沖縄県民投票の記事では、沖縄県内で実施された住民投票について扱う。
根拠となる条例の正式名称は、「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票条例」[1] 。
目的は、「普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地施設の埋立てに対し、県民の意思を的確に反映させること」(同条例第1条)。
賛成の投票の数又は反対の投票の数のいずれか多い数が投票資格者の4分の1に達したときは、知事はその結果を尊重しなければならない。またその場合、知事は、内閣総理大臣及びアメリカ合衆国大統領に対し、速やかに県民投票の結果を通知する(同条例第10条2項、3項)。
「『辺野古』県民投票の会」の副代表・安里長従によれば、1996年の県民投票で問われた「日米地位協定の見直しと県内の米軍基地の整理縮小」や2016年に福岡高裁那覇支部が解釈する「普天間飛行場その他の基地負担軽減を求める民意」との違いを明確化させ、「辺野古新基地建設の埋立て」に対しての民意を問うためである。
また投票結果は、法的拘束力はないものの、沖縄県の事情変更や県民の意思を示すものであり、沖縄県知事が辺野古新基地建設のために埋立てを承認したことを撤回する根拠となり、日本国憲法第95条が求める住民投票と同じ状態になると主張している[2]。
成蹊大学法科大学院教授の武田真一郎は、辺野古新基地建設のための埋立承認の根拠となっている、公有水面埋立法4条1項にある「国土利用上適正かつ合理的であること」という規定を挙げ、県民の反対が明確化されれば、この条文に反することになると主張している[3]。
2015年、前年辺野古新基地建設に反対して当選した翁長雄志県知事の下で、辺野古新基地建設の信を問う県民投票の気運が高まる[4] 。
2017年1月28日に行われたシンポジウム「沖縄はどうすべきか」(主催・沖縄対外問題研究会)では、基地建設阻止の手法として、埋立承認の留意事項に国が違反した場合それを事由として「撤回」をすること、近年世論調査等で6~8割かそれ以上の県民が辺野古新基地に反対しているという「民意の高止まり」があることを受け、「白黒はっきりさせる」ための県民投票を「天王山」として行うことが意見として出された[5]?。
同年4月6日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する政党、経済会有志、市民団体らでつくる「オール沖縄会議」内で、新基地建設の是非を問う県民投票の実施に向けた具体的な検討を進めていることが分かる[6] 。
8月25日、翁長雄志県知事は記者会見で、名護市辺野古の新基地建設を巡り、県民投票で改めて建設反対の民意を示した上で、埋め立て承認を撤回すべきだという意見に「県民が必要性を考えながらやるか、やらないか。県民主体で実施する意義は大きい」と述べ、住民署名による直接請求での県民投票に理解を示した[7] 。
12月23日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、県議会与党が新基地の賛否を問う県民投票を2018年11月に想定される沖縄県知事選と同日に実施する案を検討していることが分かる[8] 。
2018年3月16日、沖縄県の謝花喜一郎知事公室長と県議会与党の全議員が、県議会で名護市辺野古の新基地建設問題を巡る県民投票について意見を交わす。同席していた金秀グループの呉屋守將会長は、「知事は県民の総意をまとめて撤回してほしい。県民投票は唯一最強の手段だ」と語る[9] 。
4月3日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票に向けて、県内や県出身の大学生、経済関係者らでつくる「辺野古県民投票を考える会」が、月内に県選挙管理委員会に届け出て、署名活動を始める準備を進めていることが分かる。金秀グループの呉屋守將会長も賛同し、資金面を含めた支援を検討[10] 。
5月1日、辺野古新基地建設に伴う埋め立て工事の賛否を問う県民投票の実施を目指している「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表が、住民投票実施請求書を提出。翌2日、県庁前で記者会見を行ない、「県民投票は、賛成の人も反対の人も思いを形にできる民主主義の下にある。自分の考えを主張、議論し県民で考えて決めよう」と主張する。「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来。」をテーマに掲げる[11] 。
5月20日、与党・社会民主党県連が、署名活動に協力することを表明[12] 。
5月23日、「『辺野古』県民投票の会」は、署名集めを開始[13] 。
5月26日、沖縄社会大衆党は、「『辺野古』県民投票の会」に協力することを決定。大城一馬委員長は、「辺野古新基地建設を止めるために、県民が一つになってあらゆる手段を講じなければならない。県民投票の成功は知事の承認撤回を後押しし、その意義は大きい」と語った[14] 。
5月31日、これまで「市民運動として尊重し、協力は党員の自主判断」とする立場だった日本共産党沖縄県委員会・県議団は、県議会内で記者会見を開き、米軍新基地建設(同県名護市辺野古)のための埋め立ての賛否を問う「県民投票条例制定署名運動」に、協力することを表明した[15] 。これにより、県政与党3党が一致することとなった[16] 。
7月17日、「『辺野古』県民投票の会」は、沖縄県庁で記者会見を開き、県民投票実施に必要な署名が3万3722筆に達したと発表した(必要な署名数は、県内有権者数の50分の1にあたる約2万3,000筆)[17] 。
7月27日、翁長雄志県知事は、沖縄防衛局の工事が環境保全に配慮していないことや軟弱地盤などの問題が判明したとし、前知事の埋め立て承認について「公有水面埋立法の効力を存続させるのは公益に適合しない」として撤回する意志を表明[18] 。
