「異世界から帰ったら江戸なのである」とは、株式会社ヒナプロジェクトが提供する小説投稿サイト「小説家になろう」にて投稿されているWeb小説である。
概要
異世界で長年過ごしてようやく日本に戻ってきたと思ったら江戸時代だった主人公、見た目は少年中身は老人の九郎。蕎麦屋で居候をしながら江戸の日常にギャップを感じつつ飯を食べ美味いと楽しんだり、酒を飲んで遊び歩き妙な友人を作ったり、時には悪党と喧嘩をして岡っ引きから逃げたりと小さくて賑やかな世界、江戸での九郎を取り巻く時代小説風日常コメディ。
作者、左高例氏の軽快な文章と絶妙なパロディネタ。江戸時代の事細やかな時代考証やグルメ作品のような食べ物の解説が人気の作品である。特に最後は腹が減っている時程みていて辛いものはなし。異世界の濃ゆい登場人物に一度は圧倒されるが、江戸時代に出てくる登場人物も異世界に負けず劣らず濃ゆいメンツが揃っている。
11月30日にエンターブレインから書籍化された。ただの文章のコピペではなく、所々加筆修正がなされており、Webで既読の読者も楽しめる内容になっている。挿絵担当はユウナラ氏。
登場人物
- 九郎
- 物語の主人公。20代半ばに異世界に飛ばされ、そこから老齢期まで過ごし、魔女によって若返り、魔王の手により異次元から返された先は、現代日本ではなく江戸時代の日本であった。一言で言うにはあまりに複雑な経歴を抱えている人物。肉体年齢は14歳頃だが、実年齢は95歳という立派な後期高齢者。その為口調や物腰が落ち着いているというか、すっかり枯れ切っており爺むさく、どんな女性が粉をかけてこようとも娘か孫のようにしか見れず、性欲も歳相応に失せている。なお巨根。
転送先も中途半端に、夜の山でさまよっていた所を六科に出会い、それを切っ掛けに"縁のむじな亭"という蕎麦屋に居候することになる。終末期の老齢の過ごし方にすっかり慣れきった九郎はあくせく働くのも馬鹿らしいと考え、閑古鳥の鳴いている"緑のむじな亭"を繁盛させる事を目標とした、経営コンサルタントを志願するようになった。主に自分が楽隠居する為に。
大方彼を中心に物語は進み、言うなれば巻き込まれやれやれ的になんだかんだといった形で話は進む。本人は怠惰な性格だが、面倒見は良く、物事を解決出来る能力もある為、周囲からの信頼は厚い。腕っぷしとしては異世界時代に傭兵をしていた過去もあり荒事には慣れており、身体能力の強化符などをはじめとした異世界謹製のチートアイテムも相成ってチンピラ程度は軽くあしらえる。但し荒事に慣れているというだけで本人が飛び抜けて強いというわけではなく、人知を越えた相手との一騎打ちや多勢に無勢といった戦いには手こずる事が多い。長年の経験に基づく勘と駆け引きが彼の最大の武器である。普段は魔女と魔王の魔改造品であるアカシック村雨キャリバーなる太刀を腰にぶら下げている。
- 縛ったり出来る細長いアレ。
- 六科
- 体に鵺(ぬえ)の刺青を持つ元鳶職兼火消し現蕎麦屋の寡黙な偉丈夫。フルネームは佐野六科。
病気を患った父親の見舞いから帰路へと赴く夜中の山中で、一人野営を行って鍋をつついていた九郎と出会った事から物語は始まった。料理人であるが、物事を深く考えない性格で、味音痴も手伝って蕎麦や汁の分量の加減を知らない。そうして適当にこねてゆでて出来た拷問めいている程、クソまずい蕎麦を客に出している為、"緑のむじな亭"は繁盛していなかった。
九郎や親しい隣人が懸命に対策を施すも上記の性格もあり、自分なりに最適化という名の適当処理を行うため、3日で忘れてしまう。だので九郎は彼でも美味しく作れる単純お手軽メニューを度々考案して、どうにか普通レベルの店を保とうと苦心している。
