注意!この記事には逆転裁判シリーズのネタバレが多分に含まれています。 |
狩魔豪とは、ゲーム『逆転裁判』シリーズに登場する人物である。
『逆転裁判』(リメイク版『蘇る逆転』も含む。以下シリーズ作品は番号で表記)の第4話が初出。以降のシリーズ作品ではスピンオフ作品である『検事』『検事2』にのみ直接の登場をしており、『2』『3』では彼の娘である狩魔冥に関連して少し触れられるのみにとどまっている。また『1』を原作とした実写映画版にも登場している。
年齢は『1』(2016年)で65歳。『検事』の第4話(2011年)では60歳。『検事2』第3話の過去編(2000年)では49歳。
ゲーム版での声優(「異議あり!」の音声)は『1』のBGMを担当した杉森雅和。実写映画版では石橋凌。『検事2』のTGS特別法廷でも声が当てられているが、この声優は発表されていない。
名前の由来は仏教やヒンズー教で「業(ごう)」を意味する「カルマ」から。英語版およびフランス語版ではドイツの貴族出身という設定になっており、「Manfred von Karma(マンフレット・フォン=カルマ)」という名前である。基本的に日本語版の名前の由来と無関係につけられる英語版逆転裁判の人物としては珍しく、日本語版の「カルマ」という音がそのまま残った名前になっている。
『1』第4話時点で、40年間無敗という経歴を持つ、検事局の生ける伝説として扱われる天才検事。劇中での年度ごとの最優秀検事を決定するグランプリ「検事・オブ・ザ・イヤー」で何度も受賞を果たしており、その賞品であるトロフィーの下にある受賞者欄を埋め尽くしている(ただし、『蘇る逆転』に登場した主席検事の宝月巴が過去3回受賞しており、同じく『蘇る逆転』で登場した罪門直斗が一度受賞しているので最低4度はとり逃している模様)。御剣怜侍および狩魔冥の検事としての師匠でもある。また休暇もほとんどとらず、ある一件の直後を除き40年間で一度も休暇をとっていないとされている。
身長177cm。体重は不明。銀髪でオールバックの髪型をしており、服装は御剣怜侍と同様のフリルを首に巻いてさらに襟や袖の装飾が派手な青色のスーツを着用している(『3』第4話や『検事』第4話に出てくる過去の御剣は同じデザインで赤色の衣装となっている)。イラストでは杖を突いているが、『1』の探偵パートでは脇に本を抱えているのみで、『検事』まで実際に杖を突いた彼の姿は登場しなかった。検事バッジは「むやみに見せず、ポケットにしまっておくのがオシャレ」という理由でつけていない。これはシリーズ全体の風潮らしく、彼の弟子を始めほとんどの検事がつけていなかったりする。なおデザインは御剣の没デザインである中年検事の姿のリファインで、デザインを担当した岩元辰郎氏は「華美にしたら重みがなくなったので吸血鬼のイメージを取り入れた」としている。
非常に傲慢な性格をしており、一人称は「ワガハイ」で人を「キサマ」と呼ぶなど、態度は尊大。裁判長にすら命令口調で話し、威圧している。『1』で裁判長に対し「お願いする」と言っていた部分が『蘇る逆転』で「やりたまえ」に修正されているぐらいである。
検事としてのスタンスは「犯罪者をすべて有罪にする」「カンペキな勝利」が信条であり、そのために証拠品の隠蔽や捏造、証言の操作などいかなる手段でも行うとされ、黒い噂が常に絶えない。『1』第4話で御剣怜侍は「私の10倍タチが悪い」と話しているぐらいである(直後真宵との会話後に20倍に修正している)。当の豪から見た御剣は「父親と同じで青く、一流にはなれない」とのこと。
その才能とカリスマから影響を受けた人々も多く、特に『検事』第4話や『3』第4話の御剣は彼に心酔し、多大に影響を受けていることがうかがえる。また、冥はその力によって自身にかけられる期待と重圧についても話しており、大きなコンプレックスを抱いていることが示されている。
一方で、糸鋸刑事が所轄署の標語を話したところ「機密事項を漏らした」として減給しようとしたり、3分で決着をつけようとして弁護人(成歩堂)にも協力しろと言い時間になると叫んだり、キャッシュカードの番号を法廷内であっさり話してしまったりとお茶目な部分も多い。なおキャッシュカードの番号は日本語版では「ヨロシク」の語呂合わせで「4649」、英語版では「ワガハイがナンバーワンだから」と「0001」にしてたりと、理由もお茶目。『検事』では一条美雲から「怖い」と言われショックを受けている。
