注射剤とは (チュウシャザイとは) [単語記事]

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注射剤とは、皮膚や粘膜を通して体内に直接投与する薬である。点滴薬もこれに含まれる。

概要

血管などに直接薬を大量投与することができるのでスピード性に優れており、救急時に効果的である。また、高齢者など嚥下困難な患者に対しても使うことができるうえ、腸管吸収の場合とは異なり、門脈を通じて肝臓での一回目の代謝（初回通過効果）を受けずに全身循環に乗せることができるメリットがある。

デメリットは「吐かせる」ことができない、副作用を発現しやすい、保管が難しい、などなど。また何と言っても指すときに痛みが伴うため、コレを嫌う人は数多い。
近年は蚊の針を基にした「刺されても痛くない」極細の針が開発されており、日々の生活でインシュリン注射が必要な糖尿病患者などにその恩恵を与えている。

目薬などと同じく無菌的に製剤される「無菌製剤」の一つであり、製剤時には注意が必要である。溶解や混合を行うときは、外部の菌を遮断する無菌室（クリーンルーム）やクリーンベンチを用いての無菌操作が求められる。

注射剤は主薬や添加物の相性で薬物どうしの配合変化が起こりやすく、その他pHや温度、光なども影響する。例えば油脂性注射剤と水溶性注射剤、pH調整物質の入った酸性注射剤とアルカリ性注射剤などを一緒に使うことはできない。変化を防ぐため、光を通さない輸液袋を用いることもある。