正教会とは、
ここでは1の解説を行う。
初めに言っておくと「ロシア正教会」という宗派は存在しない。正教会のロシア支部の名前である。同じように日本には日本正教会という組織があり、日本を管轄としている。つまり各地の「○○正教会」は2を除いてすべて同じ宗派であり、正教会の下にあり同じ信仰である。ロシア正教会はつまり日本レスリング協会愛知支部みたいなもん。愛知流レスリングというのは存在しないのと同じであり、ロシア正教に改宗するというのは愛知流レスリングを習うというのと同じくらい変な表現である。あなたがロシア在住ならともかく。
ただ、日本には正教会は1868年にロシアから伝来したのと、国としての存在感や日本とのなじみが良くも悪くも他の正教会圏の国より大きいこともあって、ロシアの宗派であるというイメージを持っている人も多い。そりゃあボスニアとかモルドバとかとロシアでどっちが知名度あるかっていうとね・・・。ただ、かつての東ローマ帝国(ギリシャやアナトリア半島を中心に存在した国。ビザンツ帝国とも呼ばれる)の宗派でありむしろ本場はギリシャである。
正教会=ロシアというイメージのため実際明治時代対露関係が悪化すると信者は非国民だの露探(ようするにロシアのスパイ)だの言われる羽目になった。
主にバルカン半島以東のアルバニア以外東欧のほぼすべての国と一部の旧ソ連圏で信仰されている、プロテスタント、カトリックと並ぶ宗派の一つで、東ローマ帝国、その滅亡後は東欧で発展したため東方正教会、ギリシャ正教会、オーソドックスなどと呼ばれることもある。
8世紀ごろから、ローマなどの西欧地域と東ローマ帝国ではキリスト教の解釈論の違い(三位一体とか)、聖像論争(キリスト像やマリア像はキリスト教で禁じられている偶像崇拝ではないかという論争。東欧はイスラム圏に近く聖像を用いることを当時イスラム教徒から嘲笑されていた)、教義の乖離などがおこり、お互いに次第に対立するようになった。そしてついに1054年、東ローマ皇帝とローマ教皇がお互いを破門しあい、完全にキリスト教が分裂してしまうという騒動が起きて、これが現代も続いているというわけである。世界史でもこの辺は習った人も多いのではないのだろうか。この問題、何度か和解しようという動きもあったようだが結局うまくいかず、投げっぱなしである。それまでもアリウス派など分派などはなんどか起きていたが、それらと異なりカトリック側も正教会を駆逐することはできなかったのである。
このため、正教会側の見解としては、「カトリックは俺から分派していった奴だ。俺が1世紀から正統なキリスト教を継承している」というとらえ方をしている。オーソドックスというのも俺がオーソドックスであり正統であるということである。そりゃ自分で私はカルトですとか私が分派ですとは普通言わないからね。
東ローマからは主に東方への布教がなされ、当時異教徒であったブルガール人やスラブ人を改宗させることに成功した。これが正教会圏を形成していくことになる。
多くの国が冷戦期は東側陣営に属したため、共産党に弾圧された歴史を持つ。現在は復活しつつあるがソ連では教会が壊されたりしたことは有名。
日本では約一万人しか信者がいない。ミッション系大学も日本にはなく、教会自体の数も少ない。これはカトリックプロテスタントと異なり東欧が列強として植民地を獲得し布教することが出来なかったので広まりにくかった、冷戦期共産党に弾圧された上日本とは逆の東側陣営で交流しにくかった、日本ではあまり正教会圏の国々がなじみがない(フランスやイギリスとセルビアやマケドニアでは前者の方が知っているだろう?)、またロシアとの関係も必ずしも良くない、などいろいろ考えられるがカトリックのだいたい40分の1、プロテスタントの50分の1である。全世界でも2億人ほどしかいない。
日本にはあまりないがタマネギ型のまるでモスクのような教会があったらそこはたぶん正教会です。この様式はビザンツ様式と呼ばれここからもギリシャで発展した宗派だというのがわかる。あと長椅子などが中にはない。像は偶像崇拝になるため置かないが代わりにイコン(キリストやマリアやその他聖人の絵)はある。十字架も六端十字や八端十字が用いられることが多い。(右肩下がりの棒の入った十字架。キリストが処刑されるとき、キリストの隣で一緒に処刑された死刑囚が2人おり、左側の囚人はキリストを罵ったが、右側の囚人は自分が処刑されるのは悪さしたからです、主よどうか神の国へ行ったとき私を思い出してくださいと悔い改めたため、右側の囚人が天へ上る様を表している)
あと儀式でスラブ語やギリシャ語がしばしば用いられる。さんざんキリストキリスト言ってきておいてアレだが正教会ではギリシャ語読みしてハリストスと読む。このため「名古屋ハリストス正教会」みたいにハリストスって名前が入っていたらそこが正教会の教会である。「ハリストスって誰?」って思われるかもしれないがキリストのことである。
三位一体の解釈などが他二派とは違う。聖霊は父からのみ発する。また当たり前だがローマ教皇の権威を認めないし煉獄も否定している。総主教はいるがコンスタンチノープルのほかにもアレクサンドリアなどにもおり、その上位性は名目的なものである。なので厳密には教皇みたいな人は認めない。
またどちらかというと聖書を比ゆ的に解釈する傾向がある。なのでマリアの処女懐胎には否定的である。
掲示板
159 ななしのよっしん
2023/12/26(火) 03:14:05 ID: 5TIcsFuew/
なんでやたら例えに名古屋が出てくるんだ…
160 ななしのよっしん
2024/01/24(水) 23:10:48 ID: eRZcrEfSnP
名古屋は正教会の協会が結構あるからじゃない?
半田と豊橋は市か県の文化財になってる他、名古屋ハリストス教会がある
161 ななしのよっしん
2024/04/21(日) 21:49:21 ID: PBAIV0rfCN
ちなみに>>74で挙げた、現地国王が正教会を設立する権限は、1833年のギリシャで文句なく成立している
当時のギリシャは1830年にオスマン帝国から独立を宣言した
しかし、世界総主教がこの独立を認めて自らギリシャ総主教を名乗ると、オスマン帝国の総主教としてスラブ諸民族の教会をしはいする権限が失われる
そこで世界総主教はギリシャ正教会の設立を拒否し、首座主教承認権は変わらずオスマン皇帝にあると主張した
これに対してギリシャの正教徒は国王オトン1世の承認を得て、ギリシャ正教会の首座主教を選任する
正当性の根拠は何処の総主教でもなくオトン1世である。遅れて1850年、世界総主教はアテネ大主教をギリシャ正教会首座主教と認めた
"天皇陛下の正教会的な権限"という権限は、憲法ではなく正教会の教会法が根拠だ
天皇が憲法上断っても、形式上は憲法の定めにより内閣と文科省が代行して日本正教会の請求を受理すれば、教会法通りの独立は何も問題ない
さて、日本正教会がロシア正教会からの独立を
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最終更新:2024/04/25(木) 22:00
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