- お房
- "緑のむじな亭"で働く六科の10歳前後の一人娘。毒舌ながらも活発な童女で、店の事を悪く言う者には容赦無い。フルネームは佐野房。
突然居候としてやってきた九郎に最初は警戒するが、九郎の面倒見の良さと、彼が新メニューを開発しそれがそこそこ売れると言った形で実績を作って行くことで、徐々に信頼を寄せて行くようになる。話が進むに連れて守銭奴と商魂逞しさが見え隠れし、近くの飯屋が繁盛して自分の店に客が入らないと知るや、周囲が冷や汗をかくような妨害工作も行おうとしたりもする。
- 鳥山石燕
- 本作のヒロインの一人。江戸時代後期に実在した著名な浮世絵師。史実は男だが、何かのお約束か、作中では女性である。六科の姪で、本名は佐野豊。
一言で言うならアラサー喪服未亡人眼鏡尊大酒豪アル中病弱ホラ吹き邪気眼ポンコツ巨乳アラサーお姉さんというありとあらゆる要素てんこ盛りのキャラクター。金貸しの元夫(70代)が遺した遺産と絵師の収入で食うに困らぬ生活を送っている。"緑のむじな亭"を繁盛させようという九郎を気に入り、自らスポンサーを買って出る。それ以降、九郎とは気のおけない飲み仲間になって、度々彼の元に遊びに行ったり、旅行に出かけたり、食道楽を共にしている。全部彼女のオゴリで。
九郎はそれ以外でも彼女から度々金を借りており、彼女も満更でもなくかなりの大金をポンと渡す為、彼らを知るものからは若い燕だのヒモだとか言われ、特に九郎は後者を口に出すことすら嫌がる程気にしている。
物語のボケ役兼解説枠であり、とりわけ妖怪や超常現象の類には詳しく、本人も霊感が強い。が、その発言はどこかしら胡散臭く、実際ホラ話も混ざっている為、九郎からはしばしば冷ややかなツッコミや態度を返され、凹んだりしている。しかし、なんだかんだで一番九郎に近い距離に居るのは石燕であり、美味しいポジションは確保している様子。
- お八
- 九段北にある武家御用達の大きな呉服屋「藍屋」の末っ子。そのバストは平坦であった。亡くなった六科の妻お六の妹で、"緑のむじな亭"の面々との交流も深い。
どんな相手にも男勝りもかくやといった乱暴な口調で接する女の子で、何処かの金髪の子だか某番組で人気だった早稲田の大学生だかのように「だぜ」を付けるのが特徴。その為、良家の家庭でガサツな自分は疎まれていると思い込み、両親や家族に認められたいと願い、実家に迫る押し込み強盗の危機を一人で解決しようと個人行動をとっていた。その時に九郎と出会う。
騒動の折に強盗に人質に取られていた所を颯爽と救ってくれた九郎に好意を持ち、それ以降共に行動する事が多くなる。年齢は14で九郎とは外見年齢上では同い年に当たるのだが、当の本人からは孫扱いされている。後に六天流道場に弟子入り。血尿を出すほどしごかれているが、なんとかそれらをこなしている。
- 玉菊
- 見よう見まねで覚えた廓詞(くるわことば)を使い、少女の色香を漂わせる陰間の太夫。つまり男の娘。暴漢に薄い本のような酷い事をされる直前に九郎に助けられたのを切っ掛けに一目惚れ。九郎に一気に迫ろうとして川へぶん投げられる。その後もつきまとう様な形で度々姿を現し、いつのまにやら馴染んでしまっていた。味方サイドに対してのバイオレンス描写は少ない作品の中で、二階から落とされたり、首を極められたり、ハリセンでふっとばされたり、作中でも割りと酷い扱いを受けているが、彼はものともしていない。男色家と思いきや、石燕の胸を鷲掴みにして有難がるなどの描写もあり、どうやらどっちでも行ける方らしい。
