清原深養父(きよはらの ふかやぶ、生没年不詳)とは、平安時代前期の歌人である。
百人一首36番の作者で、中古三十六歌仙の一人。清原元輔の祖父で、清少納言の曾祖父。
清原氏は天武天皇の皇子で「日本書紀」を編纂した舎人親王の末裔で、深養父は身分こそあまり高くなかったが、宇多天皇・醍醐天皇の時代に歌人として活躍し、歌合にも多数出席した。藤原兼輔や紀貫之とも親しかった。前九年の役や後三年の役に関わった出羽の清原氏は、深養父の子孫を称しているが、こちらは疑わしい。
百人一首に収録された、彼の詠んだ「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ」は、夏の月を歌った珍しい歌である(夏を題材にした歌は、百人一首ではわずか四首しかなく、月を詠んだ歌の大半は秋である)。深養父が夏の夜に宴を楽しんでいたら、あっという間に朝になってしまった時に詠んだ作品であり、下の句の表現もなかなかユニークである。曾孫の清少納言も、「枕草子」の中で「夏は夜」が良いと評している。清原家は、夏の月に風情を感じる家系だったのかもしれない。
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最終更新:2024/09/08(日) 05:00
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