7月30日、「『辺野古』県民投票の会」は、県庁で記者会見を開き、直接請求を行うために集めた署名が約10万979筆に上り、41市町村全てで有権者の2%を超えたと発表。[19] 。
8月31日、沖縄県は米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、仲井真弘多前知事による埋め立て承認を撤回した。撤回で埋め立ての法的根拠が失われ、工事は中断した[21] 。
9月5日、「『辺野古』県民投票の会」(元山仁士郎代表)が、謝花喜一郎副知事に県民投票の条例制定を請求した。有効署名数は9万2,848筆(必要署名数は約2万3,000筆)。[22] 。
9月20日、知事職務代理者の富川盛武副知事は、住民から条例制定を直接請求された「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例案」と、県民投票の必要経費5億5,139万円を計上した補正予算案を、県議会臨時会に提案した。予算案は総務企画委員会、条例案は米軍基地関係特別委員会に付託され、県知事選後に参考人招致や質疑を行い、10月10日に両委員会で採決を行う審議日程を確認した[23] 。
9月30日に投開票した、沖縄県知事選挙で、無所属新人の玉城デニー前衆議院議員が、同知事選過去最多の39万6632票を獲得し当選した[24] 。
10月10日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、埋め立ての賛否を問う県民投票条例案と関連予算案を審議している県議会で、米軍基地関係特別委員会と総務企画委員会が開かれる。質疑の中で、県は投開票など市町村が担う事務委託について41市町村のうち35市町村が同意し、県議会の議論を見守りたいなどの理由でうるま市、浦添市、宜野湾市、豊見城市、糸満市、石垣市の6市が回答を保留していることを明らかにした[25] 。
10月12日、玉城デニー知事は12日午後、首相官邸で安倍晋三首相、菅義偉官房長官と就任後初めて会談した。玉城知事は会談の冒頭、知事選を通じて「辺野古新基地建設は認められないという民意が改めて示された」と基地建設に反対する立場を伝え、「安全保障の負担は全国で担うという問題であり、民主主義の問題であるという認識のもと、早急に話し合いの場を設けていただくことを期待したい」「米軍普天間飛行場の5年以内の返還は辺野古移設とは関わりなく実現すべきだ」とし、普天間飛行場の負担軽減推進会議の開催や、 米側との協議を求めた[26] 。
10月16日、沖縄県議会米軍基地関係特別委員会は、当初採決をこの日に予定していたが[27][28]、午前中に自民党・公明党が、「賛成」「反対」の選択肢に「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えて4択にすることなどを盛り込んだ修正案を提出することを通知し、午後提出されたことにより、辺野古新基地の是非を巡る県民投票条例案の採決を見送った。[29] 。
同日、防衛省沖縄防衛局は、名護市辺野古の新基地建設に伴う沖縄県の埋め立て承認撤回を受け、石井啓一国土交通相に対して行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立てた[30] 。
10月17日、石垣市議会(平良秀之議長)は、9月定例会最終本会議で同条例に反対する意見書案を与党などの賛成多数で可決した。「一定の政治的主義主張を公費を使用して訴える手段となっている」としている[31] 。
10月26日、県議会(新里米吉議長)は、10月定例会の最終本会議を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票条例案を巡り、県政与党が提出した選択肢を「賛・否」の2択とする修正案を社会民主党・沖縄社会大衆党・結の会の12人、会派おきなわの8人、日本共産党の6人、与党系無所属議員1人による賛成多数で可決した。一方、野党自民党の14人と中立会派公明党の5人が提案した選択肢を4択とする修正案は賛成少数で否決された[32] 。中立会派の維新の会はいずれの修正案の採決の際に退席した。条例案可決により、6カ月以内に県民投票が実施されることとなった[33]。同日、県民投票条例案の必要経費5億5139万円を含めた総額約28億9千万円の2018年度補正予算案を与党3会派、日本維新の会の2人の賛成多数で可決した[34]。
採決に際して、野党からは「与党がかたくなすぎて、与野党で一緒にやっていこうと環境づくりをしていなかった」という声が出る。与党県議の一人は自公の不満に「一本化の協議を何度も呼び掛けたが向こうが応じなかった」と反論する[35] 。与党最大会派の社民・社大・結の照屋大河会派長は賛成多数による可決だったことに「地方自治法による直接請求だったので、野党にも賛成してほしかった。地域の人たちが意思表示ができる県民投票を実施してほしい」、会派おきなわの平良昭一幹事長は、石垣市議会の動きなどを念頭に「県民の意思を示すのは大事で、協力しないと地域住民の権利さえ奪ってしまう可能性がある。当然協力しないといけない」、共産党の渡久地修団長は「知事選などで民意を示してきたが、政府はいろんな民意があると無視してきた。県民投票で明確に賛否を示すのは意義がある。政府が反論できない民意を示していこう」、野党自民党の照屋守之県議は「4択の方が民意は明確になる。『賛否』だけでは逆に県民の意思を強制的に集約させる。民主主義社会を否定することになり、投票を棄権する県民も増える懸念がある」、公明党県本の金城勉代表は「条例が決まった以上は県民の判断を尊重する。今後の推移を見守りたい。ただ民意を問うのであれば賛成、反対だけではやはり民意をすくい上げるには足りない」、維新の会の當間盛夫会派長は「やるのであれば司法判断が出る前にやるべきだった。ただ、やるとなった以上、県民の意思を示す部分があるということでは賛成だ」とそれぞれコメントした[36] 。
