柏原純一とは (カシワバラジュンイチとは) [単語記事]

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柏原純一（かしわばら　じゅんいち、1952年 6月15日-）とは、熊本県出身の元プロ野球選手（内野手）である。

水島新司の漫画「あぶさん」の容姿のモデルの一人である。

概要

OB
柏原純一
基本情報
国籍	日本
出身地	熊本県八代市
生年月日	1952年 6月15日
身長体重	179cm 83kg
選手情報
投球･打撃	右投右打
守備位置	一塁手、三塁手、二塁手、外野手
プロ入り	1970年ドラフト8位
引退	1988年
経歴
選手歴熊本県立八代東高等学校南海ホークス(1971年-1977年) 日本ハムファイターズ(1978年-1985年) 阪神タイガース(1986年-1988年) コーチ歴阪神タイガース(1989年-1995年,1999年-2001年) 中日ドラゴンズ(1996年-1997年) 北海道日本ハムファイターズ(2014年-2015年)
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高校時代は投手として70年の選抜に出場したが初戦で敗退、そのためプロからはあまり注目を集めておらず、同年に行われたドラフト会議では南海ホークスから8位という低い順位での指名を受けてプロ入りする。

入団1年目は投手ではなく外野手に転向するが、出場機会は二軍ですらほとんど与えられなかった。

転機となったのは2年目の1972年、とある試合で内野手が足らず、柏原は急遽試合で二塁を守ることになりその試合でゲッツーをとると、前年に現役を引退して二軍コーチに就任した古葉竹識から「内野手をやれ」と言われそのまま内野手に転向、すると翌年には一軍に昇格し8月9日の日拓戦にて代走でプロ初出場を果たし、10日にはスタメンに抜擢され3打数2安打を記録すると、11日には太平洋の三輪悟からプロ初本塁打を放った。（ちなみにこのホームラン、いったんレフトの選手がグラブに当てたものがそのままスタンドに入ってしまったという珍しい物。）

1974年は主に三塁手として出場にするが、76年には一塁に転向してレギュラーの座をつかみ、124試合に出場、5月5日の千葉ロッテマリーンズ戦では村田兆治から初めてのサヨナラヒットを放つ等の活躍を見せる。（本人曰くこのサヨナラヒットが南海時代一番の思い出とのこと）
ただ好調だった前半戦から一転して後半は不調に陥り、監督であった野村克也からは「しっかり練習しないからだ」と叱られた。

1977年もレギュラーとして活躍するが、この年のオフに選手兼任監督であった野村克也が解任される事件が起き、柏原は江夏豊と共に球団に自身をトレードに出すように要求、結果江夏は広島へ、柏原は日本ハムにトレードとなった。

移籍初年度は初めて全試合出場&20本塁打（この年24本塁打）を達成し、初めてベストナインとダイヤモンドグラブ賞に選ばれている。
1981年にはかつて南海で共にプレーしていた江夏がトレードで移籍してきたため再び同僚となり、柏原は4番として、江夏はストッパーとしてそれぞれ活躍し日本ハムの後期優勝（1973年から1982年までパ・リーグは前期後期に分かれていた）に貢献、プレーオフでもロッテを下して初優勝を決め、柏原はプレーオフ MVPに輝いている。
しかし巨人との日本シリーズでは江川卓からホームランを2本放つ等奮闘したものの、2勝4敗で日本一には届かなかった。

その後も1984年までチームの主軸として全試合出場を記録していたが、1985年に全試合出場が途切れるとその年のオフに阪神タイガースにトレードされる。

阪神では一塁のほかに三塁なども守るが、1988年にとある試合で簡単なフライを落球したことからその年限りで現役を引退した。

現役引退後は阪神・中日で打撃コーチを務め、コーチをしていない時期は解説者をしていた。2004年からは日本ハムの総括本部プロスカウトとなり、2014年から2015年には一軍打撃コーチを務めた。その後スカウトに戻ったが、2017年限りで日本ハムを退団。2018年からは解説者に戻っている。

敬遠球をホームラン

柏原を語るにあたって、外したくないエピソードのひとつ。

1981年 7月19日の西武戦6回裏二死三塁、対戦投手は“左殺し”という存在の先駆けとも言える永射保、次の打者はトニー・ソレイタという場面で柏原に打順が回ってくる。
マウンドに立つ永射に対し、次打者のソレイタは11打数無安打9三振と相性最悪であったため、柏原は「バットに届く範囲に来たら三遊間に打つ」と決めていたという。
そして2球目に真ん中付近の甘い球が来ると、迷わずこれを振りぬいた結果、なんとレフトスタンドに飛びこむホームランとなってしまった。

この敬遠球ホームランから18年後の1999年の6月19日、阪神対巨人戦において阪神の新庄剛志が巨人の槙原寛己から敬遠球をサヨナラヒットにしているが、この時阪神の打撃コーチを務めていたのが柏原で、新庄は監督や勝利投手でもなく柏原コーチへ真っ先にハイタッチしに行った。
この試合に前にも新庄は敬遠されたことがあったため、練習でも打撃投手に頼んで敬遠球を打つ練習をしていたのだが、その新庄に対し「試合中打ちたくなったら俺の方を向け、野村さん（この時阪神の監督だった野村克也）に訊くから」と話していた。
ちなみに柏原の「新庄が敬遠球を打ちたいと言ってます」という問いに対する野村の第一声は「なにぃ、あの目立ちたがり屋が」だったとのこと。