浜面仕上とは (ハマヅラシアゲとは) [単語記事]

浜面仕上とは、ライトノベル『とある魔術の禁書目録』の登場人物。本作の主人公格の一人である。

概要

初登場は『とある魔術の禁書目録 SS』1巻。
元は第七学区スキルアウトのNo.2だったが、リーダーの駒場利徳が死亡した事でNo.2の彼にスライド式に移行し、なし崩し的にスキルアウトのボスとなった。とある事情で御坂美琴の母親である御坂美鈴の命を狙っていた。

原作15巻で再登場。上条当麻に敗れた後、学園都市の暗部である『アイテム』の下部組織構成員として働く日々を送っていたが、とある事件のとある事情により、アイテムのリーダーである麦野沈利と敵対する羽目に成る。

レベル5の圧倒的な力に押され窮地に陥るも、自身の知識と根性と機転と運を武器に奮闘した結果、なんとか麦野を撃退することに成功。本当の意味での「レベル0が単独でレベル5に勝つ」という偉業を初めて成し得た。

エイワスに「誰にも選ばれず、資質らしいものを何一つ持っていなくても、たった一人の大切な者のためにヒーローになれる者」と上条と一方通行と並び評されるなど、名実ともに『第3の主人公』となった。

あとがきでの作者の言葉でも、主人公として正式に並び扱われており、上条に勝つ事のできる「真っ直ぐな信念を持った、特別な力など持たない握り拳の持ち主」とは彼の事である。これにより、浜面＞上条＞一方＞浜面という三竦みパワーバランスが成立している。

しかし、元来はかませキャラとして考案されており、それを読者に見抜かれたことから「だったら主人公にしてやろうじゃないか」という作者の気まぐれによって誕生したキャラである。端的に言えば作品の創造主である作者が、運命を変える事を選んだキャラクターとも言える。

超能力者(レベル5)に勝ってしまった為、旧19巻以降はアレイスター＝クロウリーのプランの障害となり得るイレギュラー因子と認識され、学園都市上層部から命を狙われることに。
ロシア編で入手した「素養格付（パラメータリスト）」のチップを学園都市との交渉材料にして身の安全を約束されていたが、エレメント事変の際に上里勢力が起こした「大熱波」の影響で、肝心のチップが故障してしまう。

素養格付の証拠を失った浜面は、新約19巻で大切な者達の安全を保証する代わりに美少女化したアレイスター＝クロウリーに味方する事となる。
アレイスター、上条当麻、一方通行と共にイギリスへと向かう為に動き始めた。

対人関係・能力

浜面サイドのヒロインは滝壺理后。命を懸けて彼女を守る姿は、何というか上条さんよりもラノベの主人公然としており、作者をして「女性関係の割り切り方は最も進んだ主人公」としている。

アイテムやスキルアウトのメンバーを始め、死線を共に超えた仲間はロシアに渡った時を含め多く増えており、強い仲間意識を伺わせる。_{特にアイテムとかハーレム。}一方通行とは出会いの時点で誤解があった為、当初敵対しかけたが、戦う動機の為か一方通行自身には気に入られていた。上条当麻とも初対面時はそげぶされた間柄だったが、再会時には既に砕けた雰囲気となっていた。

無能力者であるため、戦闘スタイルは周囲の施設・道具を巧みに利用する（異能の力を持たない普通の人間であるからこその知恵と経験を駆使しての戦い方）。重火器や兵器、電子機器の類への知識も持ち合わせている。
身体能力はそれなりに高く、スキルアウト時代には能力者と渡り合う為、肉体作りとして「そこらのスポーツ選手と同じ事」を行っていたらしい。またこの時期にはATM 泥棒なども行っており、黄泉川愛穂に補導されている。
特技はピッキングで、ファミリーカーレベルなら即座に「足」として調達できる。また、高い運転技術を持っており、クレーンなどの重機も操作できる。他にも身分証偽造なども行っていた。

学園都市のどん底を身を持って知っているのに加え、自分ではリーダーとしての資質はなく、ヒーローにもなれないと自覚している為、ひたすらに現実主義で奇跡など待ち望まないタイプ。

ドラゴンライダー

正式名称HsSSV-01『ドラゴンライダー』。

学園都市で開発された次世代型アンチスキル用の新型警邏バイクで、正式採用前に第三次世界大戦への投入が検討され開発元から接収され改造が施されたが、戦争が終結した事で陽の目を見る事はなく、再び倉庫送りになる予定だった。
完全に「表側」の技術の結晶として開発され、製作者達も「正義」の用途を望んでいたが、前述のように望まない経緯を辿った所を、フレメアを救おうと動いていた浜面が遭遇し、整備員との対話と説得によって借り受ける事となる。