10月27日、琉球新報の取材に対して、投開票など市町村が担う事務委託について沖縄県の回答を保留している6市のうち、浦添市と豊見城市の2市は協力する方針であると分かった。浦添市の松本哲治市長は「県知事選で民意は既に示されているにもかかわらず、5億円以上もの税金を費やして再確認をする必要性には甚だ疑問を感じているが決定したことには協力する」、豊見城市の宜保晴毅市長は「2択以外の選択肢があった方がいいと考えていた」「市としては条例を破り県民投票をしないということはできない」とコメントした[37] 。
10月30日、石井啓一国土交通相は記者会見で、防衛省が申し立てていた沖縄県の埋め立て承認撤回の執行停止を決めたと発表した。同日、沖縄防衛局に伝えた[38] 。
10月31日、米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票条例が公布された。同日、石垣市議6人が、県庁で県民投票を所管する多良間一弘・辺野古新基地建設問題対策課長と面会し、市議会で可決した県民投票に反対する意見書を手渡した。面会で平良秀之石垣市議長(公明党)は「8万票という大差で勝利した県知事選を終えたばかりで、一般財源から5億5千万円を活用して改めて民意を問うことに首をかしげる方が大勢いる」と疑問を呈したほか、選択肢が賛成か反対の二択であることに不満を述べた。これに対し多良間課長は「知事選とは別に埋め立ての賛否を明確にしたいと条例制定請求がされ、直接民主制で民意を示す意義はある」と説明した[39] 。
11月1日、辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票の実施に向け、県は県庁に県民投票推進課を設置した。玉城デニー知事は同日、配属された職員12人に辞令を交付した。その上で「県民から直接請求された県民投票は、間接民主制の欠陥を補完する大変意義のあるものだ。県民はもとより、全国的に注目される県民投票を滞りなく実施するという重責を担うことになるが、誇りを持って頑張っていただきたい」と訓示した。県民投票推進課は、投開票事務などを委託する市町村との調整や投票率向上に向けた広報活動を担う。同課の渡嘉敷道夫課長は辞令を受けた後、記者団に対し「県民投票を適正に執行できるように配属された職員、市町村の職員の皆さまとも連携しながらしっかりと事務を執り行いたい。なるべく多くの県民の方に投票していただけるような広報活動をしていきたい」と抱負を述べた[40] 。
11月5日、沖縄県石垣市の中山義隆市長は、実施に必要な補正予算案が石垣市議会で否決された場合の対応について「予算がないものは執行できないので厳しいと思う」と述べた[41] 。
11月6日、玉城デニー県知事は、首相官邸で菅義偉官房長官と会談した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、玉城氏が1カ月間工事を止めた上での集中協議を求めたのに対し、菅氏は工事は止めないが、協議には応じる意向を示した[42] 。
11月25日、条例制定を請求した「『辺野古』県民投票の会」の呼び掛けに応じた自公を除く県議会4会派の代表者と、琉球大の学生らで、シンポジウムが開かれた[43] 。
11月26日、Twitter上で、「今回の沖縄県民投票の怖いところは、県主導ではなく、民間団体主催で、さらに言えば、県民の選挙における個人情報が賛成反対無投票問わず、全県民の情報が民間団体に流出する可能性が高いことなんだよね」という内容のデマが出る[44] 。
11月27日、玉城デニー県知事は記者会見で、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票について、投票日を2019年2月24日に決めたことを正式に発表した[45] 。
11月28日、玉城デニー知事は、官邸で安倍晋三首相と会談し、軟弱地盤を巡る知事の許認可を理由に工事が完遂できない可能性などに言及し埋め立て工事の中止を改めて求めた。安倍首相は「かねてからの米側と進めている計画だ」として工事を進める考えを示した。謝花喜一郎副知事と杉田和博官房副長官の間で続けてきた1カ月間の集中協議の締めくくりとして行われたトップ会談は物別れに終わった[46] 。
11月29日、沖縄県は、埋め立て承認撤回の効力を復活させるため国地方係争処理委員会に審査を申し出た[47] 。
12月4日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、同飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の市議会(上地安之議長、定数26)は、与党が提出した県民投票に反対する意見書を賛成15、反対10の賛成多数で可決した。野党が提出した県民投票に賛成する意見書は賛成10、反対15の賛成少数で否決した。「反対」の意見書は、与党会派の絆輝クラブ9人、絆クラブ3人、公明党3人が賛成し、野党会派の結・市民ネットワーク5人、共産党1人、社民党1人、中立会派の共生の会3人が反対した。意見書は県民投票について「普天間飛行場問題の原点である危険性の除去について全く明記がなく、騒音問題などで長年苦しんでいる宜野湾市民が置き去りにされる」と指摘。「請求趣旨などで普天間の固定化につながる最悪のシナリオに全く触れておらず、強い憤りを禁じ得ない」と懸念を示した。その上で、普天間飛行場負担軽減推進会議の早期再開や一日も早い飛行場の閉鎖・返還などを求めた。野党側が提出した「賛成」の意見書では「住民から選ばれた議員が、市民、県民の直接請求に応えていくのは当然の務めだ」と反論した。「県民投票は一つの問題に対して県民の意志を問う最も有効な手段であり、県民の意志を示す絶好の機会だ」と主張した[48] 。当日、傍聴席では、住民投票に賛成反対双方の市民が押し寄せ、言い合いになる場面もあった[49] 。
