石炭 単語


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石炭とは、炭素窒素硫黄水素酸素などからなる化石燃料である。

概要

石油天然ガスと並んで化石燃料として知られるエネルギー。その地位は先進国においては石油に取って代わられたが、今でも製鉄などに利用するほか、日本では火力発電などで現役で活躍している重要な資である。

石炭利用の歴史

古くから燃える石として知られ、燃料として使用されていたが、本格的に注されるのは蒸気機関が実用化された産業革命以降となる。

イギリスではじまった産業革命は燃料の需要を増大させ、それまでの森林から得られる分だけでは賄いきれなくなっていた。そこで注されたのが石炭である。さらに石炭を加工して作るコークス製鉄に重要な役割を果たし、産業の発展に大きく寄与した。イギリス産業革命がおこったのも、内で大規模な石炭の鉱床が存在していたからである。

その一方で、石炭を燃焼させた際の有物質の問題も発生するようになり、ロンドンでは健康被害が発生するようになる。

それでも石炭と蒸気機関の組み合わせは鉄道や蒸気などの交通・輸送のためのインフラに欠かせないものとしても大きな役割を果たした。化学工業方面でも大きなを与え、ダイヤモンドとも呼ばれ、近代化に欠かせないものとなっていった。

しかし、二十世紀に入って石油が使用されるようになると、石炭は石油べてエネルギー効率が悪く、その割には燃焼時の有物質が石油より多いことなどから、石炭から石油へのエネルギー転換が進む。これを第二次エネルギー革命という。

現代では、エネルギー・動力としての地位は石油に譲ったものの、製鉄などの分野では石炭は現役である。

日本での石炭

明治時代、それまでは燃石や丹、岩木、朱、五太などと言われていたが、ドイツ語の「steinkohle」を日本語に訳した時に石炭という訳語が当てられ、それが定着した。

明治維新後の近代化の中で、石炭の需要はやはり増えた。そのため、炭鉱がある町は石炭の採掘によって繁栄を享受していた。しかし、第二次エネルギー革命日本でも避けられず、その地位を石油に譲っていく。現在ではかつてほどの地位にはない。炭鉱で栄えた町の多くが現在では見るもないのはこのためである。

しかし、石油べて安価であり、中東など政情不安定な地域に埋蔵が偏っておらず政情に左右されず安定的に輸入できること、埋蔵量が多いこと、日本でも採れるなどのメリットもあるため、石油ショック後に日本では火力発電が石炭火力発電に回帰していたりする。2025年時点でも日本の石炭火力発電は変わらず火力発電の柱の一つであり、それすなわち液化天然ガスと並んで石炭が日本の電力の要を担っているといえる。燃焼の際の有物質の問題なども技術革新によって大幅に軽減されている。

では、なぜ日本の炭鉱が復活しないのかといえば、採掘コストの問題である。オーストラリアなどは露掘りで大規模な採掘ができるため、コストが大幅に削減できる。日本では坑内掘りのため、コストがかかる。この問題を解決しない限り、石炭も輸入に頼るのがメインとなるだろう。

ちなみに、発展途上国でも未だに石炭の消費が多いが、日本ほどのクリーン発電も見込めないため、石炭の燃焼で大気汚染などを起こして健康被害をもたらしたり、温暖化の原因になっている。

石炭は何処から来るのか

石炭は植物化石であり、数億年前~数万年前の植物遺骸が地中に埋もれ、それが地熱や圧力で変質してできるものだと通説では考えられている。ちなみに、石炭になる前の状態は泥炭と言われ、これもかつては燃料として使われていた。このため、地理などでは古期造山帯で多くとれると習うが、実際にはそれ以外の場所でも採掘できる。しかし、植物化石である以上、無限湧きせず、いつかは枯渇してしまうということである。

炭鉱(炭田)

石炭は石油と異なり、較的採れる地域が偏っていない。日本でも、石狩炭田や釧路炭田、留萌炭田のように現役で稼働している炭鉱がある他、かつては筑豊炭田など有名な炭田が多くあった。資が少ないとされる日本でも採れるのである。これらの炭田の近くの町は炭鉱夫が住みその炭鉱夫を相手にする店が繁盛するなどして繁栄を極めていたが、エネルギーが石炭から石油に移行すると採算が取れなくなって閉山に追い込まれていった。その結果、これらの町は人が流失して過疎化、衰退してしまった。福岡県及びそれを中心とする北九州工業地帯の衰退や、夕張市の財政破綻は炭田が閉山してしまったことが大きな原因である。

また、炭鉱は落盤流入、粉塵爆発、窒息、火災などの炭鉱事故が発生することがある危険性の高い場所である。坑内で数人の作業員が働くため、一度の事故で何十人何人という犠牲者がでることもしくない。特に、1981年夕張炭鉱の事故や、1963年三井三池炭鉱の事故が有名である。

埼玉西武ライオンズ勝利時に演奏したり、盆踊りで使用したりする炭坑節福岡県の炭鉱夫が歌っていた民謡が発祥とされる。

創作での石炭

石炭を食べる生物

生物には石炭を食べるという設定を持つものも存在する。

昭和怪獣には時折見られた設定であり、『宇宙大怪獣ドゴラ(1964年)』『大怪獣ガメラ(1965年)』などで採用されている。

ガメラ怪獣図鑑などの図解では体内に石炭袋を持っていて、そこに石炭を貯蔵するという生態を持っている。その他、石油ウランも食べるほか、熱を直接取り込むという設定もある。

これらの石炭を食べるという設定は、この時代は現代よりも石炭が身近だったのもしているかもしれない。

その一方で、現実世界エネルギー革命を経て、日本でも石油の精製工場コンビナートが多数立ち並ぶようになると、怪獣食も石炭から石油に移っていく。『ウルトラマン(1967年)』のぺスター、『ウルトラセブン(1968年)』のキュラソ星人、『帰ってきたウルトラマン(1971年)』のタッコング、『ウルトラマンタロウ(1973年)』のオイルドリンカーなどは石油を飲む怪獣宇宙人である。

平成では『ポケモンシリーズコータスが石炭を体内で燃焼させてエネルギーにしているとポケモン図鑑で言及されている。

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