- 晃之介
- 神田の外れに「六天流道場」を構える若くも逞しき武芸者。フルネームは録山晃之介。
挑戦金二分、勝てば一両進呈という張り紙を付けて、挑戦者を返り討ちにし、生計を立てている。剣のみならず、弓術、槍術、短刀術、棒術、拳の計6種の攻撃手段を持ち、そのどれもが達人級。流れで道場に立ち寄った九郎が晃之介と手合わせした事を切っ掛けに仲良くなり、友人となる。
- 利悟
- フルネームは菅山利悟。浪人風だがこざっぱりとした20代ちょっと上くらいの町方同心。男女を問わず13歳以下の子供を愛好する稚児趣味で、江戸に住まう幼子は全て把握していると豪語する。当然の事ながら、子を持つ親や、事情を知る子供たちからは冷たい目線を向けられているが、仕事はしっかりしていると評判で、江戸の"同心二十四衆"の『青田刈り』の利悟の称号を得ており、奉行所にも目をつけられている。
- 影兵衛
- フルネームは中山影兵衛。火付盗賊改方付の同心。
- 顎髭を蓄えた大柄の中年男性で堅気とは到底思えぬ程の悪人面をしている。
実家は三千五百石旗本の家柄で、祖父が火盗改の実質長官であった中山直房(なおふさ)である。要するにいいとこのボンボン。押し込み強盗、火付け、辻斬りなどの現場を押さえる嗅覚と勘がよく働くが、ひとたび現場に出くわすと必ずと言っていいほど犯人を斬り殺してしまう為、同僚から危険な男として恐れられている。 飲む打つ買うも当然の様に行い、およそ同心とは思えぬ生活態度だが、剣術指導は的確で人望があり、教養もあり、検挙率も随一であり、一言で言うなら有能な男である為、下手にクビにさせて自由を与えると、余計に危険が及ぶのではないかという理由でその職を許されているきらいがある。火盗改の詰め所に九郎とお八が押し込み強盗の通報をしようとした際に影兵衛と出会い、それ以来、悪友のような関係が続いている。
因みに書籍第一巻の最初の頁では彼と六科のツーショットがお出迎えしてくれる。二巻の見開き挿絵は描写的に見て彼が悪役の頭領にしか見えない。
- お雪
- 六科の管理する長屋で暮らす、目元を前髪で隠した盲目の黒髪美人女性。九郎の事を九郎爺さまと歳相応に扱う数少ない人物の一人。職業はあんま師で、幕府関係にも顧客を持つ程、一流の腕前を誇る。幼少時代、元々視力が弱かったところを、火事で得た怪我が元で視力を完全に失う。その時に六科に助けられた事をきっかけに彼に好意を持ち、妻の亡き後、彼の後妻を本気で狙っている。普段はお淑やかで朗らかな女性だが、六科の事が絡むと恋する乙女のブレーキが止まらず、九郎も思わず引いてしまう程。
あんま師の仕事の傍ら、"緑のむじな亭"でそば打ちの手伝いも行う。本職で培った腕力を遺憾なく発揮して、コシの強い蕎麦を打てる。それ故、六科の指導係として活動するが、六科自身、料理に関してはポンコツである為、教えても3日で忘れる。されど彼女は彼と接触できる機会が増える為、気にはしていない様子。
- 阿部将翁
- 史実にて実在していた薬学史。学者ではあるが、医術の心得もあり、病弱の鳥山石燕を始めとして、多くの顧客を持つ。狐面を斜めに被り、薬箪笥を背負う薬売りのなりをしており、中性的な淫靡な香り漂うイケメン。何気に出番が多く。医療の枠組みにおいては彼の独壇場である。
- 百川子興
- 史実にて実在していた絵師。後の栄松斎長喜。鳥山石燕の弟子。
猫を象った髪型をしており、一人称が小生の女性。胸がでかい。腕はいいが、ぐーたらな師匠の元、家事をしているおかげか、その辺りの一般スキルは上等。石燕のオカルティックな風評被害のお陰で、彼女自身に出会いの機会が極端に薄れているのが専らの悩み。
