桃とは…
この記事では1について説明する。
【分類】バラ目バラ科サクラ属
【学名】Prunus persica
(学名の由来)Prunus→スモモのラテン語古名/persica→ペルシャの(かつては原産地と思われていた)
4月上旬頃に咲く淡紅色の花は美しいので観賞用にも栽培される(ハナモモ)が、特に果実が果物として重要。
軟らかい果実は水分を多く含み、甘く食用になる。特徴的な割れ目は包合線といい、養分の通り道。果実はそのまま食べるほか、缶詰・ジャムなどに加工される。ジュース・桃酒・桃酢などの飲み物にも加工される(どろり濃厚ピーチ味が有名)。モモを使ったデザートとしてはコンポートが有名だが、その発展形ともいえるフランス生まれのピーチ・メルバも有名。
原産地の中国が世界最大の生産国。アメリカ、イタリアがそれに続く。日本は6位。
日本国内では山梨県、福島県、長野県の順で生産量が多い。続いて和歌山県、山形県、岡山県と続き、この6県だけで全国シェアの8割は超えるという寡占状態が続いている。栽培条件は温暖で日照時間が長く、水はけが良くて降雨が少なく乾燥している、そして春先に風当たりが弱い場所、すなわち盆地の内陸や扇状地が適している。実際、甲府盆地、福島盆地、長野盆地、山形盆地と盆地に大産地が多い。また、風当たり以外はブドウと被るので、山梨、長野、山形、岡山などブドウ産地と被る場合も多い。
山梨県が日本一の産地でシェアは30%以上。甲府盆地に位置する笛吹市が生産量日本一であり、山梨市、甲州市(旧塩山市)なども盛ん。中でもこの笛吹市は、元々ブランド桃産地として知られていた一宮町、御坂町、春日居町、そして八代町などが合併して誕生したという、究極の桃の町である(合併直後は日本一のぶどうの町とも名乗っていたが、それは許せんとばかりに勝沼擁する甲州市がトップを奪還しているらしい)。ブランド桃として一宮の桃、春日居の桃、御坂の大糖領や八代の一桃匠などは極上品として有名。そして、山梨の桃の特徴は県民の好みに合わせてるのか、他県産と比較するとしゃりしゃりとしたハードな食感と歯ごたえがあり、俗にガジ桃と呼ばれている。
福島盆地を擁する福島県は山梨に次ぐ大産地で、一帯はりんごや梨、柿など様々な果物生産が盛んだが、中でも桃の知名度が抜きん出ている。福島市や伊達市、桑折町などに大規模な産地があり、県を代表する味覚となっている。とりわけ、あかつきという白鳳と白桃を掛け合わせた桃が有名。食感はソフト、ハードなんでもありの折衷型。また、他県産より皮が赤いものが多いが、これは袋がけをせずに太陽の光を目一杯浴びさせる(無袋栽培)ことが多いためである(これは山形県でも見られるが、日差しが弱く病虫害が少ない寒冷地だからなせる業で、温暖な和歌山や岡山で同じことをやろうとすると強い日差しで赤黒く焼けてしまう上、病虫にやられてしまうことが多い)。
長野県では長野市の川中島周辺や中野市が一大産地となっている。中でも川中島白桃という桃の王者と呼ぶに相応しい桃が有名。そして、長野も山梨と同様にガジ桃であり、肉質の良さと日持ちの良さが自慢である。また、桃の種類も多く、県独自の開発品種もある。桃の親戚のネクタリン栽培も盛ん。
果物生産が盛んな和歌山県は西日本一の桃産地でもあり、江戸時代から続く産地である。そして、かつて県内には桃山町というどストライクな自治体があった(今は紀の川市桃山町)。ここの「あら川の桃」はシーズンになると、関西一円からその味を求めて直売所にやってくる。また桃山だけでなく、紀の川市やかつらぎ町一帯は桃栽培が盛んで、比較的リーズナブルな産地も。そして、和歌山県産はとにかく果肉が軟らかい(とろとろに軟らかいものも)のが特徴(りんごや他の果物でも温暖な場所の方が実が軟らかくなりがちである。その分、日持ちは悪いので、あまり遠くへは出荷できない)。色合いはほんのりピンク色(桃色っていうぐらいだからこれが普通かと思ってた…)。
