東京メトロ9000系 単語

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東京メトロ9000系とは、1991年に営業を開始した東京メトロ通勤電車である。

概要

南北線用として1990年に試作(第1編成)が落成した。

従来、営団(現東京メトロ)は、電機子チョッパ制御を自ら開拓したという自負からか、VVVFインバータ制御が一般化しつつあってもチョッパ制御を頑なに守り続け、03系や05系では「高周波分巻チョッパ制御」を開発し採用してきた。
しかし、南北線は急勾配が多く、電動機の出増強に限界があるチョッパ制御・直流電動機からついに脱却し、VVVFインバータ制御を本系列で初めて本格的に採用した。
VVVFインバータの素子は試作と1次ではGTOサイリスタが、2次以降ではIGBTが採用されている。

車両アルミ製20m級4オールロングシートの室内と、通勤としては標準的な構成だが、試作・1次においては端部に千鳥配置でボックスシートを設置している。
これは、将来の南北線東急都心線(仮称 現在東急目黒線)との直通運転で、東急側で当時使用が想定されていた9000系電車仕様を合わせたものと言われている。
結局、2次以降では止され、東急9000系も出の観点などから目黒線での使用を取りやめた。

全編成保安装置として東急/メトロ共通CS-ATCワンマン運転用にATOを搭載し、自動運転を行っている。
ただし、東急目黒線内ではATOTASC(定位置支援装置)機のみを使用し、行ならびカーブなどに伴う減速は手動で行っている。

また、車両情報管理装置(TIS)を搭載している。
TISモニター画面は運転台に設置してあり、車両の各種設定をタッチネルで行えるようになっている。

内案内表示機は後述の5次を除き2段式3色LED案内表示機を各上に配置している。

次車別概説

試作車・1次車(第1~8編成)

現在の編成構成は4M2Tの6両編成である。
編成構成は赤羽岩淵方から9100-9200-9300-9600-9700-9800である(それぞれ「形」省略。以下同じ)。
9400と9500が抜けているのは将来の8連化を想定したためである。

当初は制御装置に第1・第5~第8編成が三菱製、第2~第4編成が日立製のGTO-VVVFインバータを搭載し、4両編成(9100-9200-9300-9800)で落成した。

試作は先頭部分の帯が繋がっているほか、塗装された手すりとなっている。

その後、四ツ延伸の際に6両編成化に伴う編成替えが行われた。
第2・4・6・8編成の9200-9300の2両はそれぞれ番の上第1・3・5・7編成の9600-9700に組み込んだ。
残った偶数編成の先頭は新製された2次仕様の中間を組み込んでいる。
そのため、偶数編成のVVVFインバーターIGBT素子になった。

現在は第1・3・5・7編成が9000系A編成、第2・4・6・8編成が9000系B編成と呼称されている。

このグループの8編成は、2015年度以降に後述するB修繕工事の施工対となった。

2次車(第9~13編成)

1996年の四ツ延伸用に登場した。

大きな変更点としては制御装置を日立IGBT-VVVFインバータに変更した事、内のボックスシートを止しり革を増やしたことなどが挙げられる。
また、細かな変更点として体のアルミの材質統一を図りリサイクル性を向上させ、また床面高さと高を5mm低くし、ホームとの段差を低減させた点などが挙げられる。
TISモニター画面はカラー液晶化され、1次カラー液晶化された。

2次の編成単位での新造(第9~13編成)は9000系C編成と呼称されている。

3次車(第14・15編成)

1997年の溜池山王延伸の際に製造された。

2次との違いは制御装置のメーカー三菱電機になった事のみである。
そのため、3次も2次と同じくC編成とされる。

4次車(第16~第21編成)

南北線目黒延伸用に1999年から2000年にかけて製造された。

3次以前の車両との大きな違いとして、9300赤羽岩淵方・9600目黒武蔵小杉方の台車を付随台車とし、MTを実質3M3Tとした事である。
なお、これに伴いVVVFインバータも従来の1C2M4群構成から1C2M3群構成としている。なお、将来の8連化のために4群搭載のうち3群仕様とする形を採っており、93009600の付随台車も電動機の設置ができるよう準備工事が行われている。
室内は座席の袖仕切りが大化され、片持ち座席となった(ただし、ほんのわずかながら脚台が残る)。

