機動戦士ガンダム00Pとは、電撃ホビーマガジンに掲載された『機動戦士ガンダム00』の外伝である。
概要
機動戦士ガンダム00の外伝シリーズは、本編の放映と並行してガンダムエース、電撃ホビーマガジン、月刊ホビージャパンの三つの雑誌で展開された。「00P」はその内の一つ、小説とジオラマを組み合わせたいわゆるフォトストーリー作品であり、同誌のガンダムシリーズでは『ADVANCE OF Ζ』に似た展開形式となっている。
00Pでは本編から15年の時代を遡り、刹那・F・セイエイら「第三世代」の前の世代に焦点をあてた。
原初のGNドライヴ搭載機「0ガンダム(オーガンダム)」は完成を迎える。その後、「ヴェーダ」の指示で様々な機能・役割を割り当てたテスト機体の開発が進められる。 これが本作「00P」の第二世代ガンダムである。
また、ある時期に作品を揺るがす大事件が起こる。
この事件は後に「プルトーネの惨劇」、もしくは「プルトーネの悲劇」と呼ばれ、ソレスタルビーイング内で大きな傷痕が残る惨事となった。そして、この事件から「00P」の物語は10年後(本編の5年前)に移行した。
便宜上、第二世代の物語を「ファーストシーズン」。「00F」や「00I」に続く物語を「セカンドシーズン」と呼称する。
ムック全4巻。小説パートのみを纏めた単行本2巻が刊行済み。
プラモ展開用に書き下ろされた短編集「SPECIAL EDITION」があるが、殆どは「00I」のエピソードである。
登場人物
CVはゲーム『SDガンダム GGENERATION CROSSRAYS』より。
ファーストシーズン
- シャル・アクスティカ(CV:逢田梨香子)
- 00Pファーストシーズンの主人公。「ガンダムプルトーネ」のマイスター。16歳女性。
アクスティカはマイスターとしての偽名で、本名はシャル・ヴィルゴ。
学生時代、パワーローダーによる競技で優秀な成績を残した事がヴェーダ(グラーベ)の目に止まり、ソレスタルビーイングにスカウトされた。4人のマイスターの中では一番普通の経歴である。
一種の恋愛脳で、何でも恋愛感情に結び付ける“ラブスパイラル”(友人命名)を持つ。また、ルイードに恋心を寄せているが、マレーネとの関係を知ってからはルイードへの想いを押し殺して二人の応援に回る。
そして数年後。ルイードとマレーネの間に生まれた子供「フェルト・グレイス」の名付けに関わる。その頃にはルイードやマレーネとは家族と呼べるほどに打ち解けていた。
- ルイード・レゾナンス
- 「ガンダムアストレア」のマイスター。25歳男性。
メカニック出身でありながらズバ抜けた操縦技術を持ち技術をヴェーダ(グラーベ)に買われスカウト。
だが戦闘に関しては新兵と大差なく、任務でガンダムに乗って人殺しをした際、精神的に参っていた。
ファーストシーズン後半でマレーネと結婚、その数年後に子供(フェルト)を授かる。
(反転:「プルトーネの惨劇」でシャルを救助中、大量のGN粒子を浴びて死亡した。)
- マレーネ・ブラディ
- 「ガンダムアブルホール」のマイスター。25歳女性。
元重犯罪者で思想に問題有りとされる。だが彼女は罪を着せられただけで本来は心優しい女性である。
普段は鉄格子に囲まれた部屋に、脱走防止用の首輪型爆発物や手錠を付けた状態で拘束されている。
ルイードとは作中で結ばれ、彼との間に子供(フェルト)も出来た。今ではフェルトに会いに行くのが日課。
(反転:「プルトーネの惨劇」でシャルを救助中、ルイードと共に毒性のGN粒子を浴びて死亡。)
- ガンダムマイスター874(ハナヨ)(CV:花澤香菜)
- 「ガンダムサダルスード」のマイスター。
モニターを介してのみ姿を見せる謎多き人物。外見は10歳前後の少女に思えるが実際の年齢は不明。
セカンドシーズンや他の00外伝でも変わらぬ姿で登場するが、その正体は…(反転:ヴェーダが人間の心を模して作った情報端末。874に関しては何かヴェーダが甘くなってる・・・気がする。)
00外伝シリーズのマスコットキャラと言っていいほど優遇されている。
セカンドシーズン