山形の主産地はフルーツ王国と名高い東根と天童であるが、さくらんぼやラフランスの知名度が高すぎるために影が薄い。また、他県より黄桃(桜桃ではない)の比率が高いのも特徴で、黄金桃、マンゴーピーチなどのブランドがある。そして、この山形産の桃も皮肌が赤い無袋栽培が主流となっている。
岡山は桃太郎の伝説も伊達ではない、全国有数の桃産地。白桃系品種の生産量は日本一で、岡山の桃は終始一貫して袋がけを行うのが特色。ゆえに、日があまり当たらなくなり乳白色がかった皮肌の桃となる。地元では桃の皮というと白を連想する者も少なくないとか。また、岡山産の桃も果肉は軟らかめで、なめらかな食感が売り。
以下、だいぶ規模は落ちるが新潟県、愛知県、香川県、福岡県…と続き、とりあえず少なかれ沖縄県以外は生産量がゼロではないようだ。
主に白桃系の品種と白鳳系の品種が多く市場に出回っている。缶詰加工用には、あまり甘くなく、それほど軟らかくない黄桃が主に用いられる。
なお、「ネクタリン」とは、毛のない突然変異の桃のことで長野県が主産地となっている。
生産量ベスト5には入っていないが、桃といったら岡山県を連想する人も多いだろう。岡山県でも桃は盛んに生産されており(実際に白桃は生産量日本一)、桃太郎伝説との関わりもあり、同県の県の花に制定されている。
台湾・桃園県の県の木および県の花でもある。アメリカ・デラウェア州の州の花でもあり、同州は"The Peach State"とよばれることもあるらしい(よく知られているのは"The First State"だが)。
中国においては古くから桃は仙木・仙果とされ、邪気を祓い不老長寿を与える植物として神聖視されている。邪気を払う力は日本の最古書である古事記にも書かれており、日本でも神聖な果物とされている。桃のデザインは吉祥図案であり、祝い事の際には桃の実をかたどった饅頭菓子「壽桃」(日本では桃饅頭として知られる)を食べる習慣がある。
中華料理チェーン「バーミヤン」のシンボルマークや、「ごはんですよ!」で有名な桃屋の社名およびシンボルマークが桃なのも、桃が不老長寿や吉兆を表すことに由来している。ゲーム「モンスターファーム」シリーズに登場する「黄金モモ(白銀モモ)」というアイテムはモンスターの寿命を延ばす効果がある。
中国の神話に登場する最高位の女仙・西王母は崑崙山に住み、不老不死をもたらす桃を管理する長寿の神様である(同名のモモの品種がありますな)。中国では桃はしばしば西王母の伝説と結び付けられる。そういえば、「西遊記」で孫悟空が釈迦如来によって五行山に閉じ込められた理由は、西王母の管理していた桃(蟠桃)を勝手に食べ尽くしてしまったからだった。
桃は仙人・天人の食べ物としてとらえられている。東方Projectの登場人物・比那名居天子の帽子に桃の実と葉があしらわれているのは、彼女が天人(くずれ)であるから。ちなみに彼女は桃子(英語圏ではPeaches)、さらには「尻子」「バーミヤン」とあだ名されることも。
また、俗世間を離れた素晴らしい場所を、陶淵明の散文「桃花源記」に由来して桃源郷という。
日本では、桃の花の色を桃色という。しばしばピンク色と同一視される。桃色遊戯など、性的な意味を含むことが多い。薄い赤色(16進表記は#F58F98)。■
ピーチというと桃の果肉のような別の色を表し、薄いオレンジ色(16進表記は#FDD1B0)。■
桃色といえばカービィ。あとは、ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!
※果物の桃が由来でも、「もも」「モモ」の場合はモモの記事を参照。
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最終更新:2025/03/24(月) 15:00
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