12月7日、県民投票の事務作業の実施を保留していた沖縄県糸満市の上原昭市長は6日、市議会12月定例会に県民投票に関する補正予算案を追加提案することを決めた。上原市長は「県から『協力する義務がある』と説明を受け、条例に基づいてやる義務があると判断した」と提案理由を説明した[50] 。
同日、うるま市議会(幸地政和議長)の企画総務常任委員会は、県民投票実施のための事務費用として市当局が提案した予算案を賛成少数で否決した[51] 。
12月8日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事を、少なくとも県民投票がある来年2月24日まで止めてほしいと、トランプ米大統領宛ての請願を募るインターネット署名が始まる。署名はホワイトハウスの請願サイト「We the People」で募る[52] 。
12月9日、「辺野古埋め立て・新基地建設反対の民意を示す県民投票連絡会」が発足し、那覇市の自治会館で開かれた結成総会で共同代表など役員や会則を承認した。結成総会では「辺野古新基地は絶対に造らせない。日米両政府に翻弄されることなく、沖縄のことは沖縄県民が決める。沖縄の未来を切り開く歴史的な闘いに勇躍して立ち上がろう」とするアピールが示された。共同代表には稲嶺進前名護市長、呉屋守将金秀グループ会長、高良鉄美琉球大学法科大学院教授、照屋義実照正組会長の4氏を選出[53] 。
12月12日、宮古島市議会(佐久本洋介議長)は、12月定例会で、与党側が提出した県民投票に反対する意見書を賛成17人、反対5人の賛成多数で可決した。意見書の宛先は県知事[54] 。同日、渡嘉敷村議会(玉城保弘議長)は、定例会本会議で、県民投票条例に反対する意見書を賛成多数(賛成3、反対2、欠席1)で可決した。県民投票の事務費約189万円を含む一般会計補正予算案も、賛成多数(同)で可決した[55] 。
12月13日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、与那国町議会(前西原武三議長)は13日の12月定例会本会議で、与党が提案した県民投票事務に係る経費約255万円を除いた修正予算案を賛成多数で可決した。一方で、外間守吉町長は投票経費について「義務的経費」だとの認識を示し、予算案を今後、再議に付す考えを示した[56] 。
12月14日、日本政府は午前11時、護岸で囲った埋め立て区域に土砂を初めて投入した。土砂が投入されたのは、「N3」「N5」「K4」の護岸で囲われた海域。名護市安和の琉球セメントの桟橋から搬出された土砂を積んだ台船が14日午前9時、「K9」護岸に接岸。ダンプトラックで陸揚げし次々と土砂を投入した[57] 。
12月18日、宮古島市の下地敏彦市長は、県民投票実施のための予算を執行せず、県民投票を実施しない意向を明らかにした。同市議会(佐久本洋介議長)は18日の最終本議会で、県民投票に関する補正予算を削除した修正案を賛成多数(賛成17人、反対5人)で可決。下地市長が再議に付したが、修正案が同様に可決された。下地市長は「議会の議決は、住民から選ばれた議員が判断したもので、大変重い」と述べ、市議会の判断を尊重する意向を表明した[58] 。
12月19日、金武町議会(嘉数義光議長)は、12月定例会最終本会議で、県民投票の事務経費として村当局が提案した補正予算案を、賛成6人、反対9人の賛成少数で否決した。一方、県民投票条例に反対する意見書については賛成9人、反対5人、退席1人の賛成多数で可決した。首長は原案執行権を行使して投票を実施することができる。仲間一町長は権限行使について「町民の権利を奪ってはならないという思いはある。一方で議会の判断も尊重しなければならない。慎重に判断したい」と述べるにとどめた[59] 。
同日、沖縄県は、県民投票を実施しない意向を市長が表明した宮古島市や、県民投票を実施するための予算案が可決されていない計21市町村に対し「技術的助言」をした。技術的助言は、地方自治法第245条の4の規定に基づく手続きで、県民投票実施のための経費が議会で否決された場合でも首長が予算を計上して経費を支出することが適切だという内容になっている。技術的助言では、市町村は投票事務を処理する義務を負うこと、県民投票の実施にかかる経費が議会で否決された場合は市町村長は再議に付すこと、再議に付しても否決された場合は首長が予算を計上して経費を支出することが適切だと指摘した。県が技術的助言をしたのは、那覇市、宜野湾市、石垣市、浦添市、名護市、糸満市、沖縄市、うるま市、宮古島市、南城市、東村、今帰仁村、本部町、金武町、伊江村、読谷村、北谷町、南風原町、粟国村、伊是名村、与那国町の計21市町村[60] 。
12月20日、名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票で、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市と沖縄市、うるま市の3市議会で投票事務経費を盛り込んだ補正予算案の採決が行われ、いずれも賛成少数で否決された。宜野湾市議会では再議でも否決され、松川正則市長は市長権限で予算を執行するか「一両日中に決める」との考えを示した。一方、県の謝花喜一郎副知事は、県民投票を実施しない考えを示した宮古島市の下地敏彦市長を訪ね、地方自治法に基づいて予算を計上し、適切に事務を執行するよう勧告した[61] 。
12月21日、名護市議会(大城秀樹議長)は、定例会最終本会議で、県民投票の事務経費を含む補正予算を賛成多数で可決した[62] 。
