津軽弁ってばや、青森県津軽地方でしゃべらいじゅー方言だんず。
(津軽弁というのは、青森県津軽地方で話されている方言です。)
青森の人間は実直で無口な人間が多く、冬の寒さもあって口数が少ない。
そのような環境の下で育まれてきたのが津軽弁である。
鼻母音を想わせる軟口蓋鼻音(鼻濁音)が多用され、切れ目の無い複数の文節を含む句の末尾でイントネーションが上昇するため(標準語ではイントネーションの上昇が末尾に来ることは殆ど無い)、初めて聞く(フランス語をあまり知らない一般の)人にはフランス語のようにしか聞こえず、そのネタがトヨタ自動車「パッソ」のCMでも使われている。
特に五所川原や鯵ヶ沢周辺の西北地域は訛りが強い。
反面、青森を中心とした東青津軽地域や弘前・黒石を中心とする中南津軽地域は割合ソフトな訛りである。
「どさ?(どちらへ行かれるのですか?)」「湯さ。(これからお風呂へ行きます。)」という4文字で会話が成り立ってしまう、という極端なテンプレもあるが、標準語と比較して短い音節の単語が全体的に多い(特に単音節語の多さは南国の雄・鹿児島弁に比肩し得る)。また語彙は古語に由来するものが多く、標準語の意味と完全に一致する物は少ない。
英語を喋らせるとなぜか津軽弁訛りしてしまうという、おそろしい結果になることがある。また、津軽地方では標準語がうまく使えない人も年配者を中心に多数いる。彼らに無理を言って標準語を喋らせようとすると、前述のように鼻濁音を多用し文節に区切りのはっきりしない津軽訛りになり、聴いている人の大部分の人が違和感を覚えるが、やがて途中から無意識のうちに津軽弁の語彙やイントネーションが混じってしまい、結局グダグダになってしまう。
最近では、TVの普及や県外からの大学生らの影響もあり、若い世代では訛りの少ない標準語を喋れるものが多くなってきた一方で、若者の津軽弁離れが深刻化している。
津軽弁 | 意味 |
「わ」 | 私(<我(われ)) |
「な」(=「め」「おめ」) | あなた(<汝(なれ)) |
「あずましい」 | 気持ちがいい、心地よい |
「いだわしい」 | もったいない |
「いとまが」 | ちょっとの間(<暇(いとま)が) |
「えふりこぎ」 ※1 |
見栄っ張り、ええかっこしい(<良い振り+扱き(=する人)) |
「おっける」 | コケる、倒れる |
「おべだふり」 ※1 |
知ったかぶり(<憶えた振り) |
「がっぱ」「たげ」 「のっつど」※2 |
たくさん、かなり (「わや」「のれ」などが使われることも) |
「きまげる」 「かちゃくちゃね」 |
腹が立つ、いらいらする、頭に来る |
「くだぐ」 | 両替する(<砕く) |
「げっぱ」 | ビリ、最下位 |
「けんど」 | 道路(<県道?) |
「こまる」 | おじぎをする。(<屈(こご)まる) (発音は「こまる(困る)」ではなく「こまる」) |
「ごんぼほる」 | ダダをこねる |
「じぇんこ」 | お金(<「銭っこ」) |
「すがま」 | 氷柱 |
「すっけえ」 | すっぱい |
「ずるすけ」 | 悪がき |
「せば」(=「へば」) 「しゃー」 |
1.そうすれば 例)「せばやるが(そうすればやりましょうか)」 2.じゃあね |
「だ」「だい」 | 誰 |
「ちゃかし」 | おっちょこちょい |
「ちょす」 | さわる、いじる |
「つけらっと」 | 1.ちゃっかり 例)「つけらっともってっちゃ(ちゃっかり持って行ってる)」 2.知らないふり |
「てぎ」 | しんどい(<「大儀」) |
「とっぺる」 | ふたをする、ふさぐ |
「なずぎ」 | おでこ |
「にかむ」 | (衣服・紙などが)しわになる |
「ぬげ」 | 暑い(<「温(ぬく)い」) |
「ねっぱる」 | くっつく |
「のめくる」 | つんのめる |
「ばぐる」 | 交換する |
「はっける」 | 走る |
「びろ」 | よだれ |
「まがす」 | こぼす |
「までーに」 | きれいに |
「むじゃげる」 | 破れる |
「むっつい」 | 何か(カステラなど)を口にして、口の中の水分が奪われた状態。 |
「めごい」 | かわいい(岩手などで使われる「めんこい」と同系列語) |
「わんつか」 | ちょっと(<僅か) |
※1 「えふり(見栄を張る)」「あるふり(お金があるように見せる)」「おべだふり(知ったかぶり)」をまとめて、「津軽の3ふり」と表現することもある。
※2 弘前(中南津軽)地域と五所川原(西北津軽)地域で分かれる。また、場面により分かれることもある。
<会話例1>
A「お、Bだばな。何しちゅんだば?」
(お、Bじゃないか。何してんだよ?)
