玉城デニーは、日本の政治家、元衆議院議員、第8代沖縄県知事。
本名は玉城康裕。父親が米軍基地に駐留していた米兵で、自身は日米ハーフ。父親は氏が生まれる前にアメリカに帰国しており、氏は父の顔を知らない。
母親に女手ひとつで育てられ、上智社会福祉専門学校(上智大学が設置している専門学校)を卒業、のち琉球放送ラジオで人気番組「ふれ愛パレット」のパーソナリティを務めるなどした。
2018年8月8日、翁長知事が在職中に亡くなったが、玉城または沖縄県内の大手企業グループ「金秀グループ」会長の呉屋守将のいずれかを後継に指名する音声を遺していた。このことから、玉城の県知事選への出馬が取り沙汰され、この意を受けるかたちで出馬した(呉屋は出馬を固辞)。
2018年9月30日、沖縄県知事選挙で佐喜眞淳候補を8万票差で破り当選。第8代沖縄県知事となった。なお、他に2名の候補も出馬していたがそれぞれ得票率0.5%のみと、実質佐喜眞との一騎打ちのかたちだった。
2022年にも再戦を期して沖縄知事選挙に再出馬。玉城は米軍普天間飛行場の辺野古移設について反対を明示。辺野古移設容認を明示して再出馬した佐喜眞と再戦することとなった。
ただしこの時は玉城と佐喜眞の他に、元衆議院議員で大臣就任歴もある下地幹郎も出馬して経済振興を重視する層からある程度の支持を集めており、前回ほど完全な一騎打ちという様相は呈さなかった。
しかし開票日の9月11日、得票率一位が玉城で二位が佐喜眞、という前回の形勢は再現され、再選した[1]。
この結果については、佐喜眞がかつて世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連のイベントに参加していたことが選挙告示前に報道され強い逆風となったこと、岸田内閣の支持率低下、下地の出馬による保守票の分裂、などを敗因として分析する毎日新聞の報道記事もある[2]。
ただし、投票した有権者を対象とした「投票で重視した点」についての報道機関実施のアンケート調査では「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わり」を最も重視したと答えた回答者はわずか3%にとどまった。一方「普天間飛行場の辺野古移設に対する考え方」と答えた回答者が40%で最多であり、しかもそう答えた回答者の78%が玉城に投票していた[3]。よってやはり辺野古移設関連が最大の争点になったと見るべきかもしれない。
2026にも史上初となる3選目を目指して再出馬。しかし今回はオール沖縄や辺野古移設問題を前面に出さず、経済を中心とした政策を掲げた。
前述のように氏はオール沖縄を支持母体とし、その中心人物でもあるが、前回の知事選直後である2022年10月23日の那覇市長選挙にオール沖縄候補が敗れた事によりオール沖縄勢は以前からの市長選で7連敗となっていた。
2024年6月には辺野古基地で抗議団体を制止しようとした警備員が死亡する「辺野古ダンプ事故」が発生し、オール沖縄に批判が集まる。
同9月には基地問題解消の名目で米国ワシントンに設営されていた事務所が違法状態にあったことが発覚。
2025年1月には16日には辺野古移設の国との14件の裁判闘争が終了(和解・取り下げを除きいずれも敗訴)。
同6月には宮古島市長選挙によりオール沖縄勢の市長がゼロに。
2026年2月の第51回衆院選ではオール沖縄勢の立候補者が初の4区全てで落選するなど、オール沖縄そのものが衰退を見せていた。
そして同年3月16日に「辺野古沖抗議船「平和丸」「不屈」転覆事故」が発生。抗議船2隻に乗船し現場となった辺野古沖に来ていた乗組員2名と同志社国際高校の修学旅行生18名のうち、最初に転覆した「不屈」の船長と、「平和丸」に乗船していた女子生徒の合わせて2名が死亡、他数名の負傷者を出す大事故となった。
修学旅行での平和学習という名目の下、引率の教員が複数居たにも関わらず誰も乗船して居なかった事や、ライフジャケットを着用させていない等、杜撰な管理体制によって起きた事故であり、各種関連団体に批判が集まった。
その中でも抗議船を運営していた「ヘリ基地協議会」はオール沖縄勢力に属しており、デニー氏にもオール沖縄勢として、また知事らしからぬ消極的な対応にも批判が巻き起こり、一時は知事選出馬を見合わせていた。
こうした流れの中始まった選挙では、佐喜眞淳が出馬せず、下地幹郎も出馬を取り下げたことから新人で辺野古移設容認の立場をとる古謝玄太と一騎打ちとなる。
当初はそれでも現職であるデニー氏の優勢と見られていたものの、8月頃の調査では拮抗と伝えられていた。
しかし、選挙当日の9月13日、投票締め切り20時直後にゼロ打ちで落選[4]、約14.7万の票の大差で敗れ、29日に退任となり、翁長雄志前知事から12年続いたオール沖縄県政が終了した。
原因としてNHKが行った出口前調査では支持層が60歳~に偏っており、「期待する政策と投票先」に関してはデニー氏の投票者が最も重視した「基地問題」に関しては全体に対して17%と3番手となっていた。
1番手は49%「景気・物価高対策」2番手は20%「教育・子育て支援」でいずれも古謝氏への投票者が多かった[5]。
また、「基地移設」そのものに関しても「容認」が53%「反対」が47%と容認が上回り、2022年の「容認」43%「反対」57%から逆転していた[6]。
転覆事故の影響については「考慮した」と答えた層が6割を超えているが、考慮した上でのデニー氏への投票者も多く、逆に「考慮していない」と答えた古謝氏の投票者がデニー氏以上に多くいた。
以上からもはや辺野古移設関連は最大の争点では無かった選挙であったと見られる。
なお、知事選落選後にも知事としての任期が少しの間ではあるが残っているにも関わらず、新知事への業務引継ぎを部下に丸投げして自身は登庁せず本土や沖縄県内の共産党関係各所へ挨拶回りを行っていた模様。
米軍基地の県外移設・撤去を求めている。普天間飛行場をはじめとして、沖縄県内に駐留する在日米軍の基地を早期に閉鎖し、辺野古移設も断念、組織を整理縮小し、基地跡地を利用するべきだと訴えている。日米地位協定を不平等なものとし、これの抜本的に見直し、米軍に代わって自衛隊による沖縄の防衛が必要だと説いている。なお憲法九条の改正及び集団的自衛権の行使には反対している。
ほかにも地域主権や皆保険制度の継続、沖縄をアジアの中継拠点にする、ドクターヘリや病院船を導入するべき、なども主張している。
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