熊野(くまの)とは、大日本帝国海軍に所属した、最上型重巡洋4番艦「熊野」をモデルにした、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する艦娘(かんむす)である。
担当声優はブリドカットセーラ恵美。担当イラストレーターはコニシ。
最上型重巡4姉妹の末妹、神戸生まれのおしゃれな重巡洋艦である。「~ですわ」口調が特徴で、入渠時には全身エステフルコースを所望なさるお嬢様。栗色の髪をポニーテイルにまとめている。
2013年7~8月のイベントで、姉の「鈴谷」と共に実装された。[1]
とはいえ、3面クリアボーナスだった「鈴谷」に比べ、イベント2面以降のボスドロップ(ゴーヤこと「伊58」と同じ条件)だったうえ、イベント終了後しばらく建造・ドロップ共に解放されておらず、手に入りにくい艦娘の一人であった。10月16日のメンテナンスで、ようやく建造でのみ入手ができるようになった。戦艦レシピで建造可能とのこと。12月24日のアップデートで追加された大型艦建造の最低値レシピでも入手が報告されているが、資材を大量に投じる建造に託すことには変わらない。どちらにせよ恐怖のWBCに打ち勝つ強運が必要である。
[2]通常海域でのドロップは2014年2月26日のアップデートで開放された5-4「東京急行」のボスドロップが初めてで、その後2014年5月23日で追加された2-5「沖ノ島戦闘哨戒」でも最深部でドロップが確認された。どちらも高い練度が必要とされる分、他のレア艦娘のドロップも確認されており、他のレア艦娘を狙って熊野をドロップするといったこともあるだろう。
最上型4姉妹は全員航空巡洋艦に改装できるのだが、「鈴谷」と「熊野」は共に改装レベルが35と比較的高めである。ちなみに史実で航空巡洋艦に改装されたのは「最上」だけである。
航空巡洋艦に改装されると水上爆撃機を搭載しての敵艦隊への開幕爆撃や潜水艦への対潜攻撃から、重巡洋艦譲りの火力を活かした戦いまで、戦術の幅が一気に拡がる。さらに運営のミスで2日遅れて4月25日からは水上爆撃機を搭載し、制空権を得ている場合に限り昼戦で連撃が可能となった。(ついでに夜戦時にしか聞けなかった謎の奇声「とぉぉ↑おう↓」が水上機発進時に加え昼戦でも聞けるようになt)
ただしどっちつかずにすると中途半端な火力しか出せなくなるので、水上機特化か砲撃戦特化か、艦隊や出撃する海域に合わせてどちらかに絞って武器を装備させよう。昼戦連撃を重視する場合は、敵潜水艦と接敵する可能性があるなら水上偵察機、そうでない場合は水上爆撃機と、出撃する海域に応じて使い分けたい。
なお改装時に姉の最上、三隈と違いなぜか鈴谷と熊野には航空巡洋艦に対応した台詞が追加されず、いつまでも自分のことを重巡と名乗るばかりであった。もっとも台詞が航空巡洋艦のものになると昼戦で例の奇声が聞けなくなる可能性があるので、このままでもいいのd(ry 鈴谷にも改二実装と同時に鈴谷改の台詞が一部変更され、航空巡洋艦を名乗るようになったため、一時的にではあるが対応した台詞がないのは姉妹で唯一となっていた。その2ヶ月後、熊野改二実装時に、ようやく熊野も「改鈴谷型航空巡洋艦熊野」と名乗るようになり、3年越しの矛盾解消となった[3]。
姉の2人が「もがみん」「くまりんこ」と(主に「三隈」が)呼ぶのに合わせて、ファンの間では「くまのん」と呼ばれる事が多い。それに合わせて「くまモン」とのコラボも見られる?
