群馬県と新潟県を結ぶ峠のひとつ。2つほどの登山道が整備されているが、その一方で完全に廃道と化した日本一の酷道と言っても過言ではないルートが存在することで有名。もはや車はおろか、人力による通行すらほぼ不可能となっているにも拘らず、法律上は現在も国道291号線の一部として正式に認定されているという、酷道ファンにおけるレジェンド的存在のひとつ。
通行(というより山中突破)は大変危険であり、相当訓練されたプロですら大苦戦するので、皆様には普通の登山道を利用していただきたい。
群馬県みなかみ町と新潟県南魚沼市を結ぶ山道であり、上越国境の山道の中では最短ルートという事もあって、古来より交通の要所として利用されていた。あの上杉謙信も関東遠征の際にはここを利用したとされ「謙信尾根」の名が残っている。
江戸時代は三国峠が上越越えルートとして公認された為、清水峠は250年以上利用されていなかった。だが明治時代に最短ルートであることから国道として整備することが決定。「国道8号」の一部として大規模な整備が行われ、1885年に馬車での通行が可能な道路が敷設された。だが急勾配の箇所を回避した結果、そのルートは激しい九十九折りと迂回を繰り返した極めて長大で山奥のルートとなった。更に開通から間もなく、土砂崩れや豪雪が頻発して近寄ることすらできなくなってしまい、僅か数年で放棄されてしまった。その後、いくつかのやや急勾配な新登山道が開拓されたため、国道を利用する者はいなくなり、忘れ去られた存在となった。
にも拘わらず、2023年現在に至るまで廃道認定されることなく、国道291号の自動車通行不能区間(27km)という扱いになっている。特にその中でも山奥の13kmの区間は廃道と化し、道の跡さえ見つけられない状況。地図上でも点線表記・登山道扱いだったり、描かれてすらいなかったりするのだが、法律上は国道である。だがその実像は完全に自然へと還った山中でしかなく、どう見ても登山道とすら呼べない有様になっている。後述の踏破チャレンジのようにロッククライミング技術でもなければ人力での踏破は不可能である。というか突破はまず無理なので絶対に真似しないでほしい。
なおその後、トンネル工事の技術が進歩すると最短ルートの清水峠越えは重要視されることとなり、上越線の清水トンネル、上越新幹線の大清水トンネル、関越自動車道の関越トンネルが峠近辺の地下を貫いている。
関連リンクの踏破チャレンジにおいては、当時の記録にも残っていなかった幻の隧道(トンネル)跡が見つかったりと様々な発見がある。放棄から100年以上が経過し、もはや人工の「道」というものを全く留めていない様子が克明に記録されているので、興味があれば是非読破していただきたい。
平沼義之氏による踏破チャレンジ記録。群馬側からのチャレンジもしているとの事だが未記事化。
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最終更新:2025/04/01(火) 12:00
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