特攻スライディング部隊とは、漫画『キャプテン翼』に登場する必殺技である。
明和FCの吉良監督が考案。複数のディフェンダーが一斉にスライディングタックルで襲い掛かる。その際にスパイクの裏を相手に向けている、スライディングどころか完全に飛び蹴りなど、現実で行おうものなら一発でレッドカード確実となる危険行為。一度かわされても反動をつけてまた戻ってくる、ジャンプでかわされても空中にいる相手の足を引っかけて無理矢理叩き落とす、と単純に凶悪な行動を取っているというだけでは無い、組織的に訓練された行動である。明和FCのディフェンス陣が日向小次郎の指示で翼に向けて繰り出したものが有名で、「明和特攻スライディング部隊」の名は当時の少年たちの脳裏に深く刻まれた。
後に、日向・若島津・沢田の三名は東邦学園に入学。残された明和FCのメンバーは東京のエリート校には入れず、地元埼玉の明和東中学に入る事になった。明和東のメンバーから見れば、日向たちは「一緒にサッカーをやっていた仲間だったのに、自分たちだけ強い学校に行ってしまった裏切り者」のような立場だった。そして日向が試合に出られない状況で迎えた東邦対明和東の直接対決。それは「作中で人気の主要キャラvs名無しのザコ達」という構図でもあった。ここで明和東のメンバーは若島津に向かって、総力を挙げて特攻スライディング部隊を敢行。劇的な一点をもぎ取ることに成功した。たとえ立場も実力も劣っていたとしても、努力と執念で一太刀浴びせることができると彼らは証明して見せたのだ。
対する東邦学園は真面目な学校で北詰監督も真人間であるため、さすがにこんな事はやらない……と思いきや、南葛との決勝戦では「東邦特攻スライディング部隊」を繰り出している。どうしていきなりこれが行われたのか少し疑問が残る。
全日本ではさすがにこんな事はやっていない。そのため明和・東邦限定の作戦になってしまっており、後にも使い続けられたスカイラブハリケーンと違って目にする機会が少ない。
だが、『ワールドユース編』で行われた、選手全員が突撃するスカイダイブシュートはまぎれもなく特攻スライディング部隊の後継と言えるだろう。こんなものを防げるキーパーがいるはずもなく、見事にゴールを挙げた。ミューラーが全力でパンチしたら全員吹っ飛ばせるかもしれないが。
続編『ライジングサン』ではドイツ代表チームがこれを彷彿とさせるスライディング部隊を敢行。しかしペナルティエリア内では反則を取られるとPKになってしまうという健全な理性が働いたためタックルの威力が低く、全て回避されてしまった。所詮は「偶然似た構図になった」と言うだけの事であり、初披露の際の日向の名言「どうしても止められない相手なら反則を犯してでも止めていいんだ!」という覚悟には遠く及ばなかった。ポブルセンがいたらきっとやってくれたはずだ。
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最終更新:2025/12/08(月) 01:00
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