ちなみに、中破絵を見る限り胸部装甲は非常に平坦であるが、そちら方面で話題になることは現在のところあまりなく、むしろ、「とぉぉ↑おう↓!!」「ひゃぁぁぁ!」という戦闘時の独特な奇声の方が話題に上がることが多かった。おかげで南斗水鳥拳伝承者だのテニスプレイヤーだの言われている、特に後者は公式4コマでも言及された。
その他、姉である鈴谷と仲睦まじく描かれる二次創作も多く、次第に公式にまでその親密な関係が認知されるようになった。
が、その鈴谷が最上型にあるまじき重厚な胸部装甲持ちであることが知られるようになるに従って、その相方の熊野の平坦さも取り上げられることが増えてきつつある模様。
それ以外では、球磨を盟主とした「チームクマー」の一員として数えられることもある。ちなみにこの「チームクマー」の中で、実際に名前に「熊」の字が付くのは彼女のみだったりする(他は「球磨」「筑摩」「三隈」「阿武隈」あと場合によって「能代」、最近は「ポーラ」(ポーラーベアー=北極熊という連想から)、「ガングート」(ロシアと言えば熊という連想から))
自称「神戸生まれのお洒落な重巡」の「熊野」であるが、同じく神戸(川崎重工業神戸造船所)生まれの艦娘は結構多い(→神戸川崎艦娘を参照のこと)。カワサキか…。
このうち、同じ重巡仲間の加古、衣笠、足柄、摩耶、熊野については、公式4コマでも取り上げられている。
なお、神戸には川崎重工業神戸造船所の他に三菱重工業神戸造船所もあるが、こちらは商船が主で軍事方面では潜水艦を造っているのみである。艦娘の中では伊19が三菱神戸生まれである。
2016年のクリスマス直前のメンテナンスでは、事前の公式ツイッターの絵がサンタ姿の鈴谷になっており(例によって一部のみだが)、提督達は期待していた。
そしてメンテ明け、その期待通りの鈴谷サンタに加え、サプライズとして熊野サンタが登場した。いわゆるサンタケープを肩に纏ったお上品なサンタ姿が、熊野にとっても初の限定グラフィックとなった。
……なのだが、鈴谷のもはや暴力的とも言える胸部装甲を露わにしたボディコンサンタに提督達の話題が集中してしまい、熊野サンタは割と影が薄かったという。「ありえませんわ!」
ちなみにクリスマスの限定ボイスでは、積極的に提督にプレゼントをおねだりする姉に対して、熊野はターキーの丸焼きに夢中になっていた模様。やはりチームクマーか、この食いしん坊め。
2017年3月12日の改二予告ツイートが『条約型軽巡洋艦として生まれ、その後重巡洋艦に改装された姉妹たち。同改二改装は、姉妹の中では三番艦以降より実装の予定です。』と、まず鈴谷改二、それに次いで熊野改二が実装されるのではないかと予測できるものであった。また、3月22日に公開された「艦これ」×「三越」コラボ 第二次作戦で販売された特製コーチジャケットの説明に『「最上」「三隈」、改二実装を待つ「鈴谷」「熊野」提督におすすめしたいアイテムです』と書かれており、その文章からも近いうちに熊野にも改二が実装されるのではないかと推測されていた。
そして同年4月5日に、まず姉の「鈴谷」に"改二"、そして軽空母への改装となる"航改二"が実装された。
否応なく"熊野改二"への期待が高鳴る中、同年5月22日にほぼ予告なしに長門改二が実装され、さらに由良改二の実装も噂される状況の中、時は来た。
2017年6月5日。メンテナンスを翌日に控えた運営ツイッターの画像が、鈴谷航改二を思わせる服装・艤装に加えて栗色の髪の姿に変わった。実装直前にその姿をチラ見せするのはもはや恒例となっており、界隈は祝いの声で溢れた。
そして、翌日のメンテナンス終了後。