家族は娘が少なくとも二人おり、うち一人が検事であり「二代目」となる狩魔冥である。もう一人はその姉で、検事ではないらしく、既婚者であり『1』時点で7歳になる娘(豪から見れば孫)がいる。家族については結構甘く、「妻の手料理は一流のコックにも負けない」とのろけたり、まだ幼い美雲が裁判所内にいるのを見て「あんな子供が走り回るとは、この国の司法機関は威厳が足りん」と怒っておきながら娘(当時13歳)を捜査に参加させていたりしている。漫画版では彼の知人の頼みで冥が占いのイベントに参加しており(占いはできないと言ってムチで追い払っていたが)、おまけ漫画では作者をムチで殺害(実際は昏倒してただけ)してしまった冥を見て「なんてことを~!」と驚愕しながら震えている。
法廷内での特徴的なモーションは指パッチン。「キィーン」というかなり鋭い音が鳴り響く。他には腕組みをして考え事をする時に服の袖を強くつかむ癖があり(これは娘の冥も同様)、余裕を見せるときは首を振った後手を前に突き出し指を振る。
以下、時系列順での作中の彼の描写を記述する。重度のネタバレのためスクロール。
2000年12月24日、天海一誠邸で行われたお菓子コンテストの中で発生した殺人事件である本件の担当検事として登場。
この事件で後の弟子となる御剣怜侍の父・御剣信と出会った。
容疑者・天海一誠の担当弁護士である信に捜査をほとんど認めず、さらに天海が一夜にして白髪になるほどの壮絶な取り調べを行ったことで信に恐怖を与える。
その後も信の捜査を制限し続けるが、唯一捜査を許した場所で新たな証拠品を見つけた信は、解剖記録が存在しないことから「実は検事も警察も死体を発見してはいないのではないか」という結論に至り、そのことを豪に問い詰めた。
証拠がないため深くは追及されなかったが、信の言う通り豪は死体を発見しておらず、天海を「共犯者の一人」として提訴することで強引に裁判に持ち込む。当時は逆転裁判世界における裁判制度の「序審法廷制度」が導入されていなかったため、裁判は長期化。決着がついたのは2001年12月28日のことであった。
当時の検事局長・一柳万才の手によって捏造された証拠品や記録を用いたことにより、裁判では被告人・天海を有罪にすることに成功した豪だったが、信が刑事と協力して行った取り調べの録音などから捜査の正当性が疑われた上に、証拠品のうち一つが捏造されたものであるということが証明されてしまう。
前述通りこの証拠は一柳が仕組んだもので、その狙いは力をつけ始めていた豪を失脚させることでもあった。この一件で豪は「処分」を受け、完璧な経歴にたった一つの汚点を残す。
味わったことのない衝撃を受け、裁判所の地下で一人になっていた豪だったが、そこで裁判所を大規模な地震が襲う。停電した裁判所内を手さぐりで進んだ豪は、エレベーターの前で突然破裂音を聞き、右肩に激痛を覚える。それは停電した影響で機密状態になったエレベーターで、パニックを起こした係官・灰根高太郎と信の争いを止めようと証拠品のピストルを御剣怜侍が投げつけ、暴発した弾丸が当たったためであった。直後に電気が復旧し、エレベーターが開くと争いの結果気絶した御剣親子と灰根の姿があった。豪は「これは運命なのだ」と確信し、信を射殺して現場から逃走。医師という証拠を残さないようにするべく、肩の傷の治療は受けずにその日から検事として初めての休暇をとった。これが後にDL6号事件と呼ばれる事件である。
DL6号事件の真相を暴くため、警察は霊媒で信を呼び出し犯人の名前を聞こうとしたが、死亡当時気絶していたため真犯人に気づけなかった(逆転裁判世界の霊は霊媒されないと現世に干渉できないため、幽霊になっても豪の姿は見れなかった)信は息子をかばい灰根を告発。このことで灰根の当時の婚約者であるサユリが自殺しており、灰根は生倉雪夫弁護士によって「心神喪失による」無罪判決を受けたことで、世間からは殺人犯扱いされ社会的な地位を失った。
警察が極秘に進めていた「霊媒による捜査」と「無罪判決という結果」は生倉の上司である星影宇宙ノ介を通じて情報会社である「コナカルチャー」社長の小中大にリークされ、その霊媒を行った倉院流家元・綾里舞子はマスコミから糾弾を受け失踪した。そしてその真相を暴くため舞子の娘・綾里千尋は弁護士を志した。
御剣怜侍はこの一件で弁護士に対する不信感と犯罪を憎む気持ちが強まり、父とは真逆の「検事」を目指して豪に弟子入りした。そしてその検事になった御剣の変化に疑問を抱いた彼の親友・成歩堂龍一は弁護士を志望するようになる。
