東急2000系とは (トウキュウニセンケイとは) [単語記事]

東急2000系とは、東急電鉄の鉄道車両（通勤型電車）である。

概要

田園都市線の輸送力増強に伴い、1992年に登場。当時のコンセプトは「人に優しい電車」。現在10両固定編成が3編成の、計30両が存在する。2003Fは登場からしばらくの間東横線を走っていたこともある。

部品共通化などを目的に9000系をベースに開発され、同車に非常に良く似ている。
ただし、田園都市線の混雑を考慮した設計となっており、車内のラインデリア増設の他、車端部のクロスシートを廃止している。
この他、クーラーキセを2台分まとめてパンタグラフ搭載車と非搭載車で取り付け位置の統一を図るといった改良もなされている。
制御装置は9000系に引き続き日立製のGTO-VVVFインバータを採用した。9000系の1C4M方式に対し2000系では1C8Mとなっている他、インバータの改良によって非同期モード時の変調回数を少なく抑えている。
台車は9000系と構造を変え乗り心地向上を図っている。なお、2000系採用前に9000系9015Fを使用して現車試験を行った。

1次車（2001・2002F）の3号車デハ2200形・9号車デハ2400形では次期鉄道車両のあるべき姿を模索してか以下の意欲的な設計がなされた。

7人掛け座席に3-4区分でスタンションポールを設置（デハ2200・デハ2400で違う形状を採用）
7人掛け座席の座席下ヒーターを小型化しカバーを引っ込ませ蹴込みを拡大、荷物置きスペースをねん出
座席に柄を入れる（花柄とストライプ）
遮光用ロールカーテンに沿線の名所の絵柄を取り入れる
禁煙表記等のピクトグラム化
妻面貫通扉ガラスの形状変更（角を丸めた直角三角形2枚で構成されたもの）

これらの仕様は2次車である2003Fで全面的に採用（スタンションポールはデハ2400形の物を採用）された。
しかし、座席とロールカーテンの絵柄については後に汚れが目立つという理由で従来車と同じものに変更された。

なお、2000系のVVVFの音は東急ファンの人気が高いのか、ニコニコ動画にも多くの走行音動画が上がっている。

転機

登場時は既存の8500系を置き換える構想もあったようだが、結局3編成の増備にとどまった2000系。その後も、しばらくは日本有数の混雑路線である田園都市線で大活躍する。

しかし、転機が訪れたのは2003年 3月。直通運転先の営団地下鉄（当時）半蔵門線が延伸し、東武鉄道伊勢崎線と乗り入れを開始することになった。
車両数の少なかった2000系は、東武側が乗務員訓練の手間を面倒くさがったため東武線用の乗り入れ機器を搭載せず（ただし準備工事は施工）、田園都市線・半蔵門線内完結の運用（通称「サークルK」）専用に成り下がってしまう。
当時、「サークルK」は平日にしか運用がなく、2000系はその活躍の場を一気に減らしてしまった。
さらに、少しさかのぼるが、2002年からは新世代の5000系がデビューし、その後かなり数を伸ばしていったため2000系はますます影の薄い存在になってしまう。

その後、2008年 3月のダイヤ改正で事情が少し好転。土休日に「サークルK」の日中運用が復活。2000系が休日昼間の運用につくことも多く、2000系が復権してきたかにも見えた。ただし、平日日中の運用は夜間留置の絡みからか東武直通対応車が入るケースも多かった。
しかし、時代の波は2000系に残酷だった。このころから、田園都市線のあまりにひどい朝の混雑に対応するため、6ドア車を多く連結した5000系が大量に増備。5000系が朝の急行運用のあるサークルKをどんどん奪っていった。さらに2009年 6月のダイヤ改正で、土休日日中の「サークルK」運用が廃止され、前々回改正まではほぼ必ず2000系が充当されていた平日日中の運用につくことも少なくなってしまった。現在は、主に朝の運用につく以外は、たいてい長津田の車庫で休んでいる。
2012年 3月の改正では平日日中のサークルK運用がついに消滅してしまった。ただ、平日・土休日とも夜間の運用は増加し、準急運用も久々に復活している（それも3本も）ため、時間帯によっては会いやすくなったとも言えるかもしれないが、2013年 3月のダイヤ改正で平日日中のサークルK運用が復活。さらに2014年 6月21日ダイヤ改正で、渋谷～中央林間増発と、日中の準急運用が誕生したことにより、平日日中のサークルK運用が大幅に増え、さらに土休日の日中のサークルK運用も復活し、見かける機会が増えた。

ニコニコ動画では

先ほども記述したとおり、VVVFの個性的な音からか、走行音動画が多くあがっている。
また、東急関連の萌え鉄動画には、「東急2000系は俺の嫁」というコメントもちらほら見られるなど、人気は高いと思われる。
ほとんど日中の運用につかず、車庫で休んでいる姿からついたあだ名は「長津田警備員」。
また、切妻型の平らな前面から、9000系、1000系とまとめて「つるぺた」と呼ばれることもある。
他にも、「俺の嫁」と呼ばれｒ（ｒｙ