姉の鈴谷に遅れることほぼ2ヶ月、待望の航空巡洋艦熊野改二、そして姉同様にコンバート改装の軽空母熊野航改二が実装された。必要レベルは改二がLv84、航改二がLv88と鈴谷と同じである。そしてどちらの改装も(コンバートによる再改装時も含め)改装設計図が必要になることも同じ。ただ、鈴谷のときは「改二」が必須となる任務があって、早々に「航改二」にしてしまった提督が嘆く羽目になったが、熊野絡みの新規任務(新編「第七戦隊」任務系)は「航改二」になっていても受けられる模様である。
各仕様はそれぞれ鈴谷改二、鈴谷航改二とほぼ同じなため、使う際の注意点も鈴谷に準じる。ステータス的にはほぼ誤差の範疇ではあるが、鈴谷と比較すると若干防御より(鈴谷のほうが攻撃より)な位置付けとなっている。
服装も鈴谷と同じく、カーディガンの上に制服のジャケットを羽織った姿。スカーフタイがリボンタイになっているのも鈴谷と同じ。独特な髪飾りとポニーテイルの髪型は変更なし。プリーツスカートから覗く絶対領域が眩しいが、しげしげと見ていると「あまり下品な提督は嫌よ」と言われかねないのでほどほどに。
鈴谷では改二と航改二で下着の色が違うことが話題となったため、熊野についても早速剥いて検証してみたところ、改二では白、航改二では黒であった。さすが神戸生まれのお洒落な重巡である。なお、鈴谷のときはさらに大きくなったとも言われた箇所については、熊野は特に増えていないように見える(むしろ減った? とまで言われた模様)が、その分魅力的なおヒップを見せてくれる。某界隈では「胸の鈴谷、尻の熊野」と呼ばれているとか?
なお、あの独特の叫び声は変わっていない、というかむしろパワーアップしているのでご安心されたし。「とおおぉぉ↑おおう↓おお↑おぉ↓お!」
「熊野」は、1937年に神戸造船所にて、最上型重巡の最終艦となる4番艦[4]として就役した。ちなみに就航日は横須賀で作られていた3番艦の「鈴谷」と同日である。これには理由があり、2番艦の「三隈」の建造をしていたところで友鶴事件が発生、艦体強度不足を補強する必要性が明らかになり、3番艦以降の再設計を行ったためである。これによって3番艦「鈴谷」の着工が遅れてしまい、4番艦の「熊野」と同時に建造を進め、完成させる形をとった。この再設計により、「鈴谷」と「熊野」は改最上型もしくは鈴谷型とも呼ばれる。「最上」「三隈」の姉2人と絵師や服装が違うのはこのためと思われる[5]。
太平洋戦争開戦後、「熊野」は第2艦隊第7戦隊の旗艦としてマレー上陸作戦、バタビア沖海戦、ミッドウェー海戦、第二次ソロモン海戦、南太平洋海戦、マリアナ沖海戦、と次々と激戦をくぐり抜け、戦い続けることになる。この間、姉の「鈴谷」は常に同じ第7戦隊の僚艦として共にあり、さらにミッドウェー海戦では「最上」「三隈」も第7戦隊に配属され、最上型四姉妹揃い踏みの勇姿を見せた。しかし、その晴れ姿もつかの間、ミッドウェーからの撤退中に「三隈」と「最上」が衝突、「三隈」は敵に追い付かれて轟沈し、大破した「最上」も内地で修理となり、再び第7戦隊は「鈴谷」と2人となってしまう。
そんな「熊野」が最期に参加したのがサマール沖海戦である。「利根」「筑摩」を加えて新生第7戦隊を編成し、栗田艦隊の一員として参戦。他の重巡が次々と脱落していく中、一隻の落伍も出す事無く戦い続けていた。
1944年10月25日、栗田艦隊はスプレイグ少将率いる第77.4任務群と遭遇。艦載機の発艦を終えていない第77.4任務群は無防備の状態であり、栗田艦隊は獲物を見つけたと言わんばかりに突撃。熊野もこれに呼応して突撃を開始するが、敵艦隊の護衛を務めていた米駆逐艦「ジョンストン」からの雷撃により艦首を吹き飛ばされ、さらに発艦を終えた敵航空隊から空襲を受けて左舷缶室に浸水。すぐさま航行不能となり、第7戦隊旗艦を姉の「鈴谷」に渡して艦隊から脱落してしまう(なお、「熊野」の離脱後に「鈴谷」は轟沈したため、これが今生の別れとなってしまった)。応急修理によりなんとか動けるようにはなるが、もはや戦う力を失った「熊野」の、故郷への長い旅がここから始まった。
