殺せんせーとは、週刊少年ジャンプに連載中の漫画『暗殺教室』に登場する主人公である。
CV:小野坂昌也(VOMIC版) / 関智一(OVA版) / 福山潤(TVアニメ版) / 二宮和也(実写映画版)
概要
成り行きで私立椚ヶ丘中学校3年E組の担任となった、マッハ20でヌルヌル動くタコのような謎の生き物。いかにも宇宙人、というか旧来の火星人イメージ図のような姿だが、当人は「れっきとした地球生まれの地球育ち」であると主張し、宇宙人であることを否定している。自称・「月を爆(や)った張本人」であり、翌年3月には地球をも壊そうとしている。
どこかの研究所で生まれたかのような描写があり、本人は人工的に造られた生命体であると解説するが、回想中のシルエットや烏間の発言から、元は人間であった可能性が強く示唆されている。また、その時に今際の際にある女性から教師になるよう頼まれており、それが超常の力を持ちながらも3年E組の担任へ拘った動機のようである。そんな彼が何故月を壊す必要があったのか、また、何故今度は地球を破壊しようとするのかは今のところ不明。だが、理事長・浅野だけは、国の代表で来ている烏間すら知らない事情を何か知っているようで、「悲しい生物(おかた)ですね、地球を救う救世主になるはずが、地球を滅ぼす巨悪に成り果ててしまうとは」と、意味深な発言を残している。
本人曰く「特に名は無い」「好きなように呼んでもらって構わない」らしいが、『誰にも殺せない先生』という理由で、E組生徒の茅野カエデから「ころせんせー」というニックネームを名付けられた。
生徒が親しみと畏怖を以て付けてくれた名前ということで、本人はこの名前を結構気に入っている様子。
スペック
- マッハ20
- 殺せんせーの象徴・その1。ファルコンHTV2の飛行実験段階で2度失敗している速度で、継続的に安定して「飛び続けることが出来る」。E組内での暗殺回避に始まり、昼休みの買い食いから体育の反復横跳びまで、あらゆる行動に「マッハで」の枕詞を付ける(そして、有言実行する)ことに拘る。多くの場合、己の戦闘力を誇示するためか、攻撃の回避を含む高速移動中にテストの採点や暗殺者へのお手入れなど何かしら別行動を並行することが多い。ちなみに、実際にマッハ20で飛行や移動を行えば、「推定先端角度θ≒2~3°(※sinθ=1/20)」の衝撃波および空気圧縮に伴う加熱が発生、そこに少しでも接触した部分は衝撃波の刃に切断された上に焼けて消し炭になってしまうと考えられるが、殺せんせーの場合、頑張って「ぬめり」を分泌することにより摩擦係数を抑えたり、頭頂部をダイラタンシー現象で硬化させたりで対処しているらしい。また、どう頑張っても頭が切断されるだろうという超鋭角の衝撃波も、軟体だから身体を変形させてどうとでも回避できそうである。それでもどうやって周囲に衝撃波の被害を出さずに飛んでいるかは考えてはいけない。
- 服装
- 殺せんせーの象徴・その2。前作の脳噛ネウロは仮にも魔"人"ゆえ人間に近い体裁を保っていたが、殺せんせーは完全に人外体型。にも関わらず誰が調度したのか、正方形の大学帽を被り、ガウンを羽織り、自らが破壊した(と自称する)三日月をあしらったタイまで付いたアカデミックドレスを着こなし、きっちり正装している。
お忍びでE組クラス外に出る時は、正体を隠すため付け鼻や手袋、ヅラや帽子といった変装セットで人間(?)に変装する。どう見ても頭部対体の比率がおかしい事や、関節が曖昧な事で端から見れば怪しさ満点だが、絶対にバレないのは、ばいきんまん&ドキンちゃんやムサシ&コジロウの変装が絶対にバレない時代から代々続くお約束である。
- 再生力
- 政府特製の対先生用特殊BB弾とゴム状ナイフ(人間には一切無害だが、殺せんせーに対しては触れただけで細胞を破壊する素材)があり、現在のところ、政府から支給されたこれらが殺せんせーを暗殺できる人間側唯一の武器となっている。ただし驚異的な回復能力を持ち、数秒もあれば完全に再生するため、不意打ちで触手1本を切断させた程度では暗殺どころか傷を与えるにも至らない。
- 耐毒性
- 人体には明確に有害である水酸化ナトリウム水溶液、酢酸タリウム、濃硫酸、王水などを飲んでも、表情と頭部の形状が一時的に変化するくらいで全く致命傷にはならない。液体にとどまらず、通常の生物にとっては物理面・成分面とも極めて致命的で有害な鉛の銃弾さえも、撃ち込まれたそばから体内で赤熱→溶解されてしまう。一応生物であり細胞もあることは確認されているが、根本的に地上の一般生物と違うのも間違いないようである。
- 粘液