B「おーAだな。わんつか腹減ったはんでメシ食いに行ぐんだばって、なも行ぐな?」
(おーAじゃないか。ちょっと腹減ったからメシ食いに行くんだけど、お前も行くか?)
A「いいでばな、そいよ。わもかででけ。そいでどさ行ぐんず?」
(いいなあ、それ。俺も入れてくれよ。で、どこにいくんだ?)
B「駅前さあるファミレスだばどんだば?」
(駅前にあるファミレスとかどうよ?)
A「あー・・・・・・あっこまィねや?わー知ってらめーラーメン屋あるはんで、そさ行ぐべ。」
(あー・・・・・・あそこはダメだ。俺の知ってる旨いラーメン屋があるから、そこに行こうぜ。)
B「んだずな・・・・・・。へばそさ行ぐが。」
(そうか・・・・・・。ならそこに行こうか。)
<会話例2>
C「ん? Dだばな。何しちゅんずよ? 学校さ遅いら?」
(ん? Dじゃねーか。何してんだよ? 学校に遅れるぞ?)
D「・・・・・・Cだな。見ろっさ、これ。チェーン外(はず)いでまってや。」
(・・・・・・Cか。見てよ、これ。チェーンが外れちゃってさ。)
C「わいは、んだずな。・・・・・・どら、わんつか貸へじゃ。」
(ありゃま、そっか。・・・・・・ほれ、ちょっと貸してみ。)
D「わい、こったのわーでも直せるね。なー早ぐ行がなが。」
(ちょっ、これくらい私でも直せるわよ。アンタは早く行きなよ。)
C「うそし、この。手ェ汚いじゃーべな。すぐ直してけらね。」
(うそつけ、この。手が汚れてるだろうが。すぐに直してやるよ。)
E「――へば、おめはDの自転車直して遅(おぐ)いだってが。」
(――それで、お前はDの自転車を直してて遅れたってか。)
C「・・・・・・んだ。」
(・・・・・・そうです。)
E「なんぼまんだ・・・・・・ウソしてねんたし、今のっきゃ特別に許すばって、今度だば遅れねんでな。」
(まったく・・・・・・ウソはついてないようだし、今回は特別に許してやるが、今度は遅れないようにな。)
掲示板
88 ななしのよっしん
2023/10/28(土) 17:24:48 ID: x52sDQaxmB
→初めて聞く(本当のフランス語をあまり知らない一般の)人にはテンプレ的イメージ通りのフランス語のようにしか聞こえず
89 ななしのよっしん
2023/10/28(土) 17:33:25 ID: eqB751u2n2
ンダッキャサ(おフランス)
90 ななしのよっしん
2024/03/10(日) 00:57:51 ID: WSpyaiCSg+
津軽弁に限った話じゃないけどYouTubeのショートとかでよくある方言ネタの動画の字幕って
①漢字で表記させる ②分かち書きする ③ひらがなで表記
この3つがされてないの多いけどなんでだろうな
絶対この三要素のせいで余計「方言は難解な言葉」みたいな誤解増してると思うんだが…
漢字表記が分からないはまだしも、文節ないし句ごとで空けるって
辞書的でない、日常の話し言葉としての知識しかない人でも出来ると思うんだが
カタカナは現代日本語では韓国語やアイヌ語の音写みたいに外来語で
もっぱら使われるから、共通語と同じ風にひらがなの方が伝わりやすい気がする
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最終更新:2024/10/07(月) 01:00
最終更新:2024/10/07(月) 01:00
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