白き魔女

白き魔女とは、日本ファルコムより発売されたRPGであり、その作中にて登場する、ある人物の通称でもある。

ゲームの正式タイトルは『英雄伝説III もうひとつの英雄たちの物語～白き魔女～』だが、移植やリメイク作によって表記が異なる。

概要

1994年3月18日にPC-9801版が最初に発売された。

英雄伝説シリーズの三作目であるが、前作の「II」までとはストーリー、世界観等一切の繋がりは無い。
また、続く『英雄伝説IV 朱紅い雫』と『英雄伝説V 海の檻歌』とは同じ世界観を共有しており、本作と合わせてこの三作はガガーブトリロジーとも呼ばれている。

物語はティラスイールと呼ばれる世界を舞台に、ある山間部の村に住む少年と少女が世界各地を旅する姿を描いたものである。そして、その旅の最中で二人は白き魔女と呼ばれる人物と世界の真実を知る事となる。

ゲームはトップビューの視点でフィールドを移動し、特定の位置に到着すると敵との戦闘が始まる。戦闘中は敵から逃げる事も出来るが、敵はそのまま残るので倒さないと先へ進む事が出来ない。
戦闘はフィールド上で敵と味方が入り乱れて戦い、オートバトルで展開する。
オートバトルは予めキャラクター毎に行動パターンの設定が可能であり、攻撃、回復、移動範囲、残り体力に応じた行動等が設定出来る。これは戦闘中にも変更可能である。
フィールドには高低差があり、登って来れない様な崖下に敵を突き落とすと倒した事になる。逆に味方が落とされても同様に倒された事になる。

魔法は攻撃中心の「カンド魔法」と、回復・援護中心の「チャッペル魔法」の二系統があり、戦闘中は無制限に使用する事が出来るが、複数ある魔法の内どれを使用するかの指定は出来ない。
その為、パーティー内に魔法使いが一人しか居ない時に、武器での攻撃が通じにくい敵を相手にする際は、攻撃魔法を使わせる様にキャラクターを上手く誘導する必要がある。

ゲーム開始時は主人公である少年と少女の二人だが、物語の進行に応じてパーティーのメンバーが入れ替わり、最大四人パーティーとなる。

リニューアル版

1994年12月16日にPC-9801用にて『英雄伝説III リニューアル 白き魔女』のタイトルでファルコムより発売。

これは戦闘の難易度が易しくなり、一部のBGMが変更される等、調整が加えられたものである。

以後、このリニューアル版が標準となってCD-ROM版や、WindowsのDOSプロンプトからの起動に対応したバージョンが発売された。

Windows版

1999年4月23日に『新 英雄伝説III 白き魔女』のタイトルでファルコムより発売。

後に発売する廉価版パッケージでは、タイトルから「新」の文字が外された。

主な追加・変更点

• 戦闘では攻撃や回復の対象、移動先等PC-9801版より細かく指定が出来るようになった。
• 作中に登場するシャリネと呼ばれる施設で見られる映像が、ドット絵からCGムービーへ変更。
• 人物のグラフィックパターンが増加。ある人物のグラフィックが汎用キャラのものでは無く専用グラフィックへ変更。
• BGMに新曲が追加。BGMはWAVE音源と、MIDI音源から選択出来る。

家庭用ゲーム機版

家庭用ゲーム機への移植、リメイク作は様々なメーカーから発売され、ゲーム内容はどれも異なる。

サターン版

1998年2月26日に『白き魔女～もうひとつの英雄伝説～』のタイトルでハドソンより発売。

基本的なストーリーと設定を残して、キャラクターデザイン、ゲーム中のグラフィック、戦闘システム等、全てを一新したフルリメイク作。オリジナル版とは大きく異なり、ほぼ完全な新作と言っていいものになっている。

PS版

1998年3月19日に『英雄伝説III 白き魔女～もうひとつの英雄たちの物語～』のタイトルでGMFより発売。

基本的にPC-9801版の移植であるが、戦闘システムはコマンドによるターン制に変更。

PSP版

2004年12月16日に『英雄伝説ガガーブトリロジー 白き魔女』のタイトルでバンダイより発売。

主な追加・変更点

• 背景画が3Dになり、会話時に人物の顔グラフィックが追加。
• ペットを連れて歩けるようになった。
• 敵と接触する事で戦闘が始まるシンボルエンカウント方式になり、戦闘もコマンド制に変更。
• 基本的なストーリーに変更は無いが、細かいイベントが削除された。
• 雑魚敵に「朱紅い雫」や「海の檻歌」の魔獣が登場する。

主な登場人物

• ジュリオ
  本作の主人公である少年。村に伝わる成人の儀式の為、幼馴染の少女と一緒に旅へ出る事になる。
  内気で大人しい性格であり、幼馴染の少女から「泣き虫ジュリオ」と呼ばれ泣かされる。
• クリス
  本作のヒロイン。ジュリオとは幼馴染だが歳は一つ上。
  本名はクリスチーナだが、愛称のクリスと呼ばれる事が多い。
  基本的には優しい性格だが、少々押しが強い所があり、特にジュリオに対してはそれが顕著となる。
• ローディー
  半ズボンのお兄さん。親の敵としてある魔獣を追っている。
• アルフ
  素性が不明な男性。仲間とはぐれ、空腹で途方に暮れていた所をジュリオたちから食べ物を分けて貰い、以後行動を共にするようになる。
  物腰は紳士的だが、やや浮世離れした所がある。
• ルーレ
  ギャンブル好きで元気なお爺さん。カジノに通い大もうけしているが、そこで得たお金をある事につぎ込んでいる。
• フィリー
  森の中で調薬師の母親と一緒に住む少女。
  美少女であり、ジュリオも彼女との初対面ではその可愛らしさに動揺する。
• グース
  泥棒の青年。しかし非常にドジである為、盗みに成功した事が無い。
  自称「究極の美男子」。
• シャーラ
  グースの相棒である女性。ドジなグースとのコンビ解消を常々考えている。

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関連項目

• ガガーブトリロジー
• 朱紅い雫
• 海の檻歌
• 英雄伝説
• ファルコム

関連リンク

• Windows版『英雄伝説III 白き魔女』公式サイト