4次は当初より東急目黒線乗り入れに対応しており、従来の車両も順次目黒線乗り入れ対応工事が行われた。
TISは電装系統の二重系統化が行われ、従来は別の設定機で行われていた行先と自動放送の設定をTISで行うように設定変更された。
従来編成も東急目黒線への乗り入れ対応工事が順次行われ、TISの設定も4次に準じたものとなった。

4次9000系D編成と呼称される。

5次車(第22・23編成)

東急目黒線日吉駅延伸に伴うダイヤ正による運用増と将来の大規模修繕工事の際の予備確保のため2009年に製造された。

4次の製造から大きく時間が開いており、半蔵門線08系副都心線10000系などの設計を取り入れ、大幅な設計変更が行われている。そのため、9000系Newと呼ばれる事もある。

編成構成が大きく変わり、電動の9300形に変わり付随の9400形が連結された。これにより、電動の一部台車の付随台車化を行わず3M3T構造とした。
なお、9200形は1Mとなるが、将来の8両編成化時には増結する9300形と組んでMM'ユニット方式とする予定であり、あらかじめその準備はなされている。
制御装置は三菱電機製2レベルIGBT-VVVFインバータベクトル制御式・順電気ブレーキ対応)に変更された。
また、補助電装置も従来DC-DCコンバータからSIVに変更されている。
電動空気圧縮機についても、従来のレシプロ式から低騒音スクリュー式に変更となっている。

体は従来シングルキン構造からセミダブルキン構造に変更され、材質のさらなる単一化を図る「モノアロイ化」を行った。
また、2次以降にべ床面高さをさらに10mm低く設計している。
前面はフロントガラスデザインはそのままに、フロントガラス以下のデザインを大幅に変更し、全照形状と足回りの簡易排障器が大きなアクセントとなっている。
側面は帯の配置を見直し、体上部にも帯を配したほか、端部はモザイク状に処理を行っている。
また、側面の車両番号表記は車両下部から戸袋部へ表記場所が変更された。

内の案内表示機は従来のLED式から15インチLCDを各上に配置する方式に変更された。
ただし、1画面のみの設置で「Tokyo Metro ビジョン」の設置は動画広告は流されない。ただし、将来の2画面化は考慮した構造とされている。

様々な点で従来と異なり、他社では新形式としても差し支えないような内容となっている(これは9000系に限らず他の東京メトロ車両でも言えるケースあるが)。

5次には9000系○編成といった呼称は特にない。区別する際は前述のように9000系Newとするようである。

リニューアル工事

2016年3月29日東京メトロ9000系電車1次(A編成とB編成)に対するリニューアル工事(B修繕)の施工を発表した。施工第1号は第5編成となり、同年8月15日から営業運転に投入された。

内外装ともに「柔らか味のあるデザイン」となり、側面帯のウェーブデザイン化が行われた。また、内設備では1次の特徴だったクロスシート止され、フリースペースが全車両に設置された。また、内の案内表示器は17インチLCDに交換された。5次と違い2画面のため、動画広告も流れる。

制御装置のVVVFインバータGTO素子からフルSiC素子へ変更され、その他の機器も最新のものへ交換された。

運用

6両編成23本全王子区に所属し、南北線の運用に就いている。
メトロが共通運用で、次や編成ごとの運用区分はい。

相互直通運転の関係で東急目黒線埼玉高速鉄道線も走行するが、同じく東急目黒線に乗り入れている都営三田線内(目黒駅白金高輪駅間の共用部除く)に入線する事はい。
なお、車両の洗浄や輪転削は埼玉高速鉄道浦和美園車両基地で行われる他、定期綾瀬工場にて行われる。

関連動画

1次日立GTO走行音

5次の試運転シーン

関連商品

実はやたらとプラレール化に恵まれている9000系 でもNゲージはまだい。

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