民王とは (タミオウとは) [単語記事]

概要

ある日、総理大臣の父親と、漢字もろくに読めないバカ息子の心と体が突然入れ替わってしまう。
これをきっかけに日本国民を巻き込んだ壮大なドタバタ劇を描いた作品で、「政治」という敬遠されがちなテーマを痛快なストーリーで描いている。

2015年 7月にテレビ朝日系でドラマ化された。
主演は遠藤憲一・菅田将暉。

「半沢直樹」等、既にドラマ化して馴染みの深い池井戸作品の多くは、シリアスなストーリーの中に適度に笑いをもたらす描写を挿入するものが多かったが、今作ではほとんど終始コメディーに徹しており、中には漢字が読めない総理や、異国の首脳相手に「Who are you?」と言った総理（これは捏造だが）といった、かつての首相や政治家たちの報道を彷彿とさせるシーンがある。
また、池井戸作品ではお馴染みの「東京第一銀行」が今作でも登場。

あらすじ

総理大臣の武藤泰山と、息子で大学生の翔の人格がある日突然入れ替わる。
泰山となった翔は首相として振る舞うが、それまで政治に関心がなかった上に漢字も読めないために国会答弁で悪戦苦闘する。
一方、翔となった泰山は翔の代わりに就職活動をすることとなるが、面接官相手に上から目線な発言で論破して不採用をもらうなど、こちらも苦労を重ねる。

主要登場人物

武藤泰山（むとうたいざん）演:遠藤憲一: 内閣総理大臣。民政党代表。
かつては自分なりの理想があって政治家となったが、長年の政治闘争でいつしかそれを忘れ、家庭も顧みなくなってしまった。そのため、翔からは最低の男と思われている。
総理大臣となって間もなく突然翔と人格が入れ替わってしまい、翔の代わりに就職活動をする羽目に。しかし偉そうな態度が面接官に嫌われてことごとく落とされる。
おバカな息子が総理大臣としてやっていけるかが心配になり、結局カバン持ちとして総理に付きっきりとなる。
武藤翔（むとうしょう）演:菅田将暉: 泰山の息子で大学生。遊びに明け暮れる今時の学生。就活中だが内定はまだない。
政治には全く関心がなく、家庭を顧みない泰山に嫌気がさしている。
総理大臣となった父と突然入れ替わってしまい、無縁だった政治の世界に飛び込む羽目になるが、「未曾有（ミゾウ）」を「ミゾユー」と読んでしまう等、漢字もろくに読めないことから「武藤総理」ならぬ「ムノー総理」と揶揄される。
原作では如何にも反抗期という感じの跳ね返りの強い性格だったが、ドラマ版では美容や料理に詳しい「女子力男子」に変更されており、真衣に憧れを抱いているという設定が加えられた。
南真衣（みなみまい）演:本仮屋ユイカ: 翔の同級生。学生起業家でもあり、アメリカの医薬品や健康食品の輸入販売を行うベンチャー企業を立ち上げている。
ドラマ版では設定が変わって翔の先輩となり、また立ち上げたのは職業紹介会社となっている。
後に貝原の作戦によって総理の秘書見習いとして働くこととなる。
村野エリカ（むらの -）演:知英: 翔の同級生。政治家を志望している。
真衣を尊敬し付き従っているが、翔のことは見下している。
泰山の政敵・蔵本志郎の娘。
新田理（にったさとる）演：山内圭哉: 警視庁公安第一課の警視。
ヤクザのような風貌だが、キャリア組のエリートで捜査能力抜群の優秀な刑事。
泰山らの入れ替わりの真相究明に奔走する。
小中寿太郎（こなかじゅたろう）演：六角精児: 政治評論家。関西弁を話す。
泰山とは何らかの因縁があり、テレビ番組等では何かにつけて泰山をこき下ろす。
翔の通う大学で講義も行っている。
貝原茂平（かいばらもへい）演:高橋一生: 総理の公設第一秘書。泰山と翔の入れ替わりを当初から知らされる。
真面目でクールな性格だが、結構毒舌家でもあり、酒を飲むと豹変する一面も。
狩屋孝司（かりやこうじ）演:金田明夫: 内閣官房長官で、泰山の盟友。貝原と共に入れ替わりの事を最初に知らされる。
情に厚い性格だが、女性関係にだらしない。原作では「変態バナナ官房長官」、ドラマ版では「おしゃぶり官房長官」というあだ名を付けられる。
武藤綾（むとうあや）演：峯村リエ: 泰山の妻で翔の母。
志を持っていた若き日の泰山に惚れて結婚したが、政治家になってからは泰山が女性問題を起こしたため、現在では夫婦関係は冷え切っている。泰山の浮気の黙殺の見返りとして1億円を請求している。
蔵本志郎（くらもとしろう）演:草刈正雄: 憲民党党首。泰山の政敵であり、政権交代を狙っている。
ダンディな男で女性にモテる。
城山和彦（しろやまかずひこ）演:西田敏行: 民政党副総裁。泰山も所属する城山派のボス。
典型的な金権腐敗政治家であり、泰山も内心忌み嫌っている。