- グラーベ・ヴィオレント(CV:千葉一伸)
- セカンドシーズンの主人公。「ガンダムラジエル」のマイスター。黒髪ロングの青年。
クールだが思慮深い性格。モビルスーツ戦だけではなく、ナイフ術などの白兵戦にも秀でている。
組織のリクルーティングを担当しており、ルイードやマレーネ、シャルをスカウトしたのもグラーベ。
正体は、ヴェーダとリンクできる人工知性体「イノベイド」である。(反転:ビサイド・ペインの強制コントロールで操られたヒクサーの銃弾により、致命傷を負う。使われた弾丸はナノマシン妨害用の特殊弾で、自己修復やモレノによる治療も不可能。だが辛うじて生存しており、残された時間でセファーラジエルを駆り、ビサイドとの戦闘に勝利。親友のヒクサーに「生きろ」と最期の言葉を伝えた。)
- ヒクサー・フェルミ(CV:立花慎之介)
- ラジエルの支援機「GNセファー」のパイロット。意外にも謎が多い。
女性に目がない三枚目で、グラーベとは真逆の性格だが関係は良好。「グラーベちゃん」とちゃん付けで呼ぶ。
「00F」にも登場しているが、00Pのヒクサーとは性格が全くの別人。その謎は本作に隠されている。
- シャル・アクスティカ
- 顔や体に傷を持つエージェントの女性。元第二世代マイスターで、第三世代マイスター最有力候補だった。
ある事故で心身共にダメージを受けリタイア。昔の明るい性格もなりを潜めている。以前はテロメアの損傷で日常生活すらままならなかった。874がもたらしたナノマシン治療を受け肉体面は持ち直したが…。
- ガンダムマイスター874(ハナヨ)
- 元第二世代マイスター。ルイードとマレーネを失った事が影響し、より人間的な思考を覗かせる様になった。
主な搭乗機は「ガンダムアルテミー」。将来はシャルの作る組織で彼女を支えたいと考える。
- エージェント887(ハヤナ)(CV:花澤香菜)
- マイスター874と同一の容姿のプログラム。彼女と違い肉体を持つ(ハナヨ用の肉体)。
ハナヨとは似ても似つかず明るい性格で、ハナヨを「おねぇさま」と呼び慕っている。
(反転:ハナヨはある事情からハヤナの肉体を借りたいと告げる。自分の中に他人が入ってくる感覚は、ハヤナにとっては悪夢に出るほどおぞましい感覚だった。それが原因でハヤナの精神は崩壊してしまう。同時展開していた00Fで、明らかに別人な程口が悪くなっているのはそのためである。)
- レナード・ファインズ(CV:笹沼尭羅)
- 人革連に所属する7歳の少年。超人機関技術研究所で調整された戦闘兵士「超兵」。
後に00劇場版外伝「00I 2314」の主人公を務める。こんな可愛い子が男の子の筈がない。
- デルフィーヌ・ベデリア
- 人革連「次世代開発技術研究所」に所属するパイロット。搭乗機は「ティエレンチーツー」
プライドが高く、幼いレナードに厳しくあたる。しかし超兵の在り方に悩むなど、心優しい一面も。
- フォン・スパーク(CV:岡本信彦)
- 本編の同時期を描いた外伝「00F」の主人公。この時はまだ傭兵集団のリーダーだった。
彼の代名詞の笑い声「あげゃ」は、00Pでは「あぎゃあ」になっている。
- シェリリン・ハイド(CV:Lynn)
- ある任務の際にジョイス・モレノが拾った褐色の少女。フェルト・グレイスの親友。
メカニックに関心があり、現在イアン・ヴァスティに師事を乞う。「00F」からの主要人物。
- エイミー・ジンバリスト(CV:柿原徹也)
- 予備マイスター候補。現時点ではMSの操縦が下手だが、「00V」でユニオンのエースとして名を馳せる。
- ビサイド・ペイン(CV:小林ゆう)
- イノベイド・緑髪という分かり易い黒幕。リボンズ主導の人間優先のマイスター選出に反対している。
そしてファーストシーズンで「プルトーネの悲劇」を仕組み、セカンドシーズンで内乱を引き起こした。
搭乗機は1(アイ)ガンダム。「00I」の主人公、レイヴ・レチタティーヴォと酷似しているが・・・?
登場メカ
ファーストシーズン
セカンドシーズン
00P SPECIAL EDITION
関連動画
関連項目