同日、浦添市議会(島尻忠明議長)は、最終本会議で、松本哲治市長が「義務的経費」に当たるとして再議書を提出した県民投票実施のための事務費を含む補正予算案を一転して出席議員による全会一致で可決した。浦添市では2月24日の県民投票が実施されることになった。県民投票実施に当たり、浦添市は1962万6千円を計上。14日の定例会で賛成11、反対12の賛成少数で否決されていた。21日の再議では、当初予算案の否決について与党会派「かがやけてだこ会」8人が賛成、野党会派の「仁の会」7人、共産3人、日本維新の会1人の計11人が反対し、賛成少数で「否決」が取り消された。公明4人と無所属の会3人の計7人は退席した[63] 。
12月25日、宜野湾市の松川正則市長は、市役所で会見を開き、県民投票実施のための予算を執行せず、投票事務を実施しない意向を明らかにした[64] 。
12月27日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立て賛否を問う県民投票を巡り、同飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長が投票への不参加を表明したことを受け、市民約25人が27日午前、市役所を訪れ、投票事務の予算執行を求める申入書と判断理由などを問う公開質問状を松川市長に直接手交した。それに対し、松川市長は「改めて回答する」と述べるにとどめた。 申入書は『「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議・ぎのわん」の市民一同』名で手渡した[65] 。同日、メンバー・市民らは宜野湾市役所前で会見し、市長の判断に抗議し、住民訴訟に向けた準備を進めることを発表した[66] 。
12月31日、米軍普天間飛行場の5年以内運用停止の順守や県民投票の実施などを求める市民の有志らが午後3時、宜野湾市役所前の広場でハンガーストライキを開始した。1月3日午後3時までの72時間、食事をせずに水分と塩分だけをとり、座り込む[67] 。
2019年1月1日、新基地建設反対県民投票連絡会は1日、2月24日実施の県民投票について県内全域を対象に実施した世論調査の結果を発表した。回答した2067人のうち、1522人が県民投票に「賛成」と回答し、全体の74%を占めた。「反対」と回答した人は389人(19%)で、「どちらとも言えない」が156人(8%)だった[68] 。
1月4日、県民投票の実施が県内6市で不透明になっていることに対し、県内の文化人ら有志が「県民投票の全市町村実施を求める会」を発足させた。メンバーは、県と県議会に対し、全ての県民が投票の権利を行使できるよう配慮を要請した[69] 。
1月8日、糸満市議会(大田守議長、定数21)は、市議会臨時議会を開き、上原昭市長が再議書を提出した県民投票実施のための事務費に関する補正予算案を議長裁決で可決した。採決では、賛成10、反対10の可否同数になり、大田議長が賛成の判断を示して可決された。市議会12月定例会では、賛成少数(賛成9、反対10、欠席1)で否決されていた[70] 。
同日、ホワイトハウスへの請願署名が20万筆を突破した[71] 。
同日、沖縄市の桑江朝千夫市長が投票事務を実施しないと表明したことについて、市民に県民投票をさせないことは憲法が定める平等権を侵害し、不当だとして、市内の男性(62)が、行政不服審査法に基づく審査を沖縄市に申し立てた。男性は投票事務を実施するよう求めている[72] 。
1月9日、玉城デニー知事は、沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票に不参加を表明した下地敏彦宮古島市長と市役所で会談し、県民投票実施へ再考を求めた。県民投票への不参加を表明している自治体に、玉城知事が出向いて説得するのは初めて。会談は非公開で行われ、終了後、下地市長は現時点で県民投票を実施しない考えは「変わらない」と述べ、要請を拒否したことを明らかにした。玉城知事は、地方自治法に基づく「是正の要求」は行わなかった。会談後、記者団の取材に応じ「対話で解決の糸口を見つけるという姿勢で、率直にお願いをした」とし「投票の権利と実施の義務が全市町村に課せられていることを説明した」などと述べた。一方、下地市長は「知事が県議会の意思を尊重して行動しているように、私どもも議会の意思を尊重している」などと述べた[73] 。
1月11日、玉城デニー知事は、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票について「県民投票は予定通り2月24日実施する。条例の改正についてはさまざまな課題があり難しい」と述べ、現行の県民投票条例に基づいて2月24日に投開票することを県政与党と確認したことを発表した。宮古島市や宜野湾市など県内5市で投票事務を執行するための予算措置がなされていない状態について、首長が県民投票への不参加を続けた場合には、5市抜きでも2月24日に県民投票を実施する姿勢を示した[74] 。
1月14日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、弁護士資格を持つ自民党の宮崎政久衆院議員が先月、市町村議会で投票事務予算を採決する前に、市町村議員を対象にした勉強会を開き「議員が損害賠償などの法的な責任を負うことはない」などと記した資料を配布して予算案の否決を呼び掛けていたことが分かった。琉球新報が入手した資料には「県民投票の不適切さを訴えて、予算案を否決することに全力を尽くすべきである」と明記されている[75] 。
1月15日、沖縄県内5市の首長が名護市辺野古の埋め立て賛否を問う県民投票の事務を実施しない、もしくは回答を保留していることを受け、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表(27)が午前8時から、宜野湾市役所前の広場で各首長に投票事務の実施を求める「ハンガーストライキ」を開始[76] 。そのハンストに対して、自民党の国場幸之助衆院議員(比例九州)の政策秘書、田中慧が、「(ハンストは)自分の命を人質にしたテロと同質」と投稿した。17日には「(ハンストは)自分の命を人質にしたテロと同質」、21日には「今後ハンストする奴が出ても、体調を案じることはやめて、さっさと死ね、の一言だけ浴びせることにします」と投稿している[77] 。
