燃えよドラゴンズとは (モエヨドラゴンズとは) [単語記事]

燃えよドラゴンズとは、日本のセントラル・リーグに所属するプロ野球チーム、中日ドラゴンズの応援歌である。
通称は「燃えドラ」。作詞・作曲は山本正之。

概要

1974年、CBCラジオの生ワイド番組「ばつぐんジョッキー」で素人時代の山本正之が送ってきた「燃えよドラゴンズ」のデモテープが初めて流された。
この1974年に読売ジャイアンツのV10を阻止して20年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした年である。
非常に反響が大きかった為、板東英二が山本正之より版権を買い取りレコード化しようとしたが、坂東のマネージャーが「どうせ売れないだろう」と発言し、一時は断念したという過去もある。
しかし、CBC側がなんとかレコード化にこぎつけ、40万枚を超える大ヒットとなった（当時はオイルショックの影響もあり、生産が追いつかなかったらしい）。

最初の'74年版は元：中日のプロ野球選手、板東英二が歌っている。
板東英二が歌うことになった背景には、中日の元選手であったことの他に、「ばつぐんジョッキー」の月曜日パーソナリティを務めていたという事情がある。
山本正之の初の作詞・作曲作品としても有名。

応援歌には選手名が歌われている為、毎年歌詞が変わる。
曲自体が選手紹介となっているため汎用性が高く、動画やコメント等で中日以外の球団の替え歌になることも多い。
1番の「～詰めかけた」で歌われる本拠地球場に関してもその時代に合わせて中日球場（最初の2作と往年の名選手編）→ナゴヤ球場（'77から平成FIVE）→ナゴヤドーム（'98から）と変更、2021年からはナゴヤドームにネーミングライツが採用されてバンテリンドームナゴヤになったのに伴い、球場名ではなく「戦う中日夢強く」に変更となる。ちなみにファンがビジター戦など他の球場で歌う場合はその球場名に置き換えることが多い。

なお、番組企画で生まれた歌だけに長らく公式応援歌としては認められておらず、1997年にナゴヤドームがオープンした際は「嵐の英雄」というバッタもん公式応援歌がわざわざ作られ、ドームで流されるようになったが、全く定着しなかった。ファン、応援団は「嵐の英雄」がラッキー7の際にドームで流されてもそれを無視し、終わった後に応援団主導で「燃えよドラゴンズ」の1番を歌っていたのである。
そんな状況を鑑み、2002年より「ナゴヤドーム合唱編」→「球場合唱編」として球場で流すためのバージョンが作成され（事実上の公認）、今日ではこれがナゴヤドームのラッキー7の時などに流されている。

「球場合唱編」は歌詞に選手名を入れておらず、代わりにドラゴンズのライバルである5球団→11球団（セ・パ交流戦開始後）をドラゴンズが打ちのめす歌詞が入れられている。それゆえオーダーの変化に対応でき、年を通じて流せるような曲となっている。
他の球団を叩く歌詞が入っている球団歌・応援歌は、この曲の他には1970年代に作られた「燃える赤ヘルぼくらのカープ」や「とびだせヤクルトスワローズ」などが上げられる（また「燃えよドラゴンズ」でも、球場合唱編が作られる前から、他のセ・リーグ球団を叩く歌詞が入ったバージョンは存在した）。

また、愛知県のイオンやピアゴ・アピタ（ユニー）に代表されるスーパー、それに家電量販店のような小売店でも、ドラゴンズに絡んだセールを行う秋頃には「燃えよドラゴンズ」がよく流されている。
ここでも、昨今は「球場合唱編」が多く用いられている。

因みに「阪神タイガースの歌（六甲颪）」や「闘魂こめて（巨人軍の歌）」に相応する、中日の公式球団歌は1978年に発表された「勝利の叫び」であるが、これも「嵐の英雄」と同様、今日では「燃えドラ」の陰に隠れて無名の存在となっている。

燃えよドラゴンズ一覧(年代)

タイトル	発売年	歌唱	備考
燃えよドラゴンズ!	1974年	板東英二	中日が20年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!V2	1975年	南利明
燃えよ!!ドラゴンズ'77	1977年	ロイヤルナイツ	「ダッシュだドラゴンズ」のB面ここから球場名が「ナゴヤ球場」に変更
燃えよドラゴンズ!'79	1979年	山本正之	「はばたけ小松」のB面
燃えよドラゴンズ!!'82	1982年	板東英二	中日が8年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!!'87	1987年	たいらいさお	後述の後期Ver.は87年未発売
燃えよドラゴンズ!!'88	1988年	久野誠	中日が6年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!!'91	1991年	久野誠	アルバム「大竜界」バージョン
燃えよドラゴンズ!!'91	1991年	久野誠	CD シングルバージョン
燃えよドラゴンズ!平成FIVE	1993年	久野誠
燃えよドラゴンズ!!'87後期Ver.	1997年	たいらいさお	「続・山本正之作品大全集」に収録。
燃えよドラゴンズ!'98	1998年	山本正之	ここから球場名が「ナゴヤドーム」に変更
燃えよドラゴンズ!'99	1999年	舟木一夫	中日が11年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!2000 ミレニアム	2000年	板東英二 with CBC アナウンザーズ
燃えよドラゴンズ!2002	2002年	水木一郎
燃えよドラゴンズ!2004	2004年	水木一郎	中日が5年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!2005	2005年	水木一郎
燃えよドラゴンズ!2006	2006年	Moe Dra GirL	中日が2年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!2007	2007年	燃えドラオールスターズ	中日が53年ぶりの日本一
燃えよドラゴンズ!2008	2008年	松平健
燃えよドラゴンズ!2010	2010年	水木一郎	中日が4年ぶりのリーグ優勝
燃えよドラゴンズ!2011連覇記念盤	2011年	水木一郎	中日が史上初のリーグ連覇
燃えよドラゴンズ!2014 覇権奪還	2014年	水木一郎
燃えよドラゴンズ!2019 令和の激励	2019年	水木一郎
燃えよドラゴンズ！希望の果てに	2022年	水木一郎と山本正之	山本ががん闘病中の水木をサポートする形で初のデュエットレコーディング。水木が最後に歌唱したバージョンとなる。

燃えよドラゴンズ一覧(特別)

燃えよドラゴンズ!往年の名選手編('91収録)
燃えよドラゴンズ!韓国三銃士('99収録)
燃えよドラゴンズ!'99優勝記念盤
燃えよドラゴンズ!2006優勝記念盤
燃えよドラゴンズ!2007 日本一記念盤
燃えよドラゴンズ!'21 熱血FOREVER：『山本正之・THE ジタクライブ』カップリング曲。2021年 6月30日に死去した大島康徳を偲ぶ歌詞が設けられたバージョン。