東方現代記 (とうほうげんだいき) とは、現代入りシリーズの一つである。作者は suzu。
概要
東方現代入りシリーズとしては最古の作品 (2008 年 2 月 23 日初投稿) である。
また、現代入りするキャラクターの数が現代入りシリーズとしては最も多く (2011 年 3 月 16 日時点)、初期の時点ですでに 43 人も現代入りしている。また 06.5 以降はさらに 11 人が現代入りし 54 人となっている (ただしこれは同時にキャラクターひとりあたりの登場時間が短いことも意味している)。
なお、東方星蓮船 (多々良小傘のみ例外的に登場) 以降と書籍組 (三月精、儚月抄、香霖堂など) のキャラクター、そして(なぜか)リリーホワイト、リリーブラックは登場していない。作者によれば、これらのキャラについては、基本的に番外編(該当キャラが現代入りした場合のもしも話など)のみに登場させるとのこと。
なお、小傘以外の星蓮船キャラについても既に立ち絵が描かれており、番外編で披露されている。
現代入りしたキャラクターの中には、フランドール・スカーレットや霊烏路空といった「強大な力を持つが制御に難がある」キャラやルーミアなどのように「人を食べる可能性が高い」キャラといった現代にいると危険であると思われるキャラも存在するが、作中には土地が消し飛んだり、あるいは人が (東方キャラによって) 死んだり食べられたりという描写 (建物や器物が部分的に損壊する描写はある) はない。こまけえこたぁいいんだよ!!
とはいえ、テレビに切りかかる者やバスを食べようとする者などもおり、トラブルはまだまだ絶えない。
作風
dnmlを用いて、ノベルゲーム風に制作されている(ちなみに9話以降はdnmlではなく普通の動画制作ソフトを用いているらしい)。背景は素材集のものが多いが、立ち絵や一枚絵(デフォルメ絵が殆ど)は作者自身が描いている(作者の知人が描いた一枚絵、および立ち絵も存在する)。
また、物語序盤のあとがきにて視聴者から募ったイメージも参考にしながら、私服やスーツなど東方キャラが現代で活動するための服の立ち絵も用意しており、視聴者からはそのセンスの良さも評価されている。
作者によれば、まだ私服が登場していないキャラも、後述のコメント返信回などでアイデアを出せば採用されるかもしれないとのこと。
作者の趣味なのか、特撮やロボットアニメネタが頻出、たまに格闘ゲームネタも出てくる。他にも、忠誠心や愛情が鼻から出る表現もよく用いられる。一方で、伏字が仕事をしないことにも定評がある。
また、「掛け軸の絵柄(扇)がモンスターボールに見えた」と言うコメントに対して、次回の動画で該当箇所を本当にモンスターボールの画像に差し替え、以降の動画でも様々な画像に差し替えたり、投稿者コメントで東方キャラを弄ってピチュったりするなど、作者自身のノリの良さもみせている。
コメント返信回 なぜなにゆうかりん
作者がコメント返信を行う動画。元ネタはなぜなにナデシコ。
「3,2,1,どっか~ん!」の掛け声ではじまり、作者が特定の動画で気になったコメントなどをピックアップ。それに対する作者、もしくは東方キャラからのコメントと言う形で応えていくという動画である。また、最近では本編のあとがきを兼ねている。
進行役は幽香とルーミアで、ルーミアは着ぐるみ姿(後述)で登場。
発端は、第5話の野球回にて、相手の投球を解説する際にこの形式を用いたことである。このときは一部残虐表現があったため、聞いていたとあるキャラがドン引きしていた。
後述のキャラクター紹介では、こちらで公開された情報についても追記していく。
ストーリー
主人公の鏡 (きょう) は数年前に不慮の事故で父母を亡くし、実兄の剣 (つるぎ) とともに祖母の元へ移り住んだ。祖母は旅館を経営していたが数年前に廃業、以降は旅館を住居として使用していた。しかし、祖母は子供 (主人公からみれば父母) を亡くしたという精神的ダメージから次第に元気がなくなり、ついに昨年末亡くなってしまう。
