発光した田中さん(65)

　発光した田中さん(65)とは、発光した田中一朗さん（６５）の事である。

概要

【以下、文々。新聞の記事より抜粋】

　最近、幻想郷内で起きている突如物が光りだす発光事件だが、今度は人物が光りだした！

　

　事件はとある日の真夜中。田中一朗さん（６５）が部屋の中で発光しているところを家族によって発見される。

　彼を診断した医師によると、

 「健康状態は特に問題ないようね。ただ歳の割りにすごく元気なのが困り物だわ」

　彼に取材を試みたところ、なぜか包帯まみれで就寝中。

「ええちちしとった。わが生涯に一片の悔い無し！」と寝言を呟いていた。

　家族によると「ああ、また病気が始まったんですね。わかります」との事。

 

　今までに起きた発光事件。事件を整理すると骨董品や柱時計など『珍しいもの』『古いもの』などの報告が多い。

　人物を物に例えるのは悪い表現ではあるが、今回も『古いもの』と同じケースではなかろうか？

　今回も前回の記事同様、謎の線状のようなものが浮上していたようである。同じ形のものが二つあるのがお分かりだろうか？

　最初は一つのものが一朗さんから浮上し、そして二つに別れた後一つは彼の中に戻り、残るほうは虚空へ消えて言ったという。

　これが何を意味しているのか現段階では不明である。最近増殖した毛玉や、活発化した妖精と何か関係があるのではと、近隣住民の間で新たな異変の兆しと噂されている。

 

　異変解決のエキスパートナである博麗神社の巫女に、今回の話を聞いてみた。

「異変解決してもどこからも感謝されないし、報酬だって何も出ないのよ。あーもー、どっからかお金になる異変って起きないものかしら？　あ、賽銭箱がお金で一杯になる異変なら大賛成だわ。文、試しに賽銭箱に入れていってよ」

　相変わらずの緊張感皆無さである。

 

　今のところ、この怪発光の被害は届いていない。が、油断は禁物である。

　本誌ではこの怪事件の調査を、引き続き追っていくつもりである。 

 

【この記事の内容はフィクションです。実際の事件、人物、団体とは一切関係ございません】

 

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