漢和辞典(かんわじてん)とは、漢字が収載された辞典である。よく、国語辞典とセットで購入することが多いが、購入には吟味を要求される厄介な辞書類である。
漢和辞典とは漢字が収載された事典とは前述したが、厳密には漢文や漢詩の学習のために漢字を収載した辞典である。したがって収載されている熟語も日本語より漢語をベースにしており、そのため今日日広辞苑や大辞泉にすら載っていない難解な熟語がいくつも載っている。
これが漢和辞典にまとわりつく長年のジレンマであり、そのため漢和辞典を刊行しても、日本語や国語としての視点をどこまで盛り込むかが編纂者の間でも毎度の課題となっている。そこで三省堂では漢語学習に特化した「全訳漢辞海」と国語的な視点を重視した「新明解現代漢和辞典」の二冊を並行させている。この「全訳漢辞海」が現れるまで漢和辞典の定番として知られていたのが角川書店の「角川新字源」であったが、1991年を最後に改訂が行われていなかった。しかし、2017年、突如として25年の沈黙を破って改訂新版が登場している(出版社曰く改訂に25年かかったらしいとか)。また、改訂新版には主要購買層となりうる新高校生に訴求するため人気デザイナー中村佑介による特装版も刊行された。ほかに藤堂明保主宰で知られる学研の「漢字源」、小学館の「新選漢和辞典」、後述する大漢和辞典の編纂者が関わった大修館書店の「新漢語林」、旺文社の「漢字典」などが不定期に改訂、販売されている。出版社ごとに主宰となる編纂者が異なるため、字義などの解釈が大きく異なっているのも特徴である。また、これらの辞書の収載字数はだいたい1万~1万7千となっている。
更に専門家、マニア向けのものとなると漢和辞典の決定版として挙げられるのが大修館書店の「大漢和辞典」であり、収載字数は約5万字、全20冊に及ぶ漢語学者諸橋轍次の集大成である。ほかに角川書店の「角川大字源」、漢語より字源に興味がある人向けの白川静の「字通」シリーズ、はたまた博友社の「新修漢和大辞典」や冨山房の「詳解漢和大辞典」など戦前、戦後から続いている骨董品レベルの漢和辞典もある。
こんな凶器を分厚い辞書を持っていくのは嵩張ると中学生、高校生向けに刊行されたのが中高生向け辞典である。その草分けが旺文社の「標準漢和辞典」であり、後に学研が「現代標準漢和辞典」、三省堂が「例解新漢和辞典」を刊行しその需要に追随した。また、ほぼ中学生にターゲットを絞った「ベネッセ新修漢和辞典」というのもあり、これは五味太郎のイラストを採用したりと、小学生向け辞典の親しみをそのまま延長した感じとなっている。これらの辞書の収載はだいたい4000~7000字ぐらいであり、特にJIS第一、第二規格を補完している。
しかし、今日漢和辞典の売上は大きく落ち込んでおり、全盛期の半減以下となっている。また、紙媒体だけでなくアプリも多く誕生するようになっているが、スマホだと非常に使いにくいものが多いので結局紙媒体が見直されたりと試行錯誤が続いているようだ。漢和辞典出版から撤退した出版社も多く、かつてポケット辞典で知られた清水書店、大手では講談社、集英社などが漢和辞典事業から撤退している。
一方で小学生向けに「漢字辞典」という漢和辞典の弟分が刊行されている。漢和辞典との決定的な違いはあくまで漢字を覚えるための辞典であり、対象となっているのは常用漢字である。また、小学生に親しみを持ってもらいやすくするため、小学館は「例解学習漢字辞典」にドラえもんとコラボしたドラえもん版、学研は「新レインボー漢字辞典」にディズニーとコラボしたディズニー版、三省堂は「例解学習漢字辞典」にパンダをデザインした版がある。この漢字辞典は深谷圭助の辞書引き学習法という付箋を貼りまくって小学校で使い潰す学習法の普及によって大きく価値観が変わり、ほぼ漢字辞典を手掛けていた全社が耐久性の高い紙に刷新するようになった。そして学研がフルカラー版を発売すると、後にベネッセ、小学館、三省堂が全社ともフルカラー版で追随している(旺文社、文英堂は第4版を最後に辞書からは撤退、旺文社は教育漢字に絞り込んだ冊子タイプの辞典に切り換えた)。
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