枇杷(びわ)とは、バラ科に属する、中国南西部原産の果物である。オレンジ色の小さな果実と、その割には大きな種で知られる。そのため、ビワの可食部はたったの70%しかない(バナナと同じ)。
尚、本記事では植物としての枇杷は漢字、果実としてのビワはカタカナ表記とする。また、ブランド名はひらがな表記のものが多い。
枇杷は一般にビワ、びわと呼ばれ、楽器の琵琶と同音異義語である。そもそも、枇杷の語源となったのが楽器の琵琶に形が似ているからであるとされる。枇杷は梅雨時になると実が成るため、初夏の季語にもなっている(一方、旬の期間が短い果物でもある)。また、枇杷は花も愛でられることが多く、これは冬の季語にもなっている。比較的育てやすいので、家庭栽培でも作られる。
非常に歴史の古い果物であり、正倉院の書物に記載があるほど。それゆえ古くからその味が知られてきたが、今よりずっと小粒で今日のような大粒になったのは江戸時代以降の話である。極めて寒さに弱い果樹のため、産地は温暖な地域に限られている。
一般に知られる品種は「茂木」と「田中」であり、これらは地名や人名に因んでいる。日本では茂木びわで名高い、長崎県長崎市茂木地区が有名で、日本一の産地となっている。また茂木と並ぶ人気品種、田中の主産地で、房州びわで知られる千葉県が2位(だが、田中は味が劣るため、大房など他の品種に置き換えられてきている)、以下は桜島や垂水を主産地とする鹿児島県、ハウスびわの主産地である香川県、唐川びわで知られる愛媛県、そして和歌山県下津、大分県大分市、兵庫県淡路島、熊本県天草地方、高知県室戸市などで栽培が盛ん。
とはいえ、種が大きいため食べにくく、農家の高齢化や食の多様化、そして、栽培が難しい割に、旬の期間が短く、また耐寒性に乏しいことなど、労力に見合わぬ不安定な収入などで生産量は減少を続けている。そのため、産地ではゼリーやジャム、アイスやシロップ漬けなどの加工品も作られており、活性化を促している。そして、ビワは酸味の少なさを生かしてアイスにすることも多く、びわアイスはご当地や観光客の人気を集めている。ビワ酒という果実酒もビワ利用ではメジャーであり、他の果物を合わせるといい塩梅になる。
枇杷は茶葉の健康効果が高いことでも注目されており、タンニンや鎮咳作用を持つアミグダリンを含む。枇杷の葉茶は癖が少なく、飲みやすいため、今日では健康食品としても人気が高い(ただし、自前で作る場合は、よく乾燥させること!)。また、枇杷の葉の煎じ汁はあせもや湿疹、虫刺されなどの外用薬としても民間療法レベルで使われてきたが、実際薬用効果が実証されている。
枇杷の種子には未熟な梅の実と同じように天然の有害物質(シアン化合物)が多く含まれているのだが、それを粉末にした食品からシアン化合物が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数あった。農林水産省は国民に対して、枇杷の種子の粉末を摂取しないよう呼びかけるとともに、枇杷の種子を原料とした食品全般に対する注意を促している(農林水産省のページ)。
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最終更新:2025/04/11(金) 23:00
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