ちなみに勇猛果敢に攻め込んできたジョンストンは戦艦榛名の砲撃で大ダメージを負い、雪風や矢矧らによって討ち取られている。戦後になってからは、圧倒的な敵に対して味方を逃がすために単艦立ち向かった駆逐艦として、日本の「初月」と共に並び称されることが多い駆逐艦である。
さて、傷ついた熊野は戦域から離脱するため行動を開始するが、全艦が激しく戦闘を繰り広げており護衛の駆逐艦など望むべくもなかった。そのため単艦で戦域脱出を試みる。途中何度も空襲を受けながら[6]もなんとか切り抜けて翌26日にフィリピン・コロン島の停泊地にたどり着き、燃料を補給してマニラ湾に向かう。
しかし、28日になってマニラ湾へ着いてみると、そこには既に損傷を受けた日本軍の艦艇がひしめき合っており、まともに修理も出来ない状況だったため、応急修理だけして内地まで戻るよう命令を受ける。
そこで、応急修理後、同様に大破して内地に戻ることになった「青葉」と共にサンタクルーズ港から出航するも、バシー海峡で潜水艦4隻に襲われ、魚雷の直撃を受けて艦体が二つに裂け航行不能になり、曳航されてなんとかサンタクルーズ港に戻る(一方、「青葉」は潜水艦を振り切ってなんとか内地に戻れたが、こちらも二度と戦場に復帰は出来なかった)。
這々の体でサンタクルーズ港に戻った「熊野」を今度は台風が襲う。先の艦体破断で錨も失っていた「熊野」は危うく座礁しかけたが、なんとかこれを乗り切る。
だが、今度は日本に戻るための真水(ボイラーには必須)が足りなくなる。川からドラム缶で水汲みをして(1日あたり30tの水を汲んだという記録が残っている)まかなったが、これで日数を十数日ロスしてしまった。
ようやく準備を終えて、いよいよ日本へと出航しようとしていたその矢先の11月25日、サンタクルーズ港は大規模空襲に遭う。「熊野」は魚雷3~5発、爆弾4発を受け、ついに力尽き左舷から転覆して15時15分に沈没。その身を海の底に横たえた。
こうして、サマール沖の撤退から1ヶ月、15回以上の空襲に耐えて奮闘した「熊野」だったが、ついに日本に帰ることは叶わなかった。その身は今も、サンタクルーズ沖に沈んでいる。
1945年1月20日、除籍。
その後、「熊野」の名前はちくご型護衛艦10番艦「くまの」に継承(こちらでも「三隈」こと3番艦「みくま」と姉妹になった)された。
更に2020年11月19日、三井E&S造船玉野艦船工場にて30FFM(平成30年度計画のフリゲート多目的艦の略称)2番艦として「くまの」が進水。「熊野」から続く3代目として次世代の海防を担う新技術の結晶とも云うべきステルス性を持った船体が特徴。株式譲渡により社名変更した三菱重工マリタイムシステムズにて2022年3月22日に竣工し防衛省に引き渡されて就役。横須賀基地に配備された。
諸事情で建造の遅れていた同1番艦が2021年3月3日「もがみ」と命名され進水。2022年4月28日に就役し、「くまの」の僚艦として今度は横須賀で姉妹揃って活躍することになった。
こちらでは神戸生まれではなく、お隣の岡山生まれになった。ちなみに上記の2代目は舞鶴(日立造船舞鶴事業所→旧舞鶴海軍工廠)生まれなので見事に分かれていたりする(とは言え、割と隣県で建造されているのも珍しいと言えば珍しいか)。
2013年夏イベント 『南方海域強襲偵察!』 新規実装艦娘 | ||
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最終更新:2024/03/29(金) 09:00
最終更新:2024/03/29(金) 09:00
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