それから一年後。高校 3 年生となった鏡は、卒業を控え平穏な冬休みを過ごしていた。ちょうど同じ頃、幻想郷では年始の宴会が夜通し開催されていた。そんなとき、ある人物のある行動によって、事態は予想外の方向へと進んでいくこととなる。
登場キャラクター (現代)
- 鏡 (きょう)
- 影の薄い主人公。ストーリー開始時点で高校 3 年生。物語の途中で卒業し、その後は兄の会社の手伝いを行っている。兄とともに祖母の遺した旅館に住んでいる。
- 両親を亡くして以降ふさぎ込みがちな生活を送っていたが、現代入りした東方キャラとの生活のなかで少しずつその心情が変化していく。
- 動画内の大部分のシーンは鏡視点で描かれているにも関わらず、主人公としては非常に影が薄く、視聴者に存在を忘れられがちである。また、立ち絵が現在まで登場していない (デフォルメ絵が登場したのみ) が、茶髪であることが分かっている。
野球の打席に立った際に「かわいい」と応援されたことや、一般人から「可愛い娘ちゃん~」と言われ、挙句の果てには(東方キャラと一緒に居たこともあってか)ナンパされてしまったことから、視聴者から「男の娘」と呼ばれることもある。体付きも華奢であることが想像されるが、野球回IFではヘトヘトになりながらも神奈子の特訓に最後までついてきたり、勇義の放ったライナーをキャッチし、トリプルプレーの起点になったり(ちなみに似たようなボールを受けたパルスィはグラブを弾かれている)、第6話では力尽きて落ちてくるチルノを受けとめるなど、意外と身体能力は高い。耐久面は天子のネックツイストを受け、悲鳴を上げながら転げ回る程度。
- 驚いた時に「ウェイ!?」と言うなど、オンドゥル語が漏れることもある。また、兄に予期せぬ不幸が降りかかった際はドモンばりに叫ぶ。
- 東方キャラが来て以来、旅館の破壊がちょくちょく起こり、その修復を担当しているため、日曜大工が得意になってしまった。
- ライトノベルが好きなようで、パチュリーに本を要求された際に持って行ったり、それをきっかけにすっかりハマってしまった小悪魔から新刊を借りたりしている。
- 主人公らしくラッキースケベにはよく遭遇するようで、マッサージチェアでビクンビクンする天子をまともに見てしまったり、蔵の中に閉じ込められた際は意図せず秋姉妹の胸に触れてしまう、爆発であられもない姿になってしまった早苗を見てしまう、といったイベントに遭遇している。
- 東方キャラに対しては基本的に「さん」付けで呼んでいるが、キャラによっては愛称で呼んだりもする。一部キャラクターの台詞部分が愛称(ミスティア→ミスチーなど)になっているのはそのためでもある。
- 剣 (つるぎ)
- 主人公のチート級の兄で6歳年上。主人公とともに旅館に住んでいる。父が遺した会社を引き継ぎ、現在は会社の社長である。
- 会社は父の代から好業績であったが、それを剣が会社を引き継いで以降も続けていることから、若いながらも社長としての能力はかなりのものであると考えられ、物語内でもそれを示唆するような描写が見られることもある。
- 「金持ち、なめんなよっ!」というセリフに代表されるように、金の羽振りが非常によく、現代入りした東方キャラの衣食住の費用を全面的に負担するなど金にモノを言わせた行動をとる。その割には、豆まき回でてゐの企画したトトカルチョに参加し、アニメのDVDの購入資金にしようとして、視聴者から「お前金持ちだろw」とツッコまれている。また、東方キャラ全員に「雑用費」(≒お小遣い)を支給する際はさすがに冷や汗をかいていたようだ。
- 東方キャラ数名を秘書として採用し、会社の業務を手伝わせている。他にも、にとりの描いた図面を製品化したり、個人的に行なっている株取引をレミリアと輝夜に手伝ってもらい、参考にするなど、なんだかんだで活用している。
- 主人公の鏡よりキャラが強く、どちらが主人公なのか分からなくなることが頻繁に起こる。