- 天爵堂
- 史実に実在していた人物、本名は新井白石。元旗本・政治家・学者。作中では物書きとして余生を過ごしている。江戸時代にしては長生きの60代後半の老人で一人称が僕の僕っ爺。外見年齢だけは若い九郎の事を歳相応に扱う数少ない人物の一人。若い頃は文武両道のイケメン。剣の腕は今でも衰えを見せず、影兵衛すら頭が上がらない(家族関係で幼少からの付き合いもあるが)。
官職を致仕する前後でのイザコザから、幕府に並々ならない恨みを持ち、目安箱や著書に熱のこもった幕府批判や皮肉を入れて憚らない。
- ひとつの大陸がある星に人が生きる世界。多種に渡る知的生命体が暮らし、戦乱が絶えない。
神も悪魔も存在し、地球や他の別世界からやってきた人もいる。
ファンタジーな世界観だが、うどんが普及している。コンビニも全国展開している。蕎麦はない。
※ 此処から先は書籍には入っていない情報も含まれておりますので、閲覧にはご注意を願います。
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- 魔王ヨグ
- 自らを魔王と名乗る異界物召喚士。虹色の髪に右手の義手。胡散臭い目元とメガネが特徴で10代後半程の少女の姿をしている。日々を面白おかしく生きる享楽主義者で、気まぐれに大規模破壊活動を引き起こしたり、ついかっとなって神様をやっちゃう、ペナルカンドで随一の迷惑な存在。現代日本へと送還する手がかりを見つけるべく、九郎と魔女のイリシアが魔王城を訪れたのが出会いの切っ掛けで、すったもんだの末に二人と仲良くなった。九郎の事をくーちゃん。イリシアの事をいーちゃんという愛称で呼び、数年間、遊び呆けながら九郎の現代日本送還の研究を行っていた。
しかし、研究完成一歩間近の所に魔王討伐隊がカチコミに現れて(江戸時代に飛ばされた原因である)、防衛むなしく最終的には魔王城ごと討伐された。 魔女は死に、メイドは破壊されたが、ヨグだけは九郎の空間転移のドサクサに紛れて、自身が作成した固有空間に逃げ込み、見事に生きながらえる事に成功。現在は悠々自適な引きこもり生活を送っている。引きこもり過ぎて腹がみっともなく出ているくらいに。
舞台の上から面白おかしく状況を眺めている読者代表の様な人物なので、石燕以上にぶっちゃけたメタ発言とパロ発言が多く、書籍化においては偉い人達からの修正という名の粛清が最も危ぶまれる人物である。
- イリシア
- 青い髪が特徴の魔女。青い髪は魔女にしか現れない。幼い頃約束した、年老いた九郎が元の世界に戻りたいという願いを叶えるべく、共に20年間、寝食を共にしながら世界中を放浪していた。九郎とは祖父と孫のような関係で普段はクロウと名前で呼ぶものの、特別な時などは「爺ちゃん」と言う事もある。九郎も利用している符術の多くは彼女が制作したもの。同じ符術でも彼女の行使するそれは、九郎と比べるべくもなく、例えるなら一般人とZ戦士くらいの差がある。
魔女の特性か、本人の気質か、単なる事故か、トラブルメイカーの気があり、世界中を旅しつつも実験と称して自然環境を著しく乱すわ、健康食品と称して寄生虫を世界中にばら撒くわ(効果自体は正しく効き目あり)、血と硝煙のロックコンサートでクラウザーさんごっこするわで、彼女の気まぐれで国が滅んだ事も一度や二度ではなく、順調にヘイトを集めて賞金額がポンポン跳ね上がっている。いつの間にか魔女の騎士と呼ばれた九郎は彼女を抑える為に気苦労が絶えなかったという。