- 前述のとおり、ちょっと頑張ることで体表から分泌することができる。用途も空気抵抗を抑えるための潤滑目的から、中学生一人をまるっと絡めとるほどのトリモチ級粘着力、油とり紙で吸着すれば銃弾すら止めるほどに肥厚、人肌に使えばミクロの汚れを洗い落とし、入浴すれば浴槽の湯を丸ごと煮こごり状に凝固させるなど、自由自在何でもあり。また、1ヶ月に1回限定で「脱皮」を行って古い粘膜を脱ぎ捨てる事があり、その皮膜は緊急回避や生徒の保護にも活躍する。
- 触手
- 殺せんせーの象徴・その3。前述の再生力と粘性自在を誇る脅威の触手が更に10本ほど生えており、しかもマッハの速度で動き変幻自在にいくらでも伸びる。先端がドリルにもなる。そこまでして薄い本で触手プレイをさせたいのであろうか? まったく、実にけしからん触手でゲソ。
- 顔色・体色
- 作者曰く「カラーリングは基本完全フリー。何なら皆さんで塗って下さい」とのことで、実際に作中でも緑色だったり黄色だったり肌色だったりする(ただし、1巻カバー裏では普通の状態で黄色とされている)。また、以下の様な法則で変化することが、潮田渚(や烏間惟臣)の観察によって確認されている。
- 完全防御形態
- 月一しか使えない緊急回避の奥の手「脱皮」も使い果たし、マッハ20をもってしても回避しきれないと判断した時の、奥の手中の奥の手。全身および全触手質量を凝縮させてエネルギー体へと変換、それらを失う引き換えに、縮んだ頭部の周囲に高エネルギー体を結晶化させ、オレンジ半透明の水晶球のような姿に変化する。
この結晶体は絶対防御を誇り、弱点の水、対先生物質、核爆弾の熱量すら受け付けない。ただし結晶は約24時間経つと自然崩壊して元の姿に戻る上に、結晶化している間は一切の身動き、抵抗、目を伏せる事すら出来ないなど大きな制約が生じる。まるで真・バーン様の瞳化術を受けたような状態である。
その他、エネルギー⇔結晶化質量 の配分は殺せんせー自身が微調整できるようで、結晶化するとき&結晶崩壊するとき、質量の一部をエネルギーとして発散することで意図的に爆発を引き起こすことができる。ドラクエで例えるならば、死なずにメガンテ&アストロン同時詠唱というチート奥義である。ただし自動発動ではなく、殺せんせー自身が危機に気づいて能動的に・リスクを受け入れて使用しなければならない。結局、生徒側もこれをやられる前に気づかれず暗殺するしかない、ということで、結局前提条件は従来とあまり変わっていなかったりする。
- 反物質砲(仮)
- 完全防御形態になった時の体験を応用した、新しい攻撃技。
全身ではなく触手質量の一部のみを圧縮し、対消滅させてエネルギーを取り出すことでかめはめ波もどきの波動砲を発射する。
人物像
前作の脳噛ネウロにも通じる超人的なスペックを誇る一方で、ネウロとは対照的に、性格は非常に人間臭い。
- タコとして
- 殺せんせーの象徴・その4。人間に対して「ターコ!」呼ばわりした場合、多くの場合、少なくとも日本では挑発か侮辱と受け取られるが、殺せんせーにとってはタコのような見た目と触手はアイデンティティであり、タコ呼ばわりされて気分を害することはない。むしろ自分から喜んでそれらをネタにしている。
- 教師として
- 星を破壊するという物騒な宣誓が嘘のように、教師としては人格者であり指導力も非常に高い。生徒達からは教え方が上手いと評判である(ただし、体育だけは彼の人間離れし過ぎたスペックゆえに不評だった)。さらに生徒達の悩みに対しては、自身の持つ数々の異能を生かした大胆な方法で、徹底的と言えるほど真摯に生徒の悩みに向き合い、付き合い、助言を行う。そのため暗殺対象にも関わらず生徒たちからはそれなりに慕われている。
- 先生曰く、「君たちと真剣に向き合うことは、地球の終わりよりも重要なのです。」
- 趣味
- 超音速巡航;マッハ20の飛行能力を生かした世界のグルメ食べ歩き旅行。中国四川省に麻婆豆腐を食べに行ったり、ハワイで買ってきたヤシの実を殻ごとかじったり、北極の氷を持ち帰ってかき氷づくりにいそしんだり、イタリアでジェラートを買って溶かさないようにわざわざ寒い成層圏を苦労して飛んできたりと、食べるネタには事欠かない。ただし、それらの代金は基本的に教師としての給金から出されており、 給料を使い切るドジをやってしまった際には、生徒達に理科の授業の教材と称してお菓子を買わせるなど、なかなかずる賢い手で食糧を確保していた。
- 食性
- 大の甘党で、炭水化物・脂質メインのスイーツ大好き。ただしこれらはあくまでも味の嗜好であり、本性はとんでもなく悪食。ヤシの殻、ボールペン、マグカップ、コンバットナイフなど、どう見ても食用に適さない物質をバリバリと噛み砕いて食べてしまう強靭な歯と咀嚼力、消化能力を持つ。給料日前でお菓子類が買えない懐事情の時は、しまいに路上配布のポケットティッシュを唐揚げにして食べだすという始末である。
- 口癖
- ・驚いたり図星を突かれた時「にゅやッ!?」(ややっ!?)
