な有名店となる。北海道ではこのスタイルは同店が初であった。本州の背脂チャッチャ系とは異なる、札幌ラーメンとして完成された料理となっている。

海老そばの誕生

1999年札幌人気ラーメン店「縁や(えにしや)」の初代店野本栄二が、横浜ラーメン博物館の開館5周年を記念して開催されたラーメンコンクールで、海老そばを発表し話題となってから普及。札幌では「縁や」の他にも「えびそば一」も有名店である。

鶏白湯の流行

2000年頃から札幌では、従来の関西関東の店で提供される白湯スープとは、明らかに味の印が異なるラーメン提供する店が増えた。

ガラから濃厚な白湯スープを作ることは豚骨よりも短時間ですみ容易なのだが、どうしてもの嫌な臭いも感じさせてしまうという問題があって、札幌では従来避けられる傾向にあったが、0年代には臭さを感じさせない美味いスープ開発した店が現れ新たな人気店となっていった。

これらの店は白湯スープ豚骨スープ魚介出汁トマトなどの野菜旨味を併用させているらしい。スープには天下一品ほどではいがとろみがある店が多い。

「麺屋 雪風味噌のみ白湯体。豚骨も使われている。塩ラーメン白湯ではい。)」「麺や けせらせら」「麺や 」「とりぱん」などである。

札幌の二郎系

2000年代半ば頃から札幌でも、二郎インスパイア系のラーメン店が出現するようになり人気となった。

13年には二郎札幌店がオープンした。札幌二郎系としては「ブタキング」など二郎系専門店の他にも、「五丈原」「てら」などで、メニューの中の一つとして提供されている場合もある。当地がら味噌味にアレンジされたラーメンもある。

余談だが札幌には二郎以前に、モヤシを高く盛るビジュアルのボリュームのあるラーメン提供していた店が、過去複数店舗あったのだが、これら「」「ふくべ」などは閉店している。ちなみにには小錦が食べに来ており、ふくべは度々テレビ紹介され、「貧乏作戦」の修行先の達人に選ばれる名店であった。

札幌の家系

関東人気のある横浜家系ラーメンであるが、北海道ではなかなか受け入れられず、「六角家」が撤退に追い込まれた故事がある。また流にあたるラーメンショップも上陸して数年で閉店した。

変わって系のインスパイア系、あるいはラーメンショップを受けたと思われる「山岡家」が北海道では非常に強い。90年代半ばに同店が進出した当時は、基本のスープ醤油味しかかったが、やがて味、味噌味がラインナップに加えられ、民の心を掴んだ。また麺もより太くの強い物に良されていき、ラーメン聖地札幌で繁盛店となっている。

近年、横浜家系ラーメンの専門店も数店舗こっているが、どの店も味噌醤油の三味をえて、北海道の事情に合わす努が行われ、その御蔭かやっと定着を見ている。とは言え系に近いクリーミーなスープの店が多い。

「三元」「」「」「麺GO」などがある。

札幌ブラック

札幌古典的な醤油ラーメンは、古くから他地域の物よりもみが濃いスープが基本で、富山ブラックほどではいが塩分量はかなりのものであった(富山ブラックの場合、スープは残すことを前提にレンゲを付けない店すらある)。

ところが近年、函館櫻井櫻井ラーメンルーツがある「いそのかづお」は々としていても、スープを飲み干せる、良い塩梅醤油ラーメンを「札幌ブラック」と称して人気を得ている。

また櫻井の創業者が札幌に移住し「櫻井ラーメン」として新たに店を2店舗オープンさせている。ほとんどのメニュー500円というコスパの良さで「ブラック味噌」という味噌ラーメンメニューにある。

とはいえ、屯田にあるの店「味確認ラーメンexit」なども醤油ラーメンという同様のブラック系を古くから提供されているが。

ちなみに京都には「京都北山元町らーめんexit」という店があるが、ここのスープブラック系に近いものであるが飲み干せる塩梅の美味いスープである。

煮干しラーメン

2010年代に入って青森ルーツがある津軽ラーメンを受けた、濃厚煮干し系と呼ばれる和風ラーメン提供する店も増えている。

煮干しスープの専門店としては「麺や 玄」、「中華そば札幌煮干しセンター」、山岡家セカンドブランドである「二代煮干し本舗」などがある。

有名チェーン店

激戦区

独自研究:オススメ札幌ラーメン

札幌観光に来られる方向けにハズレいと編集者が個人的に断言する店をいくつか紹介する。

札幌中心部以外のオススメ店

札幌市以外の穴場ラーメン店

関連動画

関連商品

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *サッポロ一番 | 会社案内 - 【サンヨー食品を知ろう|サンヨー食品のハテナ】新卒採用exit
この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
[単語]

提供: にゃあ

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/23(火) 18:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/23(火) 18:00

スマホで作られた新規記事

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP