田島良保とは (タジマヨシヤスとは) [単語記事]

田島良保(たじまよしやす)とは、鹿児島県姶良郡(現：霧島市)出身の元JRA所属の騎手・調教師である。

概要

1947年 10月17日生まれ。近所に牧場があったことから、幼い頃から漠然と騎手になりたいという願望があったという。

中学卒業後、馬事公苑長期騎手過程に入り、1964年より騎手候補生として京都競馬：谷八郎厩舎に入門。同期には小島太、安田富男、池上昌弘らがいた。また1期下には花の15期生と呼ばれた福永洋一、柴田政人、岡部幸雄らがいた。

1966年 3月デビュー。この年谷厩舎の馬を中心に騎乗し、28勝を挙げ、関西記者クラブ新人賞を受賞している。

1964年、クリバツクで金鯱賞を勝利し重賞初制覇、更に同馬とのコンビで翌週の小倉記念も連勝している。同年は32勝を挙げた。

1971年、同年は11勝と勝ち星は伸び悩んだが、ヒカルイマイで皐月賞を勝利し初のクラシック制覇を達成、師である谷八郎にとっても初のクラシック制覇であった。同馬とのコンビで続くNHK杯も勝利し、日本ダービーでは、最終コーナー大外最後方からごぼう抜きを決め勝利を収め、戦後最年少のダービージョッキー(23歳7ヶ月)となった。レース後のインタビューでは「僕はダービーに乗ったんじゃない。ヒカルイマイに乗ったんだ」とコメントを残している。

1973年、宝塚記念ではハマノパレードで1番人気のタイテエムをクビ差で差し切り勝利を挙げ、この勝利以降、杉本清アナウンサーから「必殺仕掛人」と呼ばれるようになり、田島の渾名として浸透していく。

1980年、菊花賞ではノースガストで1番人気のモンテプリンスをゴール前の叩き合いの末勝利、戦後生まれ初の三冠ジョッキーとなった。田島はこのレースを「唯一自慢できるレース」と語っている。この頃から必殺仕掛人に代わり、「必殺仕事人」と呼ばれるようになる。

1981年、優秀騎手賞を受賞。

1983年にはキャリアハイとなる年間60勝を挙げ、全国リーディングでも7位にランクイン。

1984年、優秀騎手賞とフェアプレー賞をダブル受賞。

その後、「全盛期のイメージで馬に跨っているのにイメージ通りに馬が動かない」と1992年 2月現役を引退

通算成績：7790戦817勝、重賞40勝

引退直後に調教師に転身し、1993年厩舎を開業。栗東T.C.所属。

2001年には産経大阪杯にて、前年8戦無敗、うちGⅠ5勝と絶頂期を迎え無双状態にあったテイエムオペラオーを管理馬のトーホウドリームが下すという大金星を挙げている。

通算成績：3134戦292勝、重賞6勝

大レースで人気薄の馬で本命馬を負かす大物喰いを得意としたことから「必殺仕事人」と呼ばれた名手。八大競走・GⅠ レースの勝利はいずれも1番人気ではなかった。

騎乗スタイルはヒカルイマイのイメージで追い込みが得意と思われているが、実際は先行や逃げなどでも多くの勝利を挙げており、叩き合いにも強さを見せていた。また、テン乗りや乗り替わりでの騎乗で結果を残すことも多かった。

性格は真面目で職人気質。弟弟子の田原成貴や幸英明^[1]にアドバイスを送ることもあった。若手時代は勝ち気で生意気という評判だったそうである。

同期の小島太とは兄弟のように仲が良かったという。

※ニコニコ大百科に記事のある競走馬を記載。（　）内は田島騎乗での重賞勝ち鞍。

中央競馬の三冠達成騎手
クラシック三冠	牡馬三冠	★小西喜蔵 \| 蛯名武五郎 \| ★栗田勝 \| 保田隆芳 \| 増沢末夫 \| 武邦彦 \| 郷原洋行 \| 田島良保 \| 菅原泰夫 \| 中島啓之 \| ★吉永正人 \| ★岡部幸雄 \| 柴田政人 \| ★南井克巳 \| ★武豊 \| 河内洋 \| 四位洋文 \| 横山典弘 \| ★池添謙一 \| 内田博幸 \| 岩田康誠 \| 川田将雅 \| ミルコ・デムーロ \| クリストフ・ルメール \| ★福永祐一
牝馬三冠	前田長吉
変則三冠	前田長吉
中央競馬牝馬三冠	嶋田功 \| 横山富雄 \| ★河内洋 \| 松永幹夫 \| 武豊 \| ★幸英明 \| 本田優 \| 池添謙一 \| 安藤勝己 \| ★蛯名正義 \| 岩田康誠 \| 福永祐一 \| ★クリストフ・ルメール \| ★松山弘平 \| ★川田将雅
古馬三冠	春古馬	達成者無し
秋古馬	和田竜二 \| オリビエ・ペリエ
★は同一馬による達成者。変則三冠、古馬三冠は同一年達成者のみ。
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