同日、県民投票を巡り、宜野湾市の松川正則市長が事務を実施しない意向を表明していることを受け、市民有志でつくる「県民投票じのーんちゅの会」は、宜野湾市を相手に国家賠償請求訴訟を起こす意向を表明した。市民の投票権が侵害されたとして、慰謝料を求める[78] 。
1月16日、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔が午前、宜野湾市役所前で県民投票の実施を求めてハンガー・ストライキを実施している「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表を訪ねた[79] 。
1月18日、琉球新報が、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の全市町村実施に向けて、選択肢を現在の2択から「3択」に変更する条例改正案が与党内で検討されていることが分かった。と、伝えた[80] 。
1月19日、菅義偉官房長官が午前の定例会見で、県民投票の全県実施を求める「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表が宜野湾市役所前でハンガーストライキを続けていることについて見解を問われ「その方に聞いてください」と述べた[81] 。同日、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表が宜野湾市役所前で実施していたハンガーストライキが午後4時57分、開始から5日目でドクターストップにより終了した。「5市長がまだ参加を表明しない悔しさはすごくあるが、県議会で水面下の動きがあることに期待して、ハンストを終えたい」と説明した[82] 。
1月20日、「辺野古埋立て・新基地建設反対の民意を示す県民投票うるま市連絡会」は20日夜、県民投票の事務を拒否している島袋俊夫市長に事務実施を要求する緊急総決起大会を沖縄県うるま市生涯学習・文化振興センター「ゆらてく」で開いた。参加した市民ら約300人は「(事務の拒否は)民主主義の根幹を否定することであり、それを看過すれば政治の劣化を招き、断じて許されるものではない」とする決議文を採択した[83] 。
1月22日、辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票を5市長が拒否している問題で、賛否2択の県民投票条例の制定を直接請求した「辺野古」県民投票の会(元山仁士郎代表)が全県実施に向けて3択を容認する方針を表明したことを踏まえ、玉城デニー知事は、県議会の全会一致を前提に、3択への条例改正を支持する方針に転換した。玉城知事は周囲に「全県実施に向け、条例改正も含めて汗をかく」と強い決意を伝えている。一方、県政与党2会派は同日、会合を開き、賛否2択維持を確認し条例改正に反対する方針を改めて確認した[84] 。
1月23日、辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票を5市長が拒否している問題で、県政与党3会派の代表者は、新里米吉県議会議長と面談し、現行の賛否2択に「どちらでもない」の選択肢を加え、3択とする条例改正を容認する意向を伝えた[85] 。
1月24日、辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票の実施を5市長が拒否している問題を巡り、県議会は、全会派による「各派代表者会」を開き、現行の賛成、反対の二者択一に「どちらでもない」を加えた3択に条例改正することで合意した。29日に臨時議会が開かれ、全会一致で3択への条例改正案を可決する。県議会の全会一致を受けた5市長の対応について、自民党県連の照屋守之会長は「私どもが決断すれば彼らも県民投票に応じると確約がとれた」と実施に転じることを説明[86] 。
1月25日、投票事務を拒否していた宜野湾市の松川正則市長が市役所で記者団の取材に応じ「(全会一致の)結果が出たので、市としてかじを変える必要がある」と述べ、改めて県民投票に参加する意向を示した[87] 。
同日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票の全市町村実施に向けて県議会の全会派が3択への条例改正で一致したことを受け、玉城デニー知事は、県庁で記者会見し、1月29日に招集する県議会臨時議会に「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例」の改正案を提案することを発表した。同席した謝花喜一郎副知事は、投票事務を実施する見通しとなった5市について「事務的には2月24日投票で可能だ」と述べ、県内全41市町村で2月24日に一斉実施できるという見解を示した。これまで投票事務の実施を拒否してきた沖縄市、うるま市、宜野湾市、宮古島市、石垣市の5市の市長や事務担当者は琉球新報の取材に対し、2月24日の投票実施が望ましいとし、準備も間に合うとの見通しを示した[88] 。
1月29日、県議会(新里米吉議長)は午後5時、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の選択肢に「どちらでもない」を加えて3択とする条例改正案の採決を行い、県政与党と公明、維新、自民の一部が賛成多数(賛成36、反対5、離席3、欠席2)で可決した。24日の各派代表者会議では自民も含めた全会派で条例改正に合意していたが、本会議の採決で自民会派から反対者5人(新垣新氏、座波一氏、山川典二氏、又吉清義氏、座喜味一幸氏)、離席者3人(花城大輔氏、末松文信氏、仲田弘毅氏)の造反が出た[89] 。
