渡辺秀武

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渡辺秀武（わたなべ ひでたけ）とは、元プロ野球選手である。故人。

概要

OB
渡辺秀武
基本情報
国籍	日本
出身地	静岡県富士市
生年月日	1941年9月16日
没年月日	2007年8月25日
身長 体重	183cm 86kg
選手情報
投球･打撃	右投右打
守備位置	投手
プロ入り	1963年
引退	1982年
経歴
選手歴 静岡県立富士高等学校 本州製紙 日本軽金属 読売ジャイアンツ(1963年-1972年) 日拓ホームフライヤーズ 日本ハムファイターズ(1973年-1975年) 大洋ホエールズ(1976年-1977年) ロッテオリオンズ(1978年) 広島東洋カープ(1979年-1982年)
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1941年9月16日生まれ。静岡県富士市出身。中学生時代は内野手としてプレーしていた。

富士高等学校に進学。3年の途中まで内野手であったが、投手としてもプレーするようになった。

1960年に本州製紙に就職。その後、日本軽金属へ移籍。移籍先で急成長を遂げ、1963年には都市対抗野球大会に河合楽器の補強選手として出場。チームのベスト4進出に貢献した。

大会終了後、読売ジャイアンツに入団が決まり、翌年1964年に正式に入団した。

入団後、イースタン・リーグ最優秀防御率を受賞するなど二軍では活躍を見せたが、一軍ではなかなか結果を残せなかった。

1966年、オープン戦が雨で中止になった際、遊びで杉浦忠の投球フォームを真似たところキレのあるボールを投じ、これを見ていた藤田元司コーチから「腰の回転がオーバースローじゃない」と言われ、アンダースローに転向。この投球フォームの変更により才能開花。同年初の二桁勝利となる13勝を挙げ、防御率も2.34と大きく飛躍。翌1967年、2年連続で13勝を挙げる。

1968年、1969年、2年続けてやや低調なパフォーマンスの年が続いたが、1970年、平松政次に次ぐセ・リーグ2位の23勝を挙げ、5月の広島戦ではノーヒットノーランを達成するなど、チームのリーグ制覇に大きく貢献。一方で与死球はリーグ最多の14を記録し、以降引退までに4度のリーグ最多与死球を記録するなど、デッドボールは彼の代名詞ともなっていった。

1971年、成績としては10勝12敗と負け越したが、オールスターゲームでは9連続奪三振の後を受け2番手としてパ・リーグ打線を無安打に抑え、後続の投手もノーヒットに抑えたため継投でのノーヒットノーランを達成している。

1972年、10勝11敗と2季連続で負け越すと、シーズン終了後に高橋善正とのトレードで日拓フライヤーズに移籍。

移籍初年度1973年は主に先発として11勝を挙げたが、以降はやや低迷しリリーフでの登板が主となっていった。1975年オフに坂井勝二とのトレードで大洋ホエールズへ移籍。

大洋では1976年には47試合に登板し3勝7敗1セーブ、1977年には開幕投手を務めたが同年はわずか1勝に終わり、防御率も10.42と結果を残せなかった。シーズン終了後、田中由郎とのトレードでロッテオリオンズへ移籍。

ロッテでは主にリリーフとして36試合に登板し5勝をマーク。シーズン終了後、広島東洋カープの古葉竹識監督から熱心に誘われ、トレードで広島へ移籍。

広島では中継ぎ投手として3年連続で40試合以上に登板し防御率2点台という安定した投球内容で1979年・1980年のリーグ連覇に貢献した。

1982年、3試合の登板にとどまり、同年限りで現役を引退。引退試合では吉竹春樹相手に死球を記録し、日本記録とな144与死球を記録した^[1]。

引退後は広島のスカウトに就任し、川端順・長冨浩志・山内泰幸・澤崎俊和・新井貴浩・栗原健太といった80年代後半から2000年代にチームの中心選手となる選手たちを担当。中でも新井に関しては当初獲得を見送るつもりでいたが、新井から「契約金はいらないから入団したい」と懇願され、当時の監督である達川晃豊に獲得を進言。後にチームの顔となった。

2007年8月25日、肺炎のため死去。享年65歳。

人物・エピソード

相手打者の内角を厳しく攻める投球で活躍した長身アンダースロー。引退時に記録した144与死球は当時のプロ野球記録であった。

大柄な体格でありながら入団当初は気が弱かったことから「メリーちゃん」の愛称で親しまれた。このメリーちゃんの由来は当時のバヤリースオレンジのCMに出ていたチンパンジーのことであり、渡辺に似ていたことから呼ばれるようになった。普段の生活でも非常に穏やかな性格であったという。また、入団当初はNPB全体でもかなりの長身であったことから「富士山投手」とも呼ばれていた。

引退試合の登板前には古葉監督に「当ててもいいですか？」と尋ね、どうせなら1位がいいと言う渡辺の熱意に負け、相手打者を怪我させないことを条件に許可を出している。

通算成績

投手成績

通算:19年	登板	完投	完封	勝利	敗戦	セーブ	ホールド	勝率	投球回	与四球	奪三振	失点	自責点	防御率
NPB	606	76	18	118	100	8	---	.541	2083.2	404	1041	855	776	3.35

記録

• ノーヒットノーラン：1970年5月18日、対広島東洋カープ戦

関連動画

関連商品

関連項目

• プロ野球
• 読売ジャイアンツ
• 日拓ホームフライヤーズ
• 大洋ホエールズ
• ロッテオリオンズ
• 広島東洋カープ
• プロ野球選手一覧

脚注

1. *後に東尾修が更新している