相撲(ドラゴンクエスト) 単語

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相撲(ドラゴンクエスト)とは、ドラゴンクエストXにおけるバトルシステムのひとつ、「移動干渉」の通称である。その他の用法については「相撲」記事を参照。

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相撲(ドラゴンクエスト)とは、ドラゴンクエストXにおけるバトルシステムのひとつ、「移動干渉」の通称である。

→その他の用法については「相撲」記事を参照。

概要

「移動干渉」は、ドラゴンクエストXで初登場したバトルシステムである。

本作では、モンスターエンカウントしても画面は切り替わらず、そのままフィールド上でバトルが行われる。バトル中もプレイヤーフィールド自由に動き回ることが可で、モンスターの範囲攻撃から逃れたり、そのまま離脱したりすることも可となっている。

この「フィールド上を自由に動き回れる」ことを前提としたシステムが移動干渉で、バトル中はプレイヤーモンスター両方の体に衝突判定が設定され、お互いが障害物となってすり抜けられないようになる。これにより「後衛にモンスターの攻撃が届かないよう、前衛がモンスターの前に立ちはだかってブロックする」「前衛がモンスターブロックしている間に、後衛が飛び道具で攻撃する」などといった戦法が可となる。

こんな(↓)に。

前衛がブロックして後衛が飛び道具で攻撃する図

移動干渉中はプレイヤー側に相手を押す専用のモーションが用意されており、そのがまるで相撲のようであることから、このシステムプレイヤーたちから「相撲」という通称で呼びしまれている。[1]

なお、この相撲だが、本作と同じジャンルであるMMORPGで一般的に取り扱われている「ヘイトコントロール」という仕組みをアレンジしたものである。

一般的なヘイトコントロールと「相撲」の違い

ヘイトコントロールとは、乱暴に解説すると「モンスターの攻撃がほかのプレイヤーへ向かわないよう、自分へ引きつけるための立ち回り」である。(詳しくはヘイト(MMORPG)を参照)

この「ヘイト」(Hate)という言葉は、憎しみ・恨みといった意味の英単で、MMORPGにおいては、モンスターの敵対心の高さを表すパラメーター名として用いられている。

もともとは海外MMORPGEverQuest」で登場した"ヘイト値"が発祥であり、この値をもとにモンスターの攻撃対が決定されている。一般的には、バトル中の各プレイヤーにこのパラメーターが設定され、モンスターの嫌がる行動(攻撃や回復、挑発など)に反応して値が上昇していき、モンスターたちの行動順がまわってきた時点でいちばん高いヘイト値となっていたプレイヤーが攻撃のターゲットとみなされる、といった内容となっている。

このシステムを逆手にとり戦士やナイトといった頑丈なキャラクターがわざとヘイト値を多く稼ぐ行動仲間HP回復したり、挑発行動を行うなど)を行い、モンスターたちのターゲットを自分へ引きつけることで、後衛まで被害が及ばないように立ち回る。この行動が「ヘイトコントロール」である。

ヘイトコントロール深く戦略的な魅を持つ反面、直感性に欠け初心者が理解しづらいという側面も持っていた。そこでドラゴンクエストXが採用したシステムは、このヘイト値の概念をばっさりと切り落としてモンスターの攻撃対の選択をランダムとし、モンスターの攻撃が後衛に及びそうなときは、前衛がモンスターを直接"押す"ことでブロックする、というものであった。これにより、数値的な計算を挟まず、直感的に仲間を守ることができるバトルが実現したのである。

なお、この本作独自のバトルシステムの採用について、当時のディレクターであった藤澤仁氏は次のように振り返っている。

多くのオンラインゲームにあるヘイトコントロールというのは、例えば前衛職のプレーヤーが挑発をしてターゲットを自分に引きつけるというもので、自身もあのシステムを初めて理解した時に、完成度の高さにすごく感動しました。

ただ、「ドラクエ」で例えば戦士が挑発をして「ドラキー」を引き寄せるというようながあったとして、それが「ドラクエ」らしいバトルだとは思えなかったんです。一方でオンラインゲームプレイして最初に感じた違和感は、モンスターが自分のキャラすり抜けてしまう事でした。魔法などを使う後衛のキャラクターを守ろうとして自分が間に割って入っても、すり抜けてしまうんですよね。そこで“本当に体をって守れたらいいのに”と思ったことが、「ドラゴンクエストX」のバトルの原形になったと思いますね。

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…ただ、この相撲に関して、実現するためには相当にハードルが高かったことが別のスタッフより述べられている。

本作のインフラ面を担当する青山テクニカルディレクターによると「MMORPGで、自由に動き回るキャラクター同士の衝突判定をリアルタイムに(しかもラグなく)行う」という処理は大量のサーバーソースを消費するらしく、本作のサーバーシステム全体が相撲に向けた形になっているとのことである(データベース化け物のように高額なものを使用しているそうな…)。

「おもさ」と相撲の関係

相撲に関連するパラメーターとして、本作から新たに「おもさ」が登場した。

おもさはプレイヤーモンスターともに設定されており、この値が相手より大きい(重い)場合は相手をどんどん押すことができ、逆に相手より低い(軽い)場合は相手にどんどん押されてしまう。お互いの値が同程度であれば、その場で拮抗して動かない状態が続く。

おもさの値は、プレイヤーが装備する武器や防具にも設定されており、これらを合計したものが最終的な値となる。布や皮製の装備品よりは製のもののほうが重いため、軽い装備品しか身に着けられない僧侶魔法使いよりも、戦士パラディンなどが相撲に適している。

また、相撲シチュエーションは「1体のモンスタープレイヤー複数人がかりで押す」「複数体のモンスタープレイヤー1人で押す」「複数のモンスタープレイヤーひとかたまりになって押し合う」などがあり、これら状況の場合はお互いの勢のおもさの合算値で較される。

押し合い反撃(ターンエンド)

相撲によってモンスターが攻撃対プレイヤーに近づけない場合、そのモンスターは「押し合い反撃」と呼ばれる特殊行動を行う。

この押し合い反撃は、一部プレイヤーたちの間では「ターンエンド」という通称で呼ばれているもので、進路を妨しているプレイヤーたちを蹴散らしたり、相撲を有利に進められるよう自身を強化するような行動を行うことが多い。

な種類は以下のようなものがある。

なお、相撲に突入してから押し合い反撃へ移るまでの時間はモンスターごとに個別に設定されているようで、通常のモンスターは15程度で押し合い反撃に移るが、「アトラス強」「バズズ強」「ベリアル強」「ギーグハンマー・狂」などは4程度と、非常に短くなっているものも存在する。これらの短いモンスターたちは、意図せず体がひっかかっただけでも押し合い反撃が暴発するため注意が必要である。

一部のモンスターは、通常の行動パターンより押し合い反撃のほうが大人しい内容になっているものも存在する。これらモンスターと戦う場合は、戦略的にわざと相撲状態を長引かせて通常行動をさせない、ということもある。

余談

実はドラゴンクエストⅤのノベライズ(著:久美沙織)のある箇所で何故か本当の相撲シーンをやっていたりする。相撲を見たことがない人には何が起こっているのかよくわからないことは間違いない。

関連項目

脚注

  1. *この通称については、当時のディレクター把握をしている。 → 藤澤仁氏のTwitter発言exit
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