東方珍々勃起とは (トウホウチンチンボッキとは) [単語記事]

東方珍々勃起とは、東方Project関連の動画において、俺のオンバシラの生理的なエクスパンデット現象を誘発させる動画に付与されるタグである。
厳密に解釈するならば、俺のレーヴァテインがスターボウブレイクに至る場合は原則的に扱わない事になっているが、個々の視聴者によって反応に差があるため、同一視して扱われる場合も多い。

概要

東方珍々勃起の概要を具体的に書くと運営から怒られるので書く事が出来ない。なので以下は完全な空白である。

　珍々とは言うまでもなく男性器の俗称「ちんちん」の当て字である。現代社会において性関連の用語及び話題が、公共の福祉を損ねる物だとして忌避される傾向にある事を考慮した言い換えである。「ちんちん」の語源に「珍宝」を挙げる説がある事を踏まえると、これは興味深い逆転といえよう。しかしながらこの指摘は、「ちんぽ」をアイヌ語「チ」（「小さい」の意）と「ポ」（縮小辞。「ニポポ人形」の「ポ」）の合成語「^*チポ」の変形だと見なすちんぽアイヌ語語源説など異なる説も存在するため、必ずしも的確だとは断言出来ない。

　男性器の勃起は通常、性的興奮により生じる。（万が一この基本的知識すら持ち合わせぬ閲覧者がいた場合は、ブラウザを閉じるか、直前に閲覧していたウェブページへ戻る事を強く推奨する。）勃起の生理学的定義は、陰茎内部の海綿体における血圧が上昇し、陰茎の体積と硬さが増大することを意味する。
　こうした反応は、中枢神経によって引き起こされる。多くは体外からの物理的刺激に対する反応だが、官能的知覚が大脳により刺激として処理された結果、不随意的に反応を引き起こす事も多い。特にヒトは状況認識の際に視覚情報を特に重視する。視覚を通した刺激に対してもしばしば勃起を誘発させることがある。

　ここから暫く勃起の話から離れ、視覚という例を提示する事により、何故東方Projectにおいて勃起が根本概念として語られうるのか、文化学的観点に基づいて説明しよう。

　見る時、ヒトは常に脳内で視覚情報を補完しながら「見る」。絵に描かれたキャラクターに対し愛着を覚え、時に欲情するのは、不完全な画像情報に対するヒトの高度な補完能力故である。場合によっては文字情報や、外的刺激の伴わない想起・想像ですら勃起を引き起こすのである。（eratohoを参照の事。）
　日本文化には、そういった視覚の補完を引き出す要素が非常に多い。それは謙遜・抑制・秘匿・微妙を美徳とする日本の伝統的倫理観である。低予算リミテッドアニメからトゥーンレンダリング 3DCGにいたる技術的な推移の中でも、それは失われていない。

　翻って東方Projectに目を移そう。原作者の提供するキャラクターや舞台は、決定的に設定されている事もあれば、大事な箇所が非公開のままおざなりにされている事もある。これが意味するところは、キャラクターの性格や服装といった画像的情報、そしてその活動範囲、キャラクター同士の関係といった非画像的情報に対して、愛好家が独自の解釈を投影する余地が多く残されている。その解釈次第によっては、キャラクター・舞台の別の新たな設定が連鎖的に生まれ、新たな物語が誕生する。そしてそれが別の新たな愛好家に提示・受容され、同様の過程が行なわれる。こうして架空の存在が共有され、ミームの連鎖的再生産が発生するのである。これを普段我々は「二次創作」と呼んでいる。ここにおいて、ヒトの脳内で起こる情報の補完作業が、東方Projectという曖昧な物語に対して、実に重層的に行なわれていることが理解出来るであろう。

　原作者が、東方原作からセクシュアリティの含意を消し去ることにほぼ成功していることにより、我々はそれをよりセクシャルに感じる。原作者がそれを意図しているかを知る術はない。しかし、極々少数の例外を除いて殆ど少女しか登場しない舞台（映画版うる星やつら２のアイディアを借りると、脱出したくても脱出出来ない夢）に対して、人間である（そして多くは男性である）受け手が性的な興奮を全く覚えずに生きていく事は不可能である。原作から徹底的に消去されたはずのセクシュアリティは、人妖に関するデータを脳内補完する中で、人妖らへ不可避的に混入され、ｎ次創作という再生産の過程の中で止め処も無く増幅していく。