20歳の時に不老となったので、実年齢はもうちょっと上。余談だが、イリシアはヨグ曰くボン・キュッ・ボンのスタイルをしており、書籍の挿絵に置いてもその特徴を遺憾なくアッピルしている。ついでに言えば九郎は旅の途中、当たり前のように彼女と一緒に風呂に入ったりしていたのだという。けしからん。
- イモータル
- 魔王ヨグが作成した全域対応型侍女。無表情で機械的な返答で返すザ・メイドロボ。 666もの兵装を持ち、有事においては亜空間に保管していた素敵ギミックを開放し、狼藉者を殲滅する。
基本的に命令に忠実に動く、奉仕者の鑑のような人物だが製作者のヨグに関してツッコミが容赦無い。メイドという仕事に誇りを持っており、ヨグが自動型掃除機やらコーヒーメイカーを作ろうものなら、一晩でスクラップにしてしまう程、他人に仕事を取られたくはないらしい。
- スフィ
- 銀髪の長い髪にどこかの青田刈り同心が見たら泣いて喜びそうな。ロリ体型のちびっ子エルフ。
ペナルカンドへ転送された九郎を拾ったのがスフィで、以降、ジグエン傭兵団に所属した時に、九郎は彼女からペナルカンドの常識を教わっていた。
歌の神を信仰しており、聖歌を歌う事でPTにありとあらゆる支援や回復効果をもたらす神官で、傭兵時代の九郎は彼女の盾役を務めていた。九郎とは体格差はあれど、年は近く、彼の半生においては彼女が一番長く共に居て、もっとも影響を与えられた人物と言っても過言ではない。彼女自身は、まあ、当然の如く、九郎に恋愛感情を抱いていたが、そこから恋人関係に発展しなかったのは、彼女自身のイザという時にヘタレる性格と、半世紀を過ぎても全く成長しない彼女の体格にも原因があったと言っても過言ではない。
- イートゥエ
- 3メートルを超える巨大な鎧に金髪の長い髪に小さい頭がちょこんと置かれた奇妙な風体をしている。デュラハンというファンタジーではお馴染みの体と頭が別れた魔法戦士である。挿絵の鎧姿は雄牛を思わせるデザインが物凄くカッコイイが、本人の顔立ちに即している感じではない。九郎とはクロちゃん。イツエさんと気軽に呼び合える程仲が良い友人。
元々は亡国のお姫様で、国が落城され、敵に捕まった時「くっ殺」と冗談で口走ったら本当に殺された。だが、生前纏っていた鎧のお陰でアンデットとして生き長らえる事ができ、以降、長らく変わらぬ姿で生活している。神による輪廻転生が一般化しているペナルカンドではアンデットの存在はあまり好まれるものではなく、税金や住まいでが一般人とは違った、重いペナルティを科せられており、イートゥエもそれにより相当苦労している様子。趣味は同人活動。何のとはあえて言及しない。
- オーク神父
- 茶色い体の大柄のこれいかにもと言った感じのオーク種族。我々系においての一般的なオークの描写と違い、一人称は僕の、巻き込まれ体質の草食系オークである。旅が好きで世界各地の秘境を歩いて渡るのが趣味。トラブルに良く巻き込まれ、ブルース・ウィリスさながらの脱出アクションを繰り広げることは珍しくない模様。更に、九郎とは違う意味合いで女難の相があり、異種族の女性とよくフラグを立てて、本人はそれからよく逃れている。雌オークとの純粋な恋愛が理想らしいが、それは異種族の女性の美の基準とは違うものらしい。
- ユーリ・シックルノスケ
- 頭に頭巾とメンポを被り、戦闘に置いては頭以外全裸になり、得物の鎖鎌を用いて眼前の敵を首チョンパするさまは、あからさまにニンジャなのである。「アイエエッ!」クロウ=サンは目の前のツキジめいたネギトロ死体にしめやかに失禁した。コワイ!