1月30日、沖縄県名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、県議会が賛成多数で可決した条例改正案が全会一致での可決にはならなかったものの、県民投票に不参加を表明していた5市は参加する方向を示した[90] 。
1月31日、沖縄県は、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、選択肢について賛成、反対に「どちらでもない」を追加し、3択に改正した条例を公布、施行した。投票方法について定めた条文の中で「賛成または反対のいずれでもないときはどちらでもないに○の記号を記載する」とした。投票結果の尊重などについて定めた条文では、賛成、反対、どちらでもないの投票のいずれか多い数が投票資格者の総数の4分の1に達したときは、知事はその結果を尊重しなければならないと改めた[91] 。
2月3日、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔、「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎、社会学者の宮台真司、「お笑い米軍基地」を手掛ける小波津正光の4人が県民投票などについて議論するイベント「沖縄の民主主義を考える夜」(同実行委員会主催)が、沖縄県那覇市久米のライブハウスOutput(アウトプット)で開かれた[92] 。
2月6日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票について公明党県本は、自主投票する方針を決めた。金城勉代表は、琉球新報に対し「県本として辺野古反対の立場は堅持しているが、普天間問題は非常にデリケートな問題で、二十数年にわたり解決していない経緯もある。党として県民を誘導する運動はしない。謙虚に県民の判断を待つ」と話した[93] 。
2月9日、「辺野古」県民投票の会などは、県民投票の意義や新基地建設の是非を考えるシンポジウムを、宜野湾市の沖縄国際大学で開いた。県民投票の関連条例案を議論した県議会各会派の県議のほか、学生らも登壇した。登壇者は会派おきなわの新垣清涼氏、社民・社大・結の宮城一郎氏、維新の会の大城憲幸氏、共産党の渡久地修氏。公明と自民は不参加だった。沖縄防衛局も参加を断った[94] 。
2月11日、琉球新報で、「新基地建設反対県民投票連絡会」が制作した横断幕やツイッターの表紙の画像やロゴに似せて、正反対の主張をする画像がSNSで発せられていると、報じられた[95] 。
2月13日、県民投票について自民党県連は、県議会で議員総会を開き、自主投票とする方針を決めた。総会後、島袋大幹事長は記者団に「(県民投票には)普天間飛行場の危険性除去の問題が置き去りにされている」と理由を述べた。一方、「辺野古沖の埋め立ては世界一危険な飛行場と言われる普天間基地の危険性除去のための代替施設として建設されている」と述べ、県連として新基地建設を容認する姿勢を改めて示した[96] 。
2月15日、新基地建設反対県民投票連絡会が宜野湾市内の街頭に掲げている「反対に○を」と書いたのぼりが、破損しているのが見つかった。同会宜野湾支部は同日、破れているのぼりを市内に7本確認した[97] 。
2月16日、琉球新報は、那覇市の琉球新報ホールで「未来決める1票『2・24県民投票』フォーラム」を開いた。「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表の報告や前泊博盛沖縄国際大学教授の論点整理、登壇者4氏、嘉陽宗一郎(リアンズグループCEO付秘書)、多嘉山侑三(うちなーありんくりんTV主宰)、知念ウシ(ライター)、屋良栄作(前那覇市議)による討論が行われた[98] 。
2月20日、有識者らでつくる「普天間・辺野古問題を考える会」(代表・宮本憲一大阪市立大名誉教授)は、国会内で記者会見し、名護市辺野古の新基地建設を進める安倍政権に工事中止を求めるとともに、埋め立て賛否を問う2月24日の県民投票で「沖縄の真の民意が明確に示されることを強く期待したい」などとする緊急声明を発表した。92人が賛同者として名を連ねた[99] 。
2月22日、元県知事の仲井真弘多は午前、那覇市内に設置されている期日前投票所を訪れて投票した。投票後、琉球新報記者の取材に応じず、その場を後にした[100] 。
同日、宜野湾市民の安全な生活を守る会の平安座唯雄代表は、県民投票を実施するために県が5億5千万円を支出したのは違法だとして、返還を求める住民監査請求書を県監査委員事務局に提出した。請求理由について請求書では「県民投票実施のための予算執行は、2016年の最高裁判決で『埋め立ては適法だ』とした司法判断をないがしろにするもので容認できず違法だ」などとしている。提出後に記者会見した平安座氏は「5億5千万円の支出は妥当だったのか、しっかり審査してもらいたい」と話した[101] 。
2月23日、「新基地建設反対県民投票連絡会」の青年局は午前、糸満市の魂魄の塔を約10人で出発し、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前を目指して行進を始めた。投票を呼び掛けながら約80キロの行程を徒歩と自転車で進む。大部分の60キロは徒歩で進む。1950年代に米軍に土地を奪われた伊江村民が沖縄本島を歩いて縦断し実情を訴えた「乞食行進」に思いを重ねるためという。青年局長の翁長雄治那覇市議は「『賛成・反対・どちらでもない』のどれでもよいので、とにかくウチナーンチュの心にある気持ちを投票にぶつけてほしい」と語った[102] 。
