田村藤夫とは (タムラフジオとは) [単語記事]

プロ野球選手一覧　>　田村藤夫

田村藤夫（たむらふじお、1959年 10月24日-）とは、日本ハムファイターズ、ロッテマリーンズ、ダイエーホークスに所属していた元プロ野球選手（捕手）である。

持ち前の強肩と優れたキャッチング技術で長らく日本ハムの正捕手として活躍し、現役晩年には城島健司の指導にも一役買っている。

概要

OB
田村藤夫
基本情報
国籍	日本
出身地	千葉県習志野市
生年月日	1959年 10月24日
身長体重	182 cm 85kg
選手情報
投球･打撃	右投右打
守備位置	捕手
プロ入り	1977年ドラフト6位
引退	1998年
経歴
選手歴関東第一高等学校日本ハムファイターズ(1978年-1995年) 千葉ロッテマリーンズ(1996年) 福岡ダイエーホークス(1997年-1998年) コーチ歴福岡ダイエーホークス(1999年) 日本ハムファイターズ北海道日本ハムファイターズ(2000年-2005年) 中日ドラゴンズ(2007年-2011年) 阪神タイガース(2012年) 福岡ソフトバンクホークス(2013年-2016年) 中日ドラゴンズ(2017年-2019年)
プロ野球選手テンプレート

1978年に関東第一高校からドラフト6位で日本ハムから指名され入団、80年にはヤンキースの1A級に野球留学し、81年の最終戦である阪急戦でプロ初出場を果たすと、日本を代表する盗塁王である福本豊の盗塁を刺している。

82年、それまでの正捕手であった大宮龍男が死球により一時離脱したことにより出場機会を増やし、37試合の出場ながら打率.308を記録、その後も徐々に出場機会を増やしていき、1985年にはついに大宮から正捕手の座を奪い取ることに成功。

86年は序盤からバットが好調で、右に左にヒットを量産し7月まで打率3割をキープしていたがその後失速。しかしこの年はプロ唯一の全試合出場を果たし、打率.274、19本塁打56打点の成績を残した。

88年には日米野球でMLBにおいて無失点記録を作っていたオーレル・ハーシュナイザーから本塁打を放つ活躍を見せ、89年は10月1日のダイエー戦でサイクルヒットを記録している。

93年には初のタイトルとなるベストナインとゴールデングラブに輝き、金石昭人との最優秀バッテリー賞も受賞。この年田村がFA宣言するかもしれないという噂が流れた際に、他球団がこぞって獲得に乗り出したが結局田村は年俸9000万、功労金 2000万という条件で残留。

しかし95年にスタメン定着以降初めて出場が100試合を切ると、この年のオフにロッテに金銭トレードとなる。

そして97年、以前日本ハムで同僚でもあった若菜嘉晴から「城島健司の手本になって欲しい」という要請を受けてFAでダイエーホークスに移籍、この年は22試合の出場に終わり、翌98年に現役を引退した。

引退後は日本ハム、阪神、中日など多くの球団でバッテリーコーチなどを務めており、2013年からは福岡ソフトバンクホークスの一軍バッテリーコーチ、2015年からは二軍バッテリーコーチを務めた。

2017年からは中日ドラゴンズの一軍バッテリーコーチを務める。2019年は二軍バッテリーコーチにまわり、同年限りで退任。

人物・エピソード

選手としては捕球・スローイング・リード、果てはミットの作り方に至るまでなど、捕手として求められるものを全て持ち合わせ、いずれも他球団の捕手たちの見本と言われる程のレベルの技術を持っていた他、リーダーシップにも優れており、日本ハムの選手会長を務めた事もある。

ただチーム自体は長らく低迷していたことや、同時期に名捕手・伊東勤の存在があったため、ベストナイン・ゴールデングラブのタイトルには1度しか獲得できなかったが、オールスターには9年連続で出場している。

投手に対しては常に投手のいいところを引き出すことを考え、マウンドでも怒るのでは無く常に激励を送り奮い立たせ、投手陣の信頼を得ることに成功、特に柴田保光は田村に絶対の信頼を寄せていた。

その努力が実を結んだのか、90年4月25日には柴田保光、95年7月5日には西崎幸広のノーヒットノーランをアシスト、特に西崎は過去2回、いずれも田村とバッテリーを組んでいるときにノーヒットノーランを逃した経験があるため喜びもひとしおだった。
一度目は89年の西武戦、7回まで完全試合ペースで投球していた西崎-田村のバッテリーは8回の先頭打者に清原和博を迎え、カウント2-2まで追い込んだ所で「速球かスライダーか」迷った末にスライダーを選択したところ、これを完璧にとらえられてホームランにされている。
二度目は95年の4月25日の西武戦、初回に四球を与えた以外は完璧な投球で7回までを抑えたが、迎えた8回の先頭打者であるデストラーデの打球をセンターの大貝康輔が見失って三塁打とし、これをきっかけに西崎はリズムを崩して3失点、試合も引き分けに終わっている。

そして7月5日のまたまた西武戦、この日はスタメンにデストラーデがおらず、西崎-田村はいつもより気分的には楽だったようで、田村は右には外角にスライダー、左には内角にといった配球で西武打線を手玉に取り、見事3度目の正直で西崎のノーヒットノーランをアシストした。