日本にて一般的に知られている忍者ではなく、ペナルカンド産の忍者。多分ニンジャソウルは宿していない。全裸になる理由は、古来RPGの忍者に影響が及んでいると思われる。なお、女性の忍者も存在する。そして脱ぐ。
- ジグエン
- ジグエン傭兵団という組織をまとめ上げている傭兵団団長。ペナルカンドへ転送された直後の九郎はスフィも所属していた傭兵団に入団することとなった。九郎は戦闘は不得手だったが、小器用に雑用がこなせる便利屋としての位置付けで団員からは重宝されていた。
酒癖が悪く、やたらと脱ぐ。直腸に酒を突っ込んで、悶え苦しんでいたり、裸踊りでイートゥエの生首をお盆に見立てて一物を頭に付けるといった感じで、その絡み方も現代社会で実践した日には冗談では済まされないであろう程、ロクでもない。
また、必殺技を大声で叫ぶ癖がある。その名称は「真っすぐ行って右ストレートでぶっ飛ばす」などと非常に長く安直だが、命名神を信仰している関係から、その方が威力が上がるのだとか。彼からジグエン流格闘術という形式で同じ様に教わった九郎は大声を出す必要性は無くても、律儀にその気質を受け継いでいる。
因みに二巻の巻頭カラーではユーリとジグエンのヌードがお出迎えしてくれる。
- クロウ
- 主役の九郎の事。ペナルカンド時代から以前の九郎を便宜付ける為、カタカナ読みでクロウと呼ばれる。家族構成はカメラマン(おそらく戦場の)の父と病弱の母と年の離れた幼い弟。海外に仕事に行き、収入も僅かだった父に代わって、九郎は二人を養うために、少なくとも中学生の頃からアルバイトで生計を立てていた。その仕事内容はどう言い繕おうにもヤのつく自由業の片棒を担いでいたとしか思えず、時折本人の口から漏れる業種はやたらと高価いおしぼりの販売からカイジの鉄骨渡りにまで多岐にわたる。そんな仕事を長らく続け、年齢が20の後半に差し掛かった所で、所属している事務所のトラブルに巻き込まれ、身を隠すために北方領土をぶっちぎった海域にて、蟹漁船で密猟を行っていた所、ロシア軍人に発見された。大時化の中で巻き起こった銃撃戦の最中、高波に攫われて船外へ放り出され、海底へと沈む。
そのまま溺死するかと思われたが、何らかの偶然が重なり、北国の冷たい大海原から、日差しの温かい大草原・・・ペナルカンドへと転送された。そこでジグエン傭兵団に所属していたスフィと出会う。なお、ここまでで彼の物語は序の口にも至っていない。
それから傭兵団から騎士へ、騎士から冒険者へ、冒険者から魔法学校の用務員へ、用務員から魔女の騎士へ、魔女の騎士から第四黙示へ、第四黙示からヒモへ・・・実に半世紀以上もの間、異世界ペナルカンドにて過ごす事となる。なお、その頃から女性遍歴にヒモめいた関係が脈々と続いている。
現在の爺むさい言葉遣いはスフィの影響で晩年、身に付いたもの。己れ(おれ)という一人称に変わりはないが、それ以外は普通の若者然と言った話し方をする。頭に血がのぼるとヤのつく自由業に所属していた影響か、語尾が荒くなる。大人Verでは身長は180cmと長身で、少年時代とは違いやや面長の優男と言った感じになる。2巻では騎士団時代の九郎の挿絵があり、その頃年齢は40近いが、年の割にはかなり若い。因みに江戸の頃から長身Verになると、ヒモ顔になる。
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