権利者とは (ケンリシャとは) [単語記事]

権利者(けんりしゃ)とは、ニコニコユーザーの敵であって、ニコニコユーザーの味方である。

権利者の概要

権利者とは、画像・音楽に関して権利を保有している個人・団体のことである。ニコニコ動画においては、規約で禁止されているものの、権利者に無断で画像・音楽を利用した動画が数多く投稿されている。

これに対し権利者は、自己判断によって自分に不利益があるとみなした動画に関して、運営に依頼もしくは用意されたツールを利用することによって削除することができる。ただし、後述する申し入れ書により、権利者は一切目にせずとも、運営によって直接削除される仕組みが始まった。

著作権法は親告罪なので、権利者が公認ないし黙認していれば問題ないという考えの元に、MADなどの作品が数多く投稿されているという背景がある。

権利者によっては、MOSAIC.WAVのように「利用可能の範囲」を明確に提示したり（この場合逸脱していれば即削除）、アイドルマスターの映像のように寛容な姿勢を見せていたりと、ニコニコ動画をある意味で宣伝のために利用しようとしていることもあるが、そうした動きを明確に示した例は残念ながらごく一部に限られているといえる。しかし、それにもかかわらず、宣伝効果等の言葉を持ち出して正当化を図るユーザも少なからず存在する。

権利者へのユーザの反応

ニコニコ動画ユーザ、特に動画投稿者よりも閲覧のみを目的とするユーザにとって挑発的な権利者削除の笛の音と気の抜けたアナウンス（もしくは広告映像）は脅威である。権利者からすれば自らの権利を行使しただけであるが、どんな削除された動画にも一部の心無いユーザにより

「権利者氏ね」　「権利者うぜえ」　「権利者はカス」

などと言ったコメントが付けられる。ただし、こういったユーザの反応は次項の不透明性も一要因だと考えられる。また、相当期間にわたって閲覧可能だった動画がある日突然削除されるといった事例では、「今更どうして」という声が上がることも多い。

権利者削除の不透明性

TV 映像等、権利者からの報告が無くとも運営による判断から削除される場合もある。動画によって運営削除・権利者削除と区別されることもあるが、その違いは明らかではない。自分のバンドの完全オリジナル曲を自ら演奏・アップロードしたにも関わらず、それが運営の誤判断により権利者削除となったり、SZBH方式による投稿で権利者が一切存在しないにも関わらず、タイトルのみから判断されて権利者削除となったりといった事例もある。

運営による権利者であるかどうかの確認そのものに関してはユーザから見て不透明な部分が多い。同人 CDの権利者が「自分が権利者である」ということを説明するのに苦労したという事例もあり、未だに改善すべき点の多い仕組みであるといえる。

その他、ニコニコ動画中では同じ映像を元にしたMAD作品がいくつも作られることがしばしばあるが、その中で再生数が多いものだけが削除されたり、過去に垢バンを受けた人物による作品が優先的に消されたりと、削除基準が一定していないと見なされるような対応も多い。同様に、まったく同じアニメOPであるにもかかわらず、削除されるものとされないものがあったりする。これに関して運営側に問い合わせてみると、「権利者が全てを把握していない、あるいは一部容認しているため」と説明される。