海防艦(艦これ)とは (カイボウカンとは) [単語記事]

「艦隊これくしょん」における海防艦とは、2017年から追加実装された艦種であり、史実では沿岸警備や漁場警備、はては船団護衛や対潜哨戒を主任務とする幼女艦娘たちである。

2020年 6月末現在、新造海防艦（昭和17年 7月改定の新定義・艦艇籍の海防艦）のうち、「占守型」「択捉型」「御蔵型」「鵜来型」「日振型」と「丁型」(第二号型）が登場している。

ゲーム内では、以下の特徴を持つ。

史実では、他の軍艦・艦艇と異なりディーゼル主機を搭載したことから最大速力が19.5knotであり、ゲーム内の速力は「低速」分類となっている。（第二号型はディーゼル主機が不足し蒸気タービン主機）
- 同じく史実でディーゼル主機を搭載していた水上機母艦「瑞穂」が”缶”や”タービン”を装備することで「高速」分類にできるのに対し、海防艦はそもそもこれらを搭載できない。
ゲーム内のシステム「対潜先制爆雷攻撃」において、他の艦種では対潜値100以上が要求されるのに対し、海防艦は60以上で発動する。従って、未改装でも装備次第で対潜先制爆雷攻撃が発動できる。
1-5での出撃の際、通常、最低1隻の随伴航空戦力(航空戦艦、航空巡洋艦、水上機母艦、軽空母)がいないと外れマスに行くことがあるが、海防艦が一定数随伴する場合、随伴航空戦力なしでもボスマスに直行できる。(駆逐１or軽巡１＋海防艦３など)
海防艦を近代化改修の素材とすることで、通常は近代化改修ができない「運」「対潜」「耐久」パラメーターを改修することができる(ただし、改修の効果にはランダム性がある。なお、「対潜」攻撃不能な艦種では「対潜」パラメーターは上昇しない。)。「耐久」に関しては艦娘個別で上限値が存在しておりそれ以上にはならないので資料等で確認する事(例→長門型改二は耐久上限が「99」で改修成功確定でも「100」にはならない。これは「改」の時点でも同様で改二にしても「99」で頭打ちになる)

以下、各艦型の概略を述べる。
なお、各艦型の特徴は史実記事または各ネームシップの記事を参照されたし。

占守型海防艦

【１】占守

【２】国後

【３】八丈

【４】石垣

昭和12年度（マル３計画）により建造された海防艦。昭和17年 7月の艦艇等級改定までは「軍艦」籍に属していたグループ。

担当絵師はUGUME（→UGUME艦隊)、CVは咲々木瞳（占守・国後）・高尾奏音（八丈・石垣）。

史実記事→占守型海防艦

択捉型海防艦

(左から) 松輪・対馬・択捉・福江・佐渡・平戸

【１】択捉	【５】六連	【９】平戸	【13】干珠
【２】松輪	【６】壱岐	【10】福江	【14】笠戸
【３】佐渡	【７】対馬	【11】天草
【４】隠岐	【８】若宮	【12】満珠

昭和16年度（マル急計画）により建造された、占守型海防艦の準同型艦で、艦艇類別等級表では甲型海防艦占守型の一部となっている。「艦これ」では現在海防艦の最大勢力を成している。
なお、本来の彼女らの制服意匠のルームウェアが三越で販売されたことがある。

絵師は赤坂ゆづ（→赤坂艦隊）。CVは以下の通り。

・首藤志奈（択捉・松輪）
・今村彩夏（佐渡・対馬）【今村艦隊】
・森山由梨佳（平戸）【森山艦隊】
・小松真奈（福江）【小松真奈艦隊】

御蔵型海防艦

左より、「御蔵」「倉橋」「能美」「屋代」。

【１】御蔵	【３】淡路	【５】倉橋	【７】千振
【２】三宅	【４】能美	【６】屋代	【８】草垣

昭和１８年から１９年にかけて建造された海防艦であり、択捉型に比べて工数の削減等の生産性向上に重きを置く設計改定がなされた艦型である。これを更に簡素化したものが鵜来型海防艦・日振型海防艦となる。
「御蔵」「能美」「倉橋」「屋代」が実装。
絵師は台湾在住のA士。
CVは「御倉」：内田秀【内田艦隊】「能美」：はやしりか、
　　「倉橋」：古川未央那、「屋代」：松岡美里【松岡艦隊】