電子錠のハッキングを防ぐ為、超精巧アナログ錠を採用していたが、浜面がいとも容易く解錠している。
ご都合主義？知りませんそんなもの。

スペックは最高時速1050km。ロシアの荒地を自由に走行可能。傾斜70度の崖を時速300km以上で走破。幅20m以上の河川を飛び越えるなど、究極の怪物専用バイクとなっている。更に徹底的な電子制御でバランスを維持し、超高速の中でも「片手持ち」の銃火器を扱えるようにデザインされていた。
駆動形式はジェットエンジン、補助ブースター、リニア機関で、速度域に合わせて自動制御が成される。補助ブースターは左右一発ずつ、摂氏 3500度の大爆発を起こす事も可能。

そもそもの設計思想は『バイクを含めた駆動鎧（パワードスーツ）』という新種モデルであり、搭乗者は専用のスーツを装着した上で運用する。開発目的は「全天候・全環境においての圧倒的な機動力」。加えて「迅速な部隊展開と敵勢力の制圧を行う」事となっている。

駆動鎧（パワードスーツ）

スーツ単体ではそこまで戦闘力があるわけではなく、操縦に必要な筋力、耐久性、酸素の吸入を確保するのが目的。ただし拡張性はあり、モジュールの追従は可能な設計。デザインは『とある科学の超電磁砲』で登場していた甲冑系ではなく、ライダースーツを基調としたものである。理論上は最高速度で転倒しても大丈夫らしい。
ヘルメットは外部情報を電子機器で受け取り、それを内部表示処理する仕様で、頭部全体が完全に覆われる形となる。

これらの装備によって実際操縦を行うと、亜音速に近い体感速度に追従する為スーツの補正が加えられる。この際に知覚と認識速度の問題で脳情報のやりとりに乖離が発生する。そこでスーツは「外側」からのサポートに加え、電気的な刺激や脳情報などを適宜「内側」で処理し、五感に対して二重のサポートを行う。スーツとの情報制御装置とのリンクも計られており、特殊な操縦法や知識、技術も借りる事が可能で、更にそれは自身の「経験」として取得出来る。つまり一種の簡易的な「サイボーグ」となる^[1]。

他にも搭乗中に携帯電話を「見たい」と思うだけで、ヘルメット内の視界にその情報を映しだす技術などが盛り込まれている。また、スーツ単体でも肉体の動きの補正などを行えるので、白兵戦である程度の最適手を打ち出す事も可能。

膨大な情報のやり取りは「アネリ」という名の支援ソフトがサポートしている。アネリは最初に扱った浜面に懐くほど、高度な分析機能が備わっているようだ。
新約18巻ラストで、アネリはトートタロット式の人工知能「問答型思考補助式人工知能(リーディングトート78)」の民生モデルである事が判明した（ミナ＝メイザースを参照）。

スーツ自体が高スペックゆえに、浜面自身は「自らの手で習得する方が健全である」としてこの力を恐れていた。
実際に浜面はこのスーツに頼り切らず、シルバークロース戦ではあくまで「道具」として使いこなしているほか、同一規格であるものの本来そこまでの応用性を求められていなかったであろう、暗部兵器『ファイブオーバー』を自らの「発想」の転換を持ち出し操っている。

プロセッサスーツ

新約19巻でいつの間にか浜面が着せられていた謎のスーツ。

全身が窓のないビルと同じ「演算型・衝撃拡散性複合素材（カリキュレイト＝フォートレス）」で構成されている特殊なベクトル操作式スーツである（一説に窓のないビルに使われた物を改良した特殊素材とも）。
装甲の隙間には装着者が置かれている危険度を色で表すライトが付いており、通常は青だが危険度が上昇するにつれて黄、赤と変色する。

防衛機能として一方通行(アクセラレータ)のベクトル操作能力の一部を再現しているため、1トンのトラックの衝突にも余裕で耐えるどころか弾き飛ばしたり、凄まじい脚力を発揮してビルを蹴って昇るなど、性能はかなり高い。

スーツには支援ソフト「アネリ」が搭載され、各種ガイドからライトの変色までアネリの判断でアシストする。浜面に至っては、肝心な意思決定以外は殆どアネリ任せと言ってもいいほど頼りっきりだった。
上記の通り浜面に懐いているらしいアネリだが、新約19巻では麦野と絹旗をケダモノ、滝壺をテンネンと評価し麦野を見た瞬間にはライトが赤に変色していた。いいのかそれで…。

その正体は、戦闘用スーツなどではなく学園都市の統合データベース、次代の『書庫（バンク）』である。元々、書庫には決まった形などは存在しない。ビルやシェルター、人工衛星など学園都市の人々にも実態を掴ませぬほど多種多様な形に姿を変え、頻繁に代替わりしている。
大熱波（マイクロ波）の影響により学園都市中の電子機器が使えない状況のなか、稼働し続けることで書庫の特定を恐れた者達が、好タイミングと見てプロセッサスーツに移植させたらしい。