牡とは、動物のオスという意味の漢字である。オスにあたる漢字にはほかに雄などがある。
漢字として
- 意味
- オス、丘陵、扉の鍵、という意味がある。〔説文解字・巻二〕に「畜父なり」とある。
- 字形
- 形声で声符は土。土が初文(牝は匕が初文)。甲骨文では生贄の動物の性別を表すのに使われ、牛に限らず羊・鹿などに添えられている。つちの意の土とは無関係で、甲骨文での形も異なる。土は動物の男性器の象形説などがある。士が変じたとする説もあるが、甲骨文では士とも形が異なる。
- 音訓
- 音読みは、ボ(漢音)、訓読みは、おす。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。JIS X 0213第一水準。2004年に人名用漢字に採用された。なお牝は人名用漢字ではない。
- 語彙
- 牡丹・牡馬・牡蛎
異体字
- 𡉯は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。異構の字。
- 𤚴は、〔集韻〕に「或ひは馬に从ふ」とある異体字。
- 𪋂は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。