史実記事→御蔵型海防艦

日振型海防艦

左から「大東」「日振」「昭南」。

【１】日振	【４】久米	【７】崎戸	【--】大津(未成)
【２】大東	【５】生名	【８】目斗	【--】友知(未成)
【３】昭南	【６】四阪	【９】羽太

昭和１９年から２０年にかけて建造された海防艦。末期のため、未成のまま終戦を迎えた艦も存在する。史実では全艦日立造船桜島造船所にて建造されている。（次項「鵜来型海防艦」の小改良型で船体は同じ。「小改良」は掃海具の付与で、鵜来型海防艦建造を担当した船渠のうち日立造船分のみ実施したため。）

「艦これ」での担当絵師はしばふ(→しばふ村/しばふ艦隊)。
　担当CVは大坪由佳（日振・大東）【大坪艦隊】、森山由梨佳（昭南）【森山艦隊】。

鵜来型海防艦

左：鵜来　　右：稲木

【１】鵜来	【７】竹生	【--】室津(未成)	【17】高根
【２】沖縄	【８】神津	【12】稲木	【18】九賀
【３】奄美	【９】保高	【13】羽節	【19】志賀
【４】粟国	【10】伊唐	【14】男鹿	【20】伊王
【５】新南	【11】生野	【15】金輪
【６】屋久	【--】蔚美(未成)	【16】宇久

鵜来型海防艦は、甲型海防艦の最終形態で、現在では帝国海軍が大戦中に製造した海防艦の中では最も生産性と攻撃力のバランスの取れた型と評されている。
建造時期が遅かったため、実戦に参加した数も少ないとはいえ、海防艦中で終戦時の喪失率が最低（就役した20隻中、沈没したのは屋久、稲木、男鹿の3隻のみ）でもある。また、このうち４隻（鵜来、新南、竹生、男鹿）が戦後、気象庁所属の定点観測船を経て、改名した上で海上保安庁のおじか型巡視船として再就役している。

「艦これ」の絵師担当は星灯り（→星灯り艦隊）。
「鵜来」の担当声優は川井田夏海、「稲木」は上坂すみれ【上坂艦隊】。

丁型海防艦（第二号型海防艦）

第四号海防艦(左)・第二十二号海防艦(中央)・第三〇号海防艦(右)

昭和19年から就役した海防艦。艦名はネームシップの「第二号海防艦」以下、偶数番号による艦名が付与されている。改装前はまるゆ改同様1スロットしか装備スロットがない。

2023年 8月現在、2番艦「第四号海防艦」11番艦「第二十二号海防艦」と15番艦「第三〇号海防艦」が実装されている。
イラストはほづか。
担当声優は第四号海防艦が藤田咲【藤田艦隊】、第二十二号海防艦が川井田夏海、第三〇号海防艦が八木侑紀。

史実記事→丁型海防艦

史実での所属

海防艦の配属先としては、海上護衛隊→護衛戦隊→護衛艦隊の順番で改組が繰り返された。

海上護衛隊

実装海防艦を中心にまとめると以下の通りである。艦名の後ろの（　）は、艦娘が言及するシーン。

千島方面根拠地隊: 国後（出撃）
横須賀防備隊: 平戸（編成）
第一海上護衛隊: 占守（編成）択捉（出撃）松輪（改出撃）佐渡（編成）対馬（出撃）御蔵（編成）倉橋（改出撃）屋代（出撃）鵜来（編成）日振（編成）大東（編成）昭南（編成）; ほか、第13駆逐隊、第22駆逐隊、第32駆逐隊(※艦これ実装の先代)、三日月、淡路、汐風、朝風、呉竹、朝顔
第二海上護衛隊: 石垣（改編成）平戸（出撃）福江（編成）能美（編成）; ほか、夕張、第29駆逐隊、朝凪、隠岐、天草
第三海上護衛隊: 第4号海防艦ほか
第四海上護衛隊: 第30号海防艦ほか

護衛戦隊・護衛艦隊

一部の海防艦娘たちが所属部隊として自称する部隊名として「護衛戦隊」がある。主に昭和20年初頭まで生存していた艦娘が自称する場合が多い。最末期に編成された「護衛戦隊」の編成は以下の通り。

戦隊名	旗艦	所属艦
第百一戦隊	香椎(練習巡洋艦)	対馬　大東　鵜来　23号　27号　51号
第百二戦隊	鹿島(練習巡洋艦)	屋代　御蔵　 2号　33号　34号　35号
第百三戦隊	春月(駆逐艦)	昭南　久米　 18号　25号　60号　67号
第百四戦隊		占守　国後　八丈　択捉　福江　笠戸
第百五戦隊	響(駆逐艦)	12号　40号　65号　 112号　150号　205号