2月24日、投開票され、即日開票の結果、開票率100%で埋め立て「反対」の得票が有効投票総数の72・15%の43万4273票に達した。反対票は、県民投票条例で「結果を尊重」し、首相と米国大統領への通知を義務付けた全投票資格者数(有権者数)の4分の1を大きく上回る37・65%に上った。玉城デニー知事は「新基地建設の阻止に改めて全身全霊をささげる」と述べ、政府に方針の見直しと普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還を求める考えを強調した。結果を通知するため近く上京する方向で調整している[103] 。
同日夜、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表は24日夜、沖縄県那覇市古島の教育福祉会館で会見し、名護市辺野古の埋め立て「反対」が投票者の大多数を占めた結果に「『ノー』の民意がより明確になった。政府は県民のうむい(思い)を重く受け止めてほしい。日本に住む一人一人が、自分のこととして考えてほしい」と述べた。投票率が50%を超えたことについては「ものすごく良かった」「これで終わりではない。県民の間で対話を続け、分断を乗り越えていきたい」と話した[104]。
2月25日、安倍晋三首相は午前、沖縄県の県民投票で「反対」が多数を占めたことについて、「結果を真摯に受け止め、これからも基地負担軽減に全力で取り組む」と述べた。一方、引き続き辺野古移設を進める方針を明言し、「長年にわたって県民の皆様と対話を重ねてきたが、これからもご理解いただけるよう、全力で対話を続けていきたい」と首相官邸で記者団に語った[105] 。
安倍首相のコメントに対し、謝花喜一郎副知事は、「言っていることとやっていることが違う。極めて残念だ」と返した[106] 。
3月1日、玉城デニー知事が、安倍首相に対してこれまでの日米両政府によるSACO(沖縄に関する特別行動委員会)に沖縄を加えた新たな協議の場として「SACWO」を提案したが、ゼロ回答に終わったと報じられている[107][108] 。
3月16日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対するオール沖縄会議は、「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める3・16県民大会」を那覇市おもろまちの新都心公園で開催した。日本政府に対し、県民投票の民意を尊重し、辺野古新基地建設を断念するよう訴えるとともに、すでに辺野古の海に投入した埋め立て土砂の撤去、オスプレイの配備撤回、普天間飛行場の即時閉鎖と返還などを求めた[109] 。
翁長雄志県知事:「実施されれば、県民一人一人が改めてその意思を明確に示すことができるため意義がある」「知事選挙を含め、県民の民意はこれまでもしっかり示されてきているが、残念ながら素通りされてしまい、今のような状況が起きている。県民が改めてこの問題に対し、それぞれの思いを表すことは大切なことだ」。県民投票が翁長知事の埋め立て承認撤回の判断を遅らせるのではという懸については「県民投票の時期やその結果に縛られるものではない」(2018年6月12日、記者会見)[117] 。
玉城デニー県知事:「庁内に新たな組織を設置し、広報活動などに取り組むとともに、投開票などの事務を担うこととなる市町村と緊密な連携を図りながら実施に万全を期したい」「条例制定で請求に当たり法定署名数を大きく上回る9万2848筆の提出があったことは、辺野古米軍基地建設に対する県民の多大な関心を示した。県としても県民一人一人が改めて意思を明確に示すことができ、県民投票は意義があるとの意見を付けた」「全ての市町村で実施されることが重要であることから、事務の移譲について同意を保留している団体に対し引き続き丁寧に説明、協議を行っていく」(2018年10月27日、県議会で県民投票条例案が可決されたことを受けて)[118] 。
県民投票告示後に、琉球新報がまとめた意見のうち、法的拘束力がないことを指摘する投稿では「賛成票が半数を超える場合、受け入れるのか」「始まった工事を止めることはできない」「県が実行できる政策の是非を問うべきだ。できないことで投票しても意味はない」。肯定的な投稿では、「県民の意思を明確に示すことに意味がある」。「税金の無駄遣い」とする意見に対し「基地新設の工事費がはるかに高い」「海岸に6万本のくいを打つ政府の愚策にこそ声をあげるべきだ」との主張があった[143] 。
掲示板
43 ななしのよっしん
2019/08/01(木) 23:23:50 ID: OQ2t7l+t6H
全国電話世論調査によると、名護市辺野古移設を巡り、7割超が反対した2月実施の県民投票結果を政府は「尊重すべきだ」とした回答は68.7%に上った。
https://
44 ななしのよっしん
2021/02/04(木) 13:50:24 ID: 8E/hMN+aGl
共同はどこにアンケートとったんだよ。
9割の奴らが行くって言って蓋を開けたら5割程度。
しかもその内の7割しか反対してない。
賛成派は投票に行かなかった。
そりゃそうだよな。
賛成派には投票しても何のメリットもないからな。
反対が多かろうが少なかろうが工事は止まらないってのを知っているからな。
45 ななしのよっしん
2021/08/15(日) 20:59:01 ID: RLYWo78+fQ
>>44
https://
『県内の有権者を対象に』『コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD方式』
その方式からアンケート対象は固定電話を使用する層
なおミキオ算は恣意的運用がいくらでも効くのでNG
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 00:00
最終更新:2024/04/25(木) 00:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。