- ・ナメきった笑みを浮かべる時「ヌルフフフフフ」(ウフフフフ)
- ・言われたことを聞き返す時「にゅ?」(ん?) ※アニメ版のみ
- 長所
- 描くのがめっちゃ簡単 (※松井優征談)
弱点
常識離れした能力を持つ超生物だが、多くの弱点が存在する。端的に言うと「超生物のくせに小心者でスケベ」。
※うち灰ベタ白字のものは、E組でなく部外者・シロの手で判明したもの。
松井優征曰く、「ネウロは完全無欠すぎて逆に動かしづらかったので、今度の主人公は弱点だらけにしよう」と思い立った結果、こうなったらしい。
- 弱点1 「カッコつけるとボロが出る」
- 弱点2 「テンパるのが意外と早い」
- 弱点3 「器が小さい」
- 弱点4 「パンチがヤワい」
- 弱点5 「おっぱい」
- 弱点6 「上司には下手に出る」
- 弱点7 「知恵の輪でテンパる」
- 弱点8 「乗り物で酔う」
- 弱点9 「枕が変わると眠れない」
- 弱点10「世間体を気にする」
- 弱点11「猫舌」
- 弱点12「しける」
- 弱点13「下世話」
- 弱点14「ベタベタで泣く」
- 弱点15「噂に踊らされる」
- 弱点16「脱皮直後」
- 弱点17「再生直後」
- 弱点18「特殊な光線を浴びると硬直する」
- 弱点19「シリアスの後我に返ると恥ずかしい」
- 弱点20「安い絵しか描けない」
- 弱点21「夏バテ」
- 弱点22「プールマナーにやたら厳しい」
- 弱点23「泳げない」
- 弱点24「夢をすぐあきらめる」
- 弱点25「案の定オカルトに弱い」
- 弱点26「集まりが悪いと自分に価値が無いような気になる」
- 弱点27「音痴」
- 弱点28「隠れるのが下手」
- 弱点29「役職で図に乗る」
- 弱点30「心臓」
- 弱点31「他人なのに親バカ」
- 弱点32「傷つかないよう保険をかける」
- 弱点33「『自分たちのサッカー』が何なのかよく知らない」
- 弱点34「実況下手」
- 弱点35「運転すると性格が荒む」
- 弱点36「リストラ」
主に人間臭さから来る弱点がほとんどであり、中には弱点と呼べるのかも疑わしい、ただの性格癖や玉に瑕レベルの些細なメンタル面の難点も数多い。しかし、弱点2.「テンパるのが意外と早い」に始まり、急激な環境変化で殺せんせーをパニックに陥れることで、一時的にとはいえ触手の扱いを鈍らせ、反応速度を人並みにまで落とすことが可能であることが分かっている。加えて、「自分に向けられた殺意」「自分に当たりそうな致命打攻撃」に対する回避行動は超速だが、逆に「殺意の乗っていない攻撃」や「当たらない攻撃」、「殺せんせー以外を狙った攻撃」に対しては反応が遅れる傾向にある。そのため潮田渚は、いつか暗殺の手掛かりになるかもしれないからと、これらの弱点を逐一メモしている。
また、身体的な弱点として、
1つ目は前述のとおり政府特製・対先生用特殊BB弾とゴム状ナイフがあるものの、マッハで回避できる殺せんせーにとっては「当たらなければどうという事はない」理論でまだ脅威にはなっておらず、当てるには一瞬の隙か、意識の虚を突いた不意打ち、そして外道ではあるがE組生徒を人質・標的・巻き添えにした無差別攻撃くらいしか方法がない
(最後のE組巻き添えに関しては、生徒が生命の危機に晒されるような暗殺手法に幾度と無く巻き込まれた結果、E組内で国への禁止事項要求が纏められ、烏間経由で防衛省に提出されている)。
2つ目は弱点23.「泳げない」。粘液で煮こごり状に固めでもしない限り、殺せんせーの体は水分を吸うとただちにふやけてしまい、動きが鈍くなる上に的も大きくなる。もっとも、殺せんせー自身がこの弱点は百も承知であるため、水に落とされないだけの自信と、万が一水に落とされた場合の二重三重の策を用意しており、こちらも現状はまだ決定打に繋げられていない。
3つ目は弱点30.「心臓」。三日月ネクタイの真下に位置し、この急所を対先生武器で貫けば無限の再生力を無視して一撃で絶命させられるらしいが、衣服とマッハ触手で多重防御されており、エアガンや徒手ナイフの瞬発力で貫通するのは中々難しいものがある。
例外的に、「触手の弱点は触手」というものもあり、同じ触手同士対決であれば対先生武器なしでも有効打となる。
ドラゴンタイプやゴーストタイプがそれぞれ同タイプ同士の対決で互いに「こうかはばつぐんだ!」になるのと同じ理屈であろうか。
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関連項目