以上のように、作中の主要人物はほぼ全てこの事件の影響を受けており、『逆転裁判』世界を形作る重要なきっかけとなっている。
「第2のKG-8号事件」と呼ばれるコードピア大使館員殺人事件にて、教育のためその裁判を御剣と傍聴。その事件の担当検事であった一条九郎が殺人の依頼人として告発されたため、当時20歳で検事に就任したばかりの御剣の初法廷をここと定め代役として推薦する。しかし、被告人が直後に裁判所内で九郎とともに死亡してしまい、御剣の初法廷はお預けとなった。
DL6号事件の公訴時効である15年が迫ったこの日より数日前、豪はひょうたん湖ボート小屋の管理人として自分を偽り生活している灰根にある指示を送った。それは「自分の地位を奪った生倉弁護士と、DL6号事件の真犯人である御剣怜侍に復讐せよ」というものであった。
この指示に従い、灰根は生倉を銃殺。さらに御剣の前で被害者を騙って銃を発砲し湖に逃げ、御剣に生倉銃殺の罪を着せようと画策した。この事件の依頼を受けた成歩堂と対決し、一度は有罪判決を下させるも、直後に成歩堂と御剣の親友・矢張の乱入によって判決が取り消される。そして成歩堂によって灰根が告発された。
その後、ボート小屋の管理人と灰根の関連を調べる為DL6号事件について調査を始めた成歩堂と遭遇。このときDL6号事件に関する証拠や資料はほとんど持ち出しており、さらに成歩堂が指示書を持っていると知るとスタンガンで成歩堂と真宵を気絶させ強奪した。しかしこの際、真宵によってDL6号事件で使われた弾丸を奪われる。
裁判3日目(12月28日)、成歩堂の活躍で生倉殺害事件に関しては御剣に無罪が下るが、直後御剣が自分こそDL6号事件の真犯人と発言。これもまた豪の計算通りであり、審理はそのままDL6号事件の裁判へと移行した。
当日が時効ということでただちに有罪判決を下させるべく裁判を進める豪だが、成歩堂によって真犯人であると告発される。そして肩に銃弾を受けたままであることを金属探知機で発見され、その弾丸とDL6号事件の弾丸の線条痕を調査するよう迫られついに自白。御剣親子への恨みをひたすら語ったのちに観念し、潔く「この法廷に幕を引くのはキサマの役目だ」と裁判長に告げ御剣の無罪判決を受け入れた。そしてDL6号事件の真犯人、御剣信殺害犯として逮捕された。
『1』第4話で逮捕されたことで、以降の作品にはほとんど登場しない。
『2』第2話では糸鋸刑事による娘・冥の説明の際に、成歩堂から「あの人はもう法廷に立てる状況では…」という発言をされており、少なくともこの時点では生存している模様である。
『3』第5話では冥の登場に際して成歩堂が「今はもう、いない」と発言。さらにその後「(冥は)お父さんを亡くしている」とも発言しており、この時点で既に死去している模様。死因は不明だが、双葉社の『逆転裁判3 真相解明マニュアル』では「死刑が執行された」とされている。
掲示板
58 ななしのよっしん
2023/04/11(火) 16:34:08 ID: skydyG+m4Z
59 ななしのよっしん
2023/07/27(木) 03:37:31 ID: wsa4SZ3Q0P
なんかこのスレにも>>17や>>37みたいに誤解してる人がいるけど、我が国の”刑事裁判”で有罪率99%なのは起訴便宜主義で確信が持てないのは嫌疑不十分だったり、軽いのは起訴猶予ではじいてるからだからな。検挙されても全体的に三分の二が不起訴になってるんだから。
逆転裁判は序審法廷制度などを見るに現実の我が国の犯罪情勢や刑事政策の前提が違いすぎるし、比較できるものではない。
60 ななしのよっしん
2023/11/10(金) 12:09:35 ID: /9Vg3Q9OtQ
やっぱそうだよな。他のwiki系のサイトでは「冥の姉の子供は日本版では姪または甥(海外版は姪で確定)」みたいに記述してるけど、どう考えても日本版でも姪じゃなきゃおかしいだろ。
だって、もし甥なら豪は「我が国では同性婚は認められていないぞ!」とツッコまなきゃおかしいんだから。マゴの年齢以前の問題だよ。(笑)
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最終更新:2024/04/24(水) 06:00
最終更新:2024/04/24(水) 06:00
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