- また、妖怪であるレティに目つぶしを受けても「ギャアアアア!」とのたうち回るだけで済んだり、さらにはお空から「ペタフレア」を、お燐から「昔時の針と痛がる怨霊」を、そしてこいしから「サブタレイニアンローズ」を同時に受け直撃しても「『あぶろぺれぼれぱ〜』と叫んで吹っ飛ぶ」だけで死ななかったり、工事中のビルから飛び降りても軽傷ですんだりと、妖怪並みの肉体を持っている。また、魔理沙を片腕で振り回すだけの腕力も持ち合わせる。髪の色は黒。
- デリカシーに欠けるところがあるのが欠点で、特に体重関連の発言で地雷を踏む場合が多い。また、面白そうなことを見つけると仕事そっちのけで向かってしまう(そして後で秘書たちから制裁を受ける)こともしばしば。ラッキースケベに遭遇して調子に乗った結果痛い目に遭ったりもする。
- 特撮やロボットアニメなどが好きであるようで、よく鏡や東方キャラたちに見せたり、モノマネをしたりしている。そのおかげで一部キャラに影響が(ry。また、いわゆる萌系アニメ(特に「小さい子が活躍する」モノ)も好きなようで、コレクションを隠し持っていたが、チルノによってバレてしまった。
- 東方キャラに対しては基本的に呼び捨て。たとえ相手がチート妖怪八雲紫であっても「紫」と呼んでいる。
- 訓練されすぎている店員
- 剣の会社が経営するデパートの店員の総称。咲夜に「PAD」と言ってもピチューンされない店員であったり (それどころか商品説明を求められた)、相手が河童や天狗であっても家電製品を売りつけることに成功する店員であったりと、いずれも常人離れした能力を持っている。
- 客
- 特に東方キャラの働いているお店に訪れた一般客を指す。通常、3人セットで登場するが、オチ担当の最後の一人はハァハァするか「○○は俺の嫁」などと発言し、視聴者からツッコみ(という名の武力攻撃)を受けるのがデフォ。通称お前ら
登場キャラクター (東方)
関連用語
- 旅館
- 鏡や剣、それに大勢の東方キャラの生活の場。
- 鏡の祖母と祖父が経営していた江戸時代から続く老舗温泉旅館であった。しかし、祖父が亡くなったことや旅館自体が時代の波に取り残されてしまったことから廃業。しかし祖母は土地を離れることを嫌い、その意を酌んだ鏡の両親が旅館を丸ごと買い取り改築し、祖母にプレゼント。それ以後、しばらくの間祖母がひとりで住んでいたが、剣の大学進学をきっかけに鏡が移住し、鏡の両親が他界すると剣も移住して生活していた。そしてストーリー開始の前年に祖母が他界し、ストーリー開始時点で旅館に住んでいるのは鏡と剣だけとなった。
- ひとりひとりに個室が割り当てられており、外には蔵があるなど、相当大きな建物であることがうかがえる。また、旅館時代の設備や備品等もある程度残っており、天然露天風呂や掃除機、大型洗濯機などが登場している。(え? 普通の旅館はそんなに大きくない? こまけぇこたぁいいんだよ!!)
- 会社
- 鏡の両親が創業した会社で、現在は剣が社長を勤めている。剣の資金力チートの源でもある。
- 両親の努力のおかげか会社はかなりの好業績を挙げ急成長、両親の他界を受け剣が会社を引き継いでからも引き続き好業績を挙げているようである。
- 何の会社であるかははっきりとは示されていないが、(品揃えが部分的にハードコアな) 巨大デパートを買収したり、(天人でも「らめぇぇ」な状態にできる) マッサージチェアを開発したり、にとりの描いた図面を製品化するなど、非常に多角的な経営を行っているようである。
- また、系列の店などでは一部の東方キャラがアルバイトをしている。
- デパート
- 剣の会社が最近買収しリニューアルしたデパート。従業員は全員訓練されすぎている店員。
- かなり巨大なデパートであり、衣料品はもちろん本や DVD、おもちゃなども売っている。デパート地下にはデザート売り場や酒売り場、そして屋上にはアイスクリーム店がある。また、ここのレストランには、とあるメニュー(とそれを食べきる某ピンクの悪魔)があることで